電子書籍
怖いだけでなく心理描写の妙
2021/10/25 12:55
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投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間心理を深く抉るホラーチックなミステリ5編が収められている短編集です。特に表題作の『強欲な羊』は旧家の姉妹のゴタゴタを描いた普通のホラーかと思いきや作者の仕掛けた罠にびっくりしました。二転三転する語りにあっと言わされました。他の作品も人間関係の機微をうまく捉えているなあと感心しました。
紙の本
イヤミス?
2021/05/19 04:38
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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんなにイヤミス感はなかった気がするな、自分の感覚が麻痺してるのかもしれないけど。
お話としてはしっかりしてるし面白いものが多かった、ただ、一番好きだった『ストックホルムの羊』はこれタイトルがよくないんじゃないかな…このタイトルのせいで全く驚きを感じられなくて結構がっかりしました。
電子書籍
女って怖い・・・
2015/12/15 10:37
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投稿者:やきとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
全5話の短篇集。羊というキーワードで繋がるそれぞれの話は独立したモノだと思っていましたが、最終話で全てが繋がる仕掛けになっており連作だったことがわかります。なので短篇集だからといって最終話から読まない方がよいでしょう。
本作の登場人物は主人公を含めた女性のほぼ全員が曲者揃い。しかもすべて恋愛絡みで暗い情念を燃やしエグイ事を行ってしまうので読んでるこちらも決して気持ち良くはないのですが、二転三転する構成や話の流れが上手く結末が知りたくてグイグイ読ませます。最後がスッキリしないものが多いので「イヤミス」にカテゴライズされているようですが、私的にはホラー風味のミステリーがしっくり来ました。
しかし、この本読むと女性って怖いなと思ってしまう・・・・。
紙の本
イヤミスは合わないことがわかった
2016/03/15 22:46
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投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ストックホルムの羊』以外は、全然引き込まれなかったかな。この作品が悪いというより、このジャンルが合わないということだろうか。『8番目のマリア』はまあまあ面白かったのでこれも読んでみたのだが。。。
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投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「羊」をテーマにした短編集。どの作品もあれこれ怪しくて、「この人がそうなんじゃ…」と思いながら読むと、ある程度までは推理できたけど、100%は無理だったので、「そうだったのかぁ。という気分は味わえます。
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「羊の皮をかぶった狼」=したたかな女たちの物語。ミステリーとしての驚きはそれほど感じなかったが、ねちっこく陰惨な筆致はけっこう癖になりそう。
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第7回ミステリーズ!新人賞受賞作。
『羊』をテーマにした連作短編だが、創元の新人からイメージされる本格系ではない。サスペンス寄りだがホラーの要素も強く、『イヤミスの新女王』という版元の惹句にはちょっと疑問を感じる。
表題作でもある『強欲な羊』はサイコサスペンス、『背徳の羊』『眠れぬ夜の羊』は社会派サスペンス、『ストックホルムの羊』は、本書の中では一番本格寄り、そして最後の『生贄の羊』はパニックホラーの要素が強いと感じた。
やや気になるのは『ストックホルムの羊』のオチが、ある既存の作品を強く連想してしまったところだが、『強欲な羊』の語り手が徐々に壊れて行く描写は良かった。
巻末の解説によると、著者はホラー映画の脚本でキャリアがある人物とのこと。ホラー的な描写の方が上手いと感じられたのはそのせいだろう。どちらかというとミステリよりホラー方向で活躍して欲しいタイプだと思った。
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「羊」をテーマにした、5つの短編が収められています。
どの短編も、私好みの、ミステリとホラーが融合したテイストで、一気に読みました。
最後に、すべてが一つに繋がる仕掛けも、面白かったです。
