物部氏の伝承
著者 畑井弘
大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がか...
物部氏の伝承
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商品説明
大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。(講談社学術文庫)
目次
- はしがき
- 第一章 物部氏と物部連──饒速日命と可美真手命
- 饒速日命/饒速日命は虚像である/原・饒速日命伝承/フツノ霊にほかならぬ饒速日命/「可美」は「ウマシ」にあらず/「甘酒」は「カム(剣)サル(矢)」/「カ怜国」とは「銅の国」/「可美」とは「カム」(剣)のことである/カムとツルギ……神・剣・山・柱/可美真手命伝承/可美真手命と宇麻志麻遅命/饒速日命・長髄彦・可美真手命の変貌/欝色雄命伝承/閑話休題
- 第二章 蛇と鵄──長髄彦伝承と神武の大和平定伝承
- 長髄彦は銅鐸祭祀の蛇神族の魁帥/磐余の登美毘古/土蜘蛛と高句麗系鍛冶氏族日置氏/登美族を平定した畿内ヤマト王権/金色霊鵄/登美族/天富命/登美族の建国と「天神郊祀」/原・天照大神とサル田彦神/二つあった小野榛原の霊畤/大伴連家の「頭八咫烏」伝承/高句麗系らしい大伴の八十伴男/鴨と鵄と鷲/蛇から鵄へ──鍛冶神の交替
- 第三章 香の鍛冶王──伊香色雄命
- ほか
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未だに謎に包まれた大和朝廷時代の物部氏の実像に迫ります!
2020/03/29 09:38
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、古代の我が国、大和朝廷の時代に絶大な権力を握っていたとされる物部氏の実像を、膨大な史料を読み解きながら明らかにしていこうという画期的な一冊です。実は、物部氏の実像については、未だによく分かっていない部分が多く、私たちが事実と信じているもののなかには虚像も混ざっているのではないかと言われています。そこで、同書の著者は、古事記や日本書紀、さらには物部氏の系譜についての史料などを丹念に読み解きながら、物部氏の実像に迫ろうした興味深い書です。内容構成も、「第1章 物部氏と物部連」、「第2章 蛇と鵄」、「第3章 香の鍛冶王」、「第4章 鍛冶王のバラード」、「第5章 石上神宮の謎」と、古代史ファンにはたまらない一冊でしょう。