紙の本
純粋で複雑で
2015/09/18 15:40
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
利子という意味の名を持つ錬金術師クースラは、聖人の骨を錬金術の材料にした罪で死罪になるところを、クラジウス騎士団の思惑により命を救われた。その代わり、前線の町グルベッティに赴き、輜重隊アラン・ポーストの下で、前任の錬金術師トーマス・ブランケットが残した謎を解き明かすことになった。相棒となるのは、同じ師の下で学び、女子修道院長を殺したという錬金術師ウェランドだ。
錬金術師というのは、神を冒涜する所行でも平気でなすと恐れられる職種であり、どのギルドにも入ることは出来ない。しかし、彼らの持つ冶金技術は戦争に有用であり、騎士団を得意先とする鍛冶屋組合の頭領イリーナ・ブルナーも、内心はどうあれ、彼らに協力しなければならないという力関係があった。
三すくみの状況の中、教会から彼らの監視に送られてきたのは、聖歌隊に所属する修道女ウル・フェネシスだ。純粋無垢で騙されやすく、それだけに利用されているとあからさまに分かる彼女に対し、クースラは彼女と接する距離感に悩み始める。
そんな思いとは別に、錬金術師としてのクースラは、トーマスが残した高純度の鉄の精錬方法に夢中になる。彼の軌跡を追い、一つずつトーマスの秘技の神髄に近づいていくクースラとウェランドは、純粋な技術とは異なる、複雑怪奇な組織の論理に、フェネシスと共に絡め取られていくことになる。
社会の中の異端として扱われる錬金術師を主人公として、他者には理解されない夢に向かって歩んでいく人々の姿を描く。前作からスターシステムを採用し、似たような世界観で別の視点から描いている物語と捉えることも出来るだろう。
紙の本
「狼と香辛料」の作者による新シリーズ
2015/03/18 15:13
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投稿者:MIF - この投稿者のレビュー一覧を見る
「狼と香辛料」の作者による新シリーズ。
今作の主人公は「錬金術師」。
錬金術師は己の目的のためならどんな禁忌も厭わないとされており、世間的には日陰の存在。
しかし権力者たちにとっては、錬金術師は軽蔑しつつも一発当てる可能性を否定できないため監視下に置いておく必要があり微妙なパワーバランス。
そんな錬金術師2人のもとに現れた、監視役と名乗る修道女の少女。
3人の奇妙な錬金生活がスタート。
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待望の支倉凍砂最新作!!
最初はSFの可能性なんかがあったみたいですが、
あけてみれば支倉らしいファンタジーでしたw
なんかいつも通りの支倉凍砂すぎて「狼と香辛料」の
スピンオフを読んでるんじゃないかってくらいの安定感。
とても「ばけらの!」で描かれているような駄目人間が
書いてるとは思えない良作でしたw
でも、まだ表紙の禁書〇録…ry
ヒロインのフェネシスのキャラが立ちきってない印象。
本作でも、いじめ甲斐のあるかわいらしいキャラではあるのですが、
羊飼いノーラの実は内弁慶みたいな、
もう少しつかみやすいキャラが隠れているような気がします。
まあ、まだプロローグ的な感じではあるので、
今後も楽しみですw
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結構面白かったが、前シリーズより輪をかけて地味なような。
特にヒロインの性格が地味すぎるような気がした。
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実は少し読んでから、馴染めない感じがして、少し放置してたんですが、仕切り直しして読み始めたら、結局面白かったです。
しかし、耳有りヒロインが再登場するとは思わなかった。
ひょっとすると、どこかでホロさんも出てきたりして
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相変わらずの中世ライクな雰囲気がよい感じです。
固有名詞をいまいちちゃんと覚えないので前作と繋がりがあるのかは分からないけど。
うん、一言で言うと「またかよ!」って感じ。面白かった。
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三分の二くらいのところで挫折しそうになったのだが、その先が面白かった。やっぱり、途中で投げ出さないで読むことで面白い本に出会えることもあるな。
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支倉さんの新シリーズ。
やはりまったりゆったり安心して読めますね。好き。
錬金術師とか協会とか騎士団とか…たまらん。
まだまだ始まったばかりなので、これからに期待!
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前作は好きな作品だったけど、買ってから、読もうと思うまでに
敷居が高いところがあった。昨今のありがちなラノベに比べて
少しだけ、読むのに労力がいるタイプだったからだと思う。
今作もそんな感じ。
前作と比較すると…
ほんわか度:Down
世知辛さ:Up
獣属性:Down(Zeroになったわけではないw)
ちょいワル度:Up
旅度:Down
前作は商売上のちょっとした成功が
カタルシスにつながったりもしたものだが
今作はそれもない。(亜鉛の精錬に成功してもねえ…)
一冊一冊のクライマックスをどう仕立てるかで
シリーズが成功するか、決まるのではないか?