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みんな、気味が良いくらいに気が狂ってる。
落ちは何となく分かるけど、どれも気持ち良いくらいに最悪の結末。
短編なのでサクサク読めて良い。
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ゴシックスリラー、サスペンス、ミステリー、あらゆるジャンルで羊は飼われ殺され眠らされる。
終盤の暗転具合がとても面白い。
最終的にはミステリーとして成立している。
ラストのまとめ、は個人的にはなくてもよかったかな。
ところでわたしは一番狼なあの女(羊)が怖ろしい。
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どれもゾッとする、「羊」がキーワードの5つの短篇集。
ホラーではないけど、狂人ばかりで本当に怖かったです。
予想を裏切る展開の連続もよいですが、なんとも言えない読後感。
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レビューを読んだら、すでに何人かの方が指摘されているが、『ストックホルムの羊』は私もレビューを書いたことのある故人の作品のプロットがほとんどそのまま使われている。
あのトリックを聞いたことも無いということは考えにくいので、流用したんだろうなぁとは思います。
しかし、表題作のような作品に惹かれる人間はあの作品を読んでいる人もかなりかぶっているとは思うので、これらの指摘は彼女も覚悟していることでしょう。
そして、一番重要で重大なトリックは使われていません。
そして使用されている二つのトリックは故人以外も使っている方は大勢います。
なのに、想起してしまうのは作者が敢えて似せようとしているからでしょう。
本家では、この物語は喪失の美しさで終わっていました。
けれど、行われたことの残酷さや根底にある歪なエゴイズムは同じです。
思うに、美輪和音氏は本家を読んだとき、あのラストに腹がたったんじゃないかと、だから同じようにすすめながらあの世界を作った男の卑小さを糾弾したのではないかと。
全体的にまとまりのいい小説でしたが、『生贄の羊』があることで、小説全体がひきしまったように感じます。
『背徳の羊』がいちばんイヤミスでした。
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美しい姉妹が暮らすとある屋敷にやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた陰湿で邪悪な事件の数々。年々エスカレートし、ついには妹が姉を殺害してしまうが──。その物語を滔々と語る「わたくし」の驚きの真意とは? 圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。企みと悪意に満ちた、五編収録の連作集。解説=七尾与史
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はじめて読む作家さん。
全く知らない作家さんだが、書店で表紙絵が目にとまり購入。
羊に絡ませた五編の物語。
強欲な羊
姉妹の争いの果てに起こった悲劇を粘つく筆致で描く、第七回ミステリーズ!新人賞受賞作。
背徳の羊
自分の息子と友人の息子は瓜二つ。疑心に揺れ動く男と狡猾な女、秀逸な対比。
眠れぬ夜の羊
幼なじみが公園で殺害された。彼女は私の婚約者を奪った憎い憎い女。
ストックホルムの羊
城で王子に尽くす四人の女の暮らしは、一人の若い女の登場で脆くも崩れ去った。
生け贄の羊
深夜目覚めるとそこは公園の公衆トイレ。“羊"たちを巡る四つの物語はここに…。
~帯の紹介文から引用~
ドラマや映画のシナリオを手がける作家さんらしく、どの作品も映像化したら面白く仕上がりそうだった。
羊ということから連想されるように、どの作品も女性を描いている。
少し怖く嫌な気分になるという、最近増えたイヤミスに分類される作品。
物語の展開に特別意外性もなく、書き方にも新しさは無いが、全体としては面白く、軽く読めるようにまとまっている。
長編などがあったら、また読んでみたいと思う。
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美しい姉妹が暮らすとある屋敷にやってきた「わたくし」が見たのは、
対照的な性格の二人の間に起きた陰湿で邪悪な事件の数々。
年々エスカレートし、ついには妹が姉を殺害してしまうが──。
その物語を滔々と語る「わたくし」の驚きの真意とは?
圧倒的な筆力で第7回ミステリーズ!新人賞を受賞した「強欲な羊」に始まる“羊”たちの饗宴。
企みと悪意に満ちた、五編収録の連作集。
「強欲な羊」…あの姉妹がこんなことになるなんて、わたくしの話、お聞きになります?
「背徳の羊」…二卵性双生児のわが子…、娘は俺にそっくりだが、息子は…。
「眠れぬ夜の羊」…私の不眠は、あの女が戻ってきてからひどくなった…。
「ストックホルムの羊」…わたくしはこの塔に幽閉されている王子のお世話をしております…。
「生贄の羊」…気づいたら公園のトイレで監禁されている!しかも、両隣にも同じように…。