殺竜事件 a case of dragonslayer
著者 上遠野浩平
竜。それは善悪を超越したもの。勇者を十万、軍を千万集めても倒せぬ無数の存在。その力を頼りに戦乱の講和を目論んだ矢先に、不死身のはずの竜は完全閉鎖状況で刺殺される──「事態...
殺竜事件 a case of dragonslayer
商品説明
竜。それは善悪を超越したもの。勇者を十万、軍を千万集めても倒せぬ無数の存在。その力を頼りに戦乱の講和を目論んだ矢先に、不死身のはずの竜は完全閉鎖状況で刺殺される──「事態が不条理だからこそ、解決は論理的なのさ」戦地調停士ED(エド)は謎に挑むため仲間と混迷の世界に旅立つが──ミステリーの“謎解き”とファンタジーの“異世界”がひとつの物語に融合する。さあ読者諸君、仮面の男と冒険の旅に出かけよう!
目次
- 第一章 洞の中
- 第二章 姫君と騎士
- 第三章 水面のむこうがわ
- 第四章 海賊の都
- 第五章 生ける竜と、死せる竜と
- 第六章 暗殺者の森
- 第七章 “犯人”
- 第八章 旅の終わり
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おもしろい
2003/05/29 18:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまのぼり - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブギーポップシリーズよりシンプルで読みやすい。キャラクターも個性的ですてきだ。続いていて、ちょい役だったキャラクターもどんどん出てきておもしろくなりそうだ。
異世界だけど、やっぱりおもしろい!
2003/01/25 21:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:言ノ刃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで発行してきた作品(例えばブギーポップシリーズとか)とうって変わって、いきなりミステリーですかぁぁ!!
と、最初自分は思いました。
なかなかに面白く、かつ引き込まれていってしまいました。ミステリーというジャンルはここ最近になって読み始めたのですが、異世界を舞台にした話というのはそうそうないと思います。おまけにこの異世界、魔法が飛び交うという設定なので、こちらの世界とは正反対だという点でも魅力ある作品だと思います、
それにしても、不死身の存在がなんで殺されなきゃならんのだぁぁ、と思ったのですが。
これを心に留めておいて読んでいくと、結構候補となる理由が出てきます。なるほど、そういう目的か?とか、そういう考えもあるんだなぁとか。いずれの理由にせよ、その根本にあるのは『欲』かな、と思いました。やはり舞台や歴史やいろいろなことが違っても人間の『欲』というのは絶対的に存在するのだと思います。
そしてそして、旅をする三人もそうですが容疑者候補達もかなりな方々です。個人的にキャラだけ見ていっても相当楽しめました。うん。ココの点は読んでみないとわかりません!
最後に一つ。これはきちっとした一本モノとしても読めますが上遠野さんの他作品やシリーズを知る人にとっては「あぁっ!」というところが随所に出てきますので…チェックしてみると良いです。
果たしてこのシリーズ、どんな事件がこの先起こるのか楽しみです!!
ミステリちゃいますファンタジーだす。
2002/02/16 23:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:電気屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は笑っちゃうくらいに古典的なミステリのパターンを踏襲してるっス。もーね、ミステリちうよかいっそ探偵小説と言ったほーがいーんでない? てなくらい。
奇矯な探偵役に有能で常識人のワトソン役がサポートちう人物配置。密室殺竜(!)に解決までのタイムリミット。殺されたのが竜であるって以外は思っくさお約束通りっス。もちろんトリックあって、ちゃんと最後に名探偵がみんな集めて「サテ」とやらかします。
でも、コレはファンタジー。読み終わってみれば、トリックも謎解きも、限りなく神に近く、しかしながら神では決してない存在である竜こそが物語の核をなしているのに気づかされるはず。そう、コレはやっぱりいつも通りの上遠野節なんであります。
よりくわしくは、コチラなぞご覧あれ。
政治的な思惑ひしめくこの世界のあるべき未来とは?
2005/04/22 14:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は冒険小説である。
少なくとも私はそう思う。舞台設定はファンタジーであるし、ミステリ的要素もあるが、それ以上に異世界を旅する感覚が何よりも味わい深いのです。著者によるあとがきにも「この作品は旅の物語である」とはっきり書いてあって、やっぱり!と大いに頷きました。
魔法が日常的に使われる世界。
騎士や魔導師が存在し、各国の様々な思惑によって戦争が行われている。
長期化した戦争の停戦協定を結ぶため「戦地調停士」を初めとする面々が独立都市、ロミアザルスに集結した。
ロミアザルスはどの国にも干渉されない中立の地である。それは竜が棲み、守る土地だからだ。
この世界における竜は圧倒的な存在であり、竜の前では人間など何の力も持たない。
そんな竜が殺された。
術が施され、許可なく足を踏み込むことの出来ないはずの閉鎖された空間で、何者かに刺殺されたのだ。
これらの謎を解明するため、第1発見者となった戦地調停士EDと仲間は、過去に竜に面会した記録のある人物を訪ねる旅に出るのだが…。
EDと共に旅をするのは、女性でありながら特務大尉を勤めるリーゼと、風の騎士として名の知れた少佐ヒースロゥの2人で、物語はリーゼの視点で進んでいきます。
クセのあるEDの語り口調は好みが分かれると思いますが、とても興味をそそられる人物で、この1冊では語りきれない過去や、大きな決意が垣間見れ、続編への期待も膨らみます。
また、真っ直ぐな気性で男気溢れるヒースロゥの人柄も、EDと絶妙なコンビネーションで物語を引っ張ります。
バランスを取るためなのかリーゼにあまり個性が見られないのが残念ですが、旅先で出会う人々が3人以上に魅力的で、そこもまた冒険小説として面白く読めるポイントなのかなと思います。
キャラクターがその世界で「生きている」姿が目に浮かぶのですよ。
そしてその人物達を通じこの独特な世界観に触れることで、読んでいる私自身も違和感なく異世界の住人になれるのでしょう。
ミステリとして読むとなると、そもそも前提となる世界観がアンフェアなのはこの際目をつぶるとしても、やはり読者に対する情報の提示が段階的で「後出し」の感じがするのは否めません。
やはりそれはファンタジーの宿命なのでしょうか。
ただ、その世界観に頼ることなく、きちんと論理的な推理を進めているのはさすがです。
たとえ推理の材料の出し方に違和感があったとしても、決してそれは読者を裏切るものではなく、きちんとミステリとして成り立っています。
ミステリとして期待して読んだ感想なので★2つと辛口ですが、やはり本書の楽しみは「謎解き」ではないと思うのです。
政治的な思念のひしめくこの「殺竜事件」の世界を旅し、EDと共にあるべき世界を創造していく、そんな未来に思いを馳せて…。
ミステリーでもファンタジーでもない
2002/07/14 16:08
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:boogie - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとヤバイほどつまらないです上遠野さん。
「不死身のはずの竜が殺された。犯人は誰だ?」という問いに従って世界中の犯人候補を訪問していきます。のっけから「不死身じゃないじゃん!」と突っ込みたくなるのを押さえて読み進めていくと、この世界観(魔法と機械のファンタジー世界)がどうしても鼻につきだします。というか文章も進め方もまとめ方も、すべてが中途半端な感が否めません。これはミステリー?(いいや違う)、それじゃあファンタジー?(これも違う)。中途半端な世界を中途半端なまま旅している感じです。登場人物の経歴も、微妙なところで出し惜しみされているような。
ところでこの話、ブギーポップなどの他の上遠野作品とも繋がっているようです。ファンは一読してみるとすぐにわかるでしょう。