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呆けたカントに「理性」はあるか(新潮新書)
著者 大井玄
「あなたは胃ろうを受けいれますか?」。そう問われた際、ボケて認知能力が低下した高齢者でも、健常者と同じく八割が「NO」と答える。いったい、なぜなのか――臨床観察と近代哲学...
呆けたカントに「理性」はあるか(新潮新書)
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呆けたカントに「理性」はあるか (新潮新書)
商品説明
「あなたは胃ろうを受けいれますか?」。そう問われた際、ボケて認知能力が低下した高齢者でも、健常者と同じく八割が「NO」と答える。いったい、なぜなのか――臨床観察と近代哲学の両面から、人間の判断の構造をひもとくうちに見えてくる、理性と情動の関係、意識と無意識の働き、三八億年の生命史をさかのぼる「好き・嫌い」の直感的意思表示の意味……。認知症五〇〇万人時代を迎える現代人必読の論考。
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紙の本
デカルトやカントの思い上がり
2018/01/30 20:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
「胃ろう設置にあたり、認知症高齢者の意向を尊重すべきか」を大テーマとして、多角的な思索を展開する骨太エッセイ。
終末期医療、カントやデカルト哲学、宗教、最新の認知科学等の知見を駆使した深い思索は、勉強になりました。特に、情動と理性、意識と無意識に関する考察は面白かったです。
それにしても、人間以外は理性を有さないモノとみなすデカルトやカントの思い上がりには憤りを感じました。その思い上がりは、ナチスによる知的障害者等の虐殺や米軍による原爆投下等に繋がります。トランプもその系譜と思うと、危機感を抱かざるを得ません。
ところで、私は胃ろうしてまで延命したいとは考えていません。自力で食べられなくなるのは、自分の死への準備だと思うからです。ただ、胃ろう設置のほとんどは、認知症高齢者の意向を聞くことなく、さらに家族の同意を誘導する等、医師が勝手にやっているのが現状のようです。正常な判断ができるうちに、自分の意思を文書で残しておかなければと思いました。