魔術師たちの言想遊戯I
言想魔術――それは“言霊に愛された者”が発動する不可思議な力。“ごく普通の”高校二年生、歌鳥がアルバイトに応募した書店《言想堂》は、言想魔術師たちの危険なアジトだった。面...
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商品説明
言想魔術――それは“言霊に愛された者”が発動する不可思議な力。“ごく普通の”高校二年生、歌鳥がアルバイトに応募した書店《言想堂》は、言想魔術師たちの危険なアジトだった。面接中にも言想獣の襲撃に遭ったものの、童女の姿をした店長を中心に難なく撃退してしまう。そんな中、魔術師としての素質を見出された歌鳥は“無事に”採用されるが、店長に「関わるな」と厳命されていた店員の少女、フラグと“対面してしまう”。その瞬間、彼は記憶を失い――気が付くと彼女に“恋をしていた”。そして彼女を狙う組織《言霊会》の刺客たちと戦う日々が始まった!! 第12回えんため大賞特別賞受賞、“言霊”を自在に操る者たちの危険な魔術遊戯、開幕!!
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たった一文で物語は一変する
2015/08/27 10:21
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
新黒谷市の県立新黒谷高校の生徒である弓原歌鳥は、最近通うようになった書店・言想堂のバイト募集に申し込む。小学生みたいななりをした店長に即採用された歌鳥だったが、そこは超危険地帯だった。浮船詩織や都築説子という店員たちは、言想魔術師という、言葉を使った魔術の使い手で、言霊会という公的魔術組織に狙われる魔法使い・フラグを守るため、日夜、戦いに明け暮れていたのだ。
いきなり命の危機に陥ってしまい、バイトの辞退を申し出た歌鳥だったが、彼の魔術師としての才能を見た店長は、脅し混じりに彼を無理矢理店員にしてしまう。そうして働くことになった歌鳥は、フラグと出会い、彼女と話をしたことで、恋に落ちてしまう。自分の本来の目的を失って…。
一方、学校では、しゃべれるのにしゃべらずにスケブで会話をする少女・木下環に付きまとわれる歌鳥は、第二文型部という謎の部活に入部させられることになる。
とてもトリッキーな構成で、何が本当で何が虚構なのか、読んでいて惑わされる。でもそれが面白い。すごくあらすじが書きづらいよ、冒頭の部分を書いただけでネタばれになりそうだから。つづきも楽しみ。
物語は、当たり前だけど、言葉で出来ている。だから物語の前提は、たった一文で覆すことが出来る。普通はそんなことをやると物語が崩壊してしまうのだが、この作品は、一変する前と後できちんと整合性を持って物語が接続されるので、その心配はない。
言葉にまつわる小ネタが各所に仕込んであって、読み進めるとその意味が徐々に明らかになり面白い。色んな作品からの引用も隠れている。