というかヒロインが前作を超えれば、
ストーリーはどうでもいいのかもしれないがw
(今のところ賢狼を超えているとは言いがたく…)
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『狼と香辛料』の著者・支倉凍砂が手掛ける新シリーズである。
前作では行商人ロレンスと賢狼ホロのコンビで、ホロの故郷である北の異教の地を目指すものであった。
ホロの本来の姿は巨大な狼であり、いざというときにはその姿を以って危機を乗り越えたこともあった。
今回の主人公は錬金術師で、ヒロインは修道女だ。
舞台は前作と似たような中世ヨーロッパを思わせる世界で、教会と騎士団が権力的に対立関係にある(主人公もヒロインも騎士団内に属している)。
前作はヘタレのロレンスが何百年と生きるホロにからかわれる夫婦漫才と、ホロの花魁言葉、そして人間形態時にも残る狼の耳と尻尾。それらが魅力的であった。
今回はどんな魅力があるのかなと思っていたが、まさかP275あたりであんなことがあろうとは…!
ありがとう支倉さん!
とはいえまだ一巻である。
今後どういった展開になるかは分からないが、見守っていきたいと思う。
余計なことかもしれないが、P314のL4に誤字を見つけた。
まだだったら誰か出版社に連絡してあげて。
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狼と香辛料の作者らしい雰囲気のあるファンタジー小説。
盛り上がりがないといえばそうだけど。この安定感は流石だなと思えた。
錬金術師の思想や行動原理が読んでいて好感が持てたし、それに裏付けされた行動も納得できた。
ただ一巻は長いプロローグ的な位置づけな気がするし、今のままだと設定が活かされてないとこもあると思うので続刊に期待。
SFになっていたかもしれなかったみたいなのでそれはそれで読んで見たかった気もするけどねー
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「香辛料」から約一年、支倉凍砂の新シリーズ。
中世の異国情緒溢れる空気感が好きだ。ゆったりと時が流れているのに、いざとなると一転スピード感が湧いてくる。
クースラとフェネシスのやり取りは香辛料とは立場を逆にしていて、こちらの方はフェネシスの可愛らしさが伝わってくる。個人的にはこっちのほうが好き。
舞台設定、前置きに分量が割かれていてそのあたりはやはりしっかり出来ているなと。
錬金の難しい説明をフェネシスとのやり取りの中に消化していた所が素晴らしい。
イラストについては全体としての空気感に中々合っているなと好印象。犬ハサのイラストはそこまで好みではなく不安だったが杞憂であった。ただ、タイトルロゴは微妙。
支倉凍砂はケモノ耳安定ですなぁ。
インなんとかさんとか思った奴、表出ろ。
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インなんとかさん、本編で出番がないからってレーベル内出張しちゃダメですよ?(笑)と思ってたら獣耳再び。流石は支倉さんやでぇ…。フェネシスの無垢なのに見栄っ張りなところが可愛らしかったですね。切り札で追い詰めたと思いきややっぱり詰めの甘い感じとかも。またしれっとイチャラブファンタジーへ邁進してくれると嬉しく思います。前作読んでたからかもしれないけど、街の雰囲気とか時代的な要素(騎士・教会等)とかの描写がすごく想像しやすかったのも好感。
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前作と比べると全体的に淡々としている感じがして読み進めるか少し迷ってしまったけれども、最後数十ページを読んで、あぁやっぱり同じ人が書いてるんだなぁという面白さは感じた。というかこの作者は解決編を最後にまとめて詰め込む人なんだろうかと毎度……
とりあえずまだ1冊目ということでメイン2人の心の交流にまだまだ物足りない感はあるが、今後が楽しみでもあるところ。
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支倉凍砂の狼と香辛料に続く、2作品目。
中世ヨーロッパ、錬金術師の話。
狼と香辛料が経済ネタ中心だったのに対し、冶金と口八丁が中心。
ちょっと物足りない。
物語は面白いけれど、ちょっと物足りない。
次の巻が出るようなので、期待。
でも、これはこれで終わらせてしまったほうが良かったような気もする。
クースラ(利子)はたぶん適当。翻訳できなかった。
アルキメデスがあれなので、そういうものとして書いたのかな。