P+D BOOKS 血族
著者 山口瞳
亡き母が隠し続けた私の「出生の秘密」。本書は、山口瞳氏自身の家系の謎に迫る自伝的一冊である。自らのことをほとんど語ることなく亡くなった母。美しく奔放で、好きなように生きた...
P+D BOOKS 血族
06/26まで通常935円
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商品説明
亡き母が隠し続けた私の「出生の秘密」。
本書は、山口瞳氏自身の家系の謎に迫る自伝的一冊である。
自らのことをほとんど語ることなく亡くなった母。美しく奔放で、好きなように生きた母に人生について氏は何も知らなかった。幼い頃に目にした光景、家に出入りしていた人たちの言葉、そして数々の資料をひもとき作者は自らの出自の謎に迫り、その過程を、母の思い出などを交えて綴っている。
登場する人物は、直接関わりのない人々がイニシャルになっているのをのぞけば、親族はみな実名である。調べる過程で書き進めた作品ではなく、すべてが明らかになった後に書き始めており、後に、事実を明らかするための伏線も張っている。
作者は、母の死後、彼女がどこでどんな家に生まれ、母方の親族はどういうつながりになっていたのかを解き明かしていく。その結果、氏自身がみたものは……。亡き母への熱き愛と鎮魂をみごとに描破した菊池寛賞受賞作。
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血族とは!
2024/06/03 09:23
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の亡母は生前、昔の話をけっしてしない人だった、芸事(舞踊や長唄)が好きで兄妹のことを嫌っているようにみえた、作者はそんな母親の生前の様子を知ろうと母親が生まれ育ったという柏木田を訪ねる、そこで作者はなぜ母親がけっして昔話をしなかったのかを理解する、彼女は遊郭で生まれ育ったのだ、ということは商売は人買いだ。そして売られてきた女性をこき使い売春させて、病気になればごみのように捨てる。周辺の人たちはそんなことをしていたから血族が絶えてしまった、罰があたってしまったのだと(母親の店だけ血がつながったのは、作者の仮説だけど母の祖母が遊郭という仕事を嫌っていたことが理由かもしれない)。仲が悪いようにみえた兄妹たちも仲が悪いと子供たちに見せかけたグルだったのだ、そんな世界で育ったことを知られたくないと。