ガニメアン3部作の完結編に相応しい逸品
2001/06/11 23:32
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こじましゅういち - この投稿者のレビュー一覧を見る
冥王星の彼方から、再びガニメアンからとおぼしき通信が届き始めた。ところが、通信はなんと地球側の標準データ転送コードを使用しており、文は英語だったのだ。意味するところはただ一つ。地球は遥か昔から監視されている…!通信元は宇宙の彼方のジャイアンツ・スターに移住したガニメアンの末裔。しかし何かがおかしい。権謀術数とは無縁なはずのガニメアンが何かを隠しているようなのだ。さらに、通信内容は現実の状況とはかけ離れた認識を示していた。やがて明らかになる陰謀とは…。
『星を継ぐもの』、『ガニメデの優しい巨人』と続いてきたガニメアン3部作の完結編。完結編だけあって、お話はもう山あり谷ありの面白さ。のっけから権謀術数渦巻きまくり。地球を監視してきた謎の監視機構の目をくぐって極秘裏にコンタクトしてきたガニメアンの一派、コンタクトする人類側も一枚岩ではなく、状況は地球から旅立った<シャピアロン>号のガニメアンすら巻き込んで動き出す。ガニメアン、人類双方の間で暗躍してきた謎の地球監視機構の正体とは?展開が次から次へとダイナミックに動いていくので飽きさせません。人類側もアメリカ、ソビエトの頃の話なのでいろいろ複雑だし。でも、ペイシーとソブロスキンのくだりはいいよなぁ。「君は一敗地にまみれたといったね。それは違う!」のシーンは思わず泣きが入る。
しかし、この作品の醍醐味といったら、何と言っても後半の「架空戦争」でしょう。遂に牙をむいた敵の擁する戦力は、地球を滅ぼすことすらできる大艦隊。かたやガニメアン・地球人にあるのは、なんと丸腰の<シャピアロン>号が一隻のみ。ところがどっこい、ガニメアン・地球人連合は、知恵と勇気とハッタリだけで敵に立ち向かってしまうのだ。もうだめかと思われた絶対的劣勢から一気に大逆転!いやはや、痛快無比とはまさにこのこと!
いろんな要素をまとめて大団円になだれ込む、完結編にふさわしい逸品。これだからガニメアン3部作はやめられない。大のオススメだ!
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『星を継ぐもの』『ガニメデの優しい巨人』に続く、ガニメデ三部作の完結編。“巨人たちの星”からの通信を得て、再び多くの謎が浮上してくる。通信の相手は本当にガニメアンなのか、または全く別な誰かなのか。国連は秘密裏に外交を図ろうとする。三部作での謎がすべて解明される。
今回の内容としては、ミステリーのジャンルにあるような謎解きの部分はほとんど無く、どちらかと言うと事件に絡んでの政治的駆け引きを描いています。例えて言うならハリウッド映画のようなエンターテイメント性が強い作品だと感じました。舞台のスケールの大きさも前作から見ると飛躍的です。第一作目を読んだときには、まさかここまで話が大きくなるとは予想していなかったので正直いって驚きました。前二作との大きな違いは、“善悪”という、立場がはっきりと異なる者同士の対立を描いているところでは無いでしょうか。そういう対立と、その解決を描いているところがエンターテイメントに感じるのかもしれません。
後半になると、内容的にかなり緊張感を伴ってよい展開なのに、登場人物達は実に明るく、心配になるくらいです。何故そんなに明るいかと言うのにもちゃんと理由があって、面白いんですが。
三部作全体の印象としては、やはり一作目が一番面白かったと思います。完結編の本書はコミカルな表現が多すぎて、あまり私の好みでは無いかも…。
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今回は、異文化同士の触れ合い、駆け引き、そして争いに主眼が置かれている。前二作の謎、というのも、その解明はオマケみたいなものだ。クライマックスに向けては盛り上がったけど、どうも前半は退屈な印象は否めず。
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ホーガンの「星を継ぐもの」シリーズ第3弾。今回はミステリーの要素も入ってきて、前2作とは少し変わった趣。
SFなんだけど、自然科学というよりは社会科学的な要素がもりだくさん。ヘラーのような法律家も出てきて、自然科学が自然科学だけで凝り固まっていてはいけない、という警鐘のような気もします。ただ、地球の歴史への介入云々の辺りは、気持ちはわからなくもないけれど、やりすぎの感も。前2作は、別にこれまでの理論を揺るがしたわけじゃなかったから違和感もあまりなかったけど、歴史が覆るとなると現実から飛躍しすぎで、どうもついていけません。
しかし、おもしろいことはおもしろい。ゾラックに加えてヴィザーが登場し、この2台のコンピューターの会話シーン(?)など、大いに笑いました。全く異なる性質の知性生命体2種が交流することで、より進んでいるはずのガニメアン(テューリアン)が困惑するシーンも見もの。コンピューターと人類が一緒に悩んだり喜んだりするっていうのは、想像するだけで楽しい気がする。人類が滅亡しなければ、そのうち、地球上にもそういう現実は現れるんだろうなぁ、と思ったりして。
ミネルヴァにおけるランビアンの登場など、3作目にして全ての謎が一応、環をとじる形で完結する構成はみごと。実は4作目がある、っていうのが、わずかに気に入らない点。
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3部作の(一応)完結編です。さすがに息切れ感があるというか、前作までで解明されていない謎が次々に明かされていくのですが、すごいご都合主義と、陰謀論的な史観、(当時の状況としては仕方がないとは言え)陳腐な地球上の政体と勢力争いと言った趣で、SF以外の部分があまり面白くないのですよね。スペオペっぽくなってしまった。
