青の華燭

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投稿者：M★　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

心が綺麗で大人しい蓮見空和には、両親が居ない。自分の過去を知らない空和。
空和を養子にした蓮見洸仁（水神）は、大きな屋敷を構え、年を取らない不思議な人。
雪舟薫 さんのイラストが綺麗で、作品の内容にマッチ。

著者は、神話が大好きなのだそう。土台は、水神への人柱伝説。
世界中にあるドラゴン伝説や八岐大蛇は、氾濫する川の治水伝説でもあるのですが
この話も、数百年前に人と水神が交わした治水に関わる神と人の契約が骨子。

神契の伝承：本文中頃に記載。
・・昔、川の氾濫を収めてほしいと水神に祈願した村長が水神と契約を結ぶ。
水神の守護を賜る代わりに、百年ごとに子孫から子供を生贄を出すこと。
村長の子孫は代々、生贄の約束と、契約を解除する「水神の真名」を継承する。

洸仁の人嫌い：
無計画な乱計画で、自然霊の住処を奪う愚かな人間が嫌い。
村長の子孫が経営する会社のビルの地下に、社を作り埋め立てた川の水流を引きこんだ池を設営して水神の住処を保護していた。

百年ごとの約束：　
その水神は青い鱗を持つ水龍で、人化して村長を護っていた。
約束の100年周期が訪れ、村長の末裔の子孫の中で１４才になる子を出さねばならない。
孫が可愛い村長は、孫の代わりに両親を失った３才の子を養子にして、箱詰めにして水に沈める。

洸仁が人化して空和を護る訳：
水の底に沈み、木箱から出て、青い竜に笑顔で抱き着く身代わりの幼児。
幼児を助ける水神。厭世して死を願う水龍の気持ちを変えてしまうほど、無垢な魂をもっていた。
空和は特別な子・・水の底の世界で、水神と生贄にされた子の交流を表現したのが、表紙の絵。

空和と水神の婚礼
村長の孫に拉致された空和を助けて、力尽きた水神は消えてしまう。
自分の生い立ちと居る意味を知り、孤独に耐えかねた空和は、洸仁を探す旅に出る。
やっと洸仁が待っていた華燭の典を迎える。この場面で、二度官能シーンがありますが、他は有りません。
BL要素薄い民話ファンタジー、私は、綺麗な話なので好きですが。

誰かの犠牲の上に成りたっている平和な生活。
悲しい人柱の伝説を、この作品は不死の恋人同士の永遠の純愛で描いていました。
人柱が水死する不幸を、神霊の世界で神の嫁になって幸せになると、そう思うことで生贄を送り残る側（私たちの先祖）の罪の呵責が減りますね。

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投稿者：はな　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

見終わってほっとため息。ゆらゆらとした水のなかに何時間もいたような心地です。こういった優しいお話に巡り会うのは行幸と言えるほどの奇跡なので、ほんとはオススメしたくはないのです。したくはないのですが、みなさんにも知って欲しいなあと思いましてついレビュー書いてしまいました。
美しい不思議な青年と優しさのなかに強さもある可愛い少年の恋物語です。ご一読を。

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投稿者：本と付録好き犬　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

かなりの所まで読んでわかりました。　物心ついた時からの環境で、なにが
普通か知らない箱入り息子はとても純粋。挿絵は大好きなイラストレーターの方
でしたが、登場人（？）物すべての「息をしているの？」と思うような不思議な雰囲気
に引き込まれ、自分も水の中にいるような心地よさでした。　続刊で、あちらの世界
でがんばる主人公を超溺愛する様を見てみたいです。

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

水面が反射するような光を放っている作品。
なんかきらきらしてます。

明らかに人外の香りがぷんぷんしている洸仁に
両親が死んでから育てられている空和
完全過保護溺愛ですが、空和はあまりそれに違和感を持ってない。
（まあずっとそうやって育ってきたのなら、
それが普通だと思うよねー）
大学生になっても父と手をつないだりキスしたりするのが普通と思っていたり
結構大きくなるまで「おつきの者がいる生活」が普通でないって知らなかったって。

それまで、あまり違和感のなかった生活に空和が疑問を持って行動したり
それに加えて洸仁会社のごたごたがあったりで、
閉じていた世界が弾ける

誰もいなくなってしまった屋敷で一人になった空和の様子がとても切なくて
愛おしいです。
洸仁が掌に大事に大事にしていた気持ちがわかるなぁって感じ。

BL神話（民話）ファンタジーできらきらした印象を持った溺愛作品でした。

余談：ちょっと気になるのが門宮と縁が切れたら
・・・資金はどこから？って下世話なことを考えました。
いや・・・そこは考えなくても良いのか？
あるいはそれなりに続いているのか？
とりあえず、現世のお金は必要でしょうからと
なんか・・・話にそぐわないことが気になってしまいました。

☆3.5

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投稿者：かなぶん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

素敵な作品でした。でしたんですが・・・
主人公、空和の世間知らず具合に少しいらいらしました・・・
世間知らずの理由もしっかり書かれてるのでおかしくはないんですけどね・・・