大ネタの種明かし自体はそこそこ面白いので、3部作の締めくくりとしては読む価値はあると思います。前2作のようなミステリ的要素を求めていると裏切られるかも。
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『星を継ぐもの』三部作の一応完結編に当たる。スペ・オペしてます。但し、今回は何となく「地球人が戦争をしたり悪い事をするのは宇宙人の所為だった」なんて、逃げというか、ご都合主義的な説が鼻につく感じ。此も一つの未来史ではありますが、納得いかない点もややあり。で、続きも出てるんですよね……三部作じゃなかったという。(爆)
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ホーガン三部作の完結。おなじみのキャラクターが登場しつつも、前2作よりはインパクト・ホカホカ感は少ないか。
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「星を継ぐもの」の4部作の第3編。前作で張っていた伏線がここでもちゃんと生きている。質量の大きいものは、そんなに簡単には動かないのである。しかし、まさかこうなるとはね。多分、筆者はこの物語を書いているとき、楽しんで書けていたのではないかなと思う。ところで、ウィザーとかゾラックとか欲しいなぁ。「ねえ、IBM があのくらいのコンピュータを市場に出すまであと何年かかるかしら?」[2007/05/09]。
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「ガニメデの優しい巨人」の続編。
この続きで「内なる宇宙」があるが、これで一応、巨人シリーズは完結している。
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『星を継ぐもの』シリーズの最後の作品
(と言っても実は後年続編が書かれたらしい・・・。読まねば)。
前二作に比べ、
なんだかちょっと無理矢理な気がする設定。
しかし流浪の民ガニメアンが
とうとう同じ種族と再開できたシーンは何度読んでも感動的。
私が(加齢とともに)感動しやすくなっただけかもしれないけれど・・・。
やはり最後に「おー、そういうことだったのか!」と
思わせるオチがあること、
そしてしっかりとその伏線が張ってあるところはきれい。
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J・P・ホーガンの『巨人の星シリーズ3部作』の最終巻です。
「内なる宇宙」という続編が存在しますが、あくまでエピローグ的なものとおもってよいと思います。
自らの過去を思い、故郷への旅路へついたガニメアン。そして唐突に地球に届いた謎のメッセージ。
まるで今まであったことを全て見透かしているかのよう…まさか盗撮!?イーャー(笑)
伏線回収を重点的に行った作品です。
SFと想像力に拍手を。
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想像をこえる程の時間がたっていたため
遷都していた、ガニメデの住人たちの母星。
そこには、もー説明なんぞつかん。と思われる
ほどのオーバーテクノロジーな世界が。。。
地球から出発した旧ガニメアン達の船が
新母星に到着する前に、地球と新ガニメアン星を
往復しちゃうってんだから、ビックリ。
もちろん、その為のテクノロジーの説明は
すごーくリアルです。なんだ、ちゃんと説明ついてんじゃん。。。w
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一応、「星を継ぐもの」3部作が完結したわけだが、
確かに、全ての辻褄があったけれど、
内容としては、1作目>2作目>3作目、という感じは
否めない。
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すばらしい想像力です。
28年前に書かれたとは思えません。(まー一部古い部分もありますが
この作者の想像力には脱帽です。
「星を継ぐもの」「ガニメデのやさしい巨人」までは、
非常に驚きの展開で面白いです。
それ以降の2作は、悪くは無いです、悪くは無いのですが
1・2作目の素晴らしさを知っているだけに、
グレードが下がります。
どうしても、前作までの設定を引き継いで矛盾無く
ストーリーを進めないと行けないからでしょうが、
サプライズ不足感を感じてしまいます。
〜〜シリーズ〜〜
「星を継ぐもの」
「ガニメデのやさしい巨人」
「巨人達の星」
「内なる宇宙」
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読むのが遅い私は9カ月くらいかかったかな?;
でもおもしろかった!
最後は読み終わって鳥肌が立った!
まずは…
ハントとリンの2人の関係については別にどうでもいいです…;
最初はびっくりしてこんなシーンいらないってショック受けた;
私は恋愛には夢見すぎなだけかもしれないけど。
ペイシーとソブロスキンの友情がすてきv
仕事の立場上では敵なんだけど、それを抜かして考えれば人間として嫌いじゃないっていうのがとてもいい!
スヴェレンセンは逆に嫌。
女性にだらしないし品が無いー
ロシアの女の子の関係のシーンとかリンが招かれるシーンは読んでて嫌な気分だったな。
ガニメアン達は本当に好きv
愛しい種族たちv
敵は敵でなんだか最後は簡単にこちらの思う通りに追い詰められていって物足りないという人もいるかも。
けど私はこういった敵の方が好きです;
はらはらはしないかもしれないけど心臓と精神にはとてもいい;
そして…やっぱり最後はダンチェッカーさんですか!!
かっこよすぎて笑いながら読みましたv
4作目もあるみたいだけどどうだろう…
次は何の本読むかはまだわからないけど、本当にこのシリーズはスターウォーズみたく映画化してほしいくらい(映像にするのは難しすぎか;)おもしろい本だと思います(^-^)