紙の本
助言、あるいは愛の言葉
2017/05/20 09:18
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
これから世の中に翻弄されながら生きることになる若者に向けて、著者の考える世界について語った文章が集められた本。世界とはこういうところなんだよ、と。聞き手に幸せな人生を歩むことを願う愛の言葉だと思う。
紙の本
なんて素敵な人!
2016/11/27 23:59
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投稿者:Chocolat - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら、カート・ヴォネガット氏を知りませんでした
つまり、この本が、出会いだった訳ですが…
正義感があって、パワフルで、NO!をハッキリ言えて、人間が好きで、不条理にはジョークと音楽で対処しよう!という、ザ・善きアメリカ人
どうも、氏の言葉は、人を素直にさせる力があるようで、「善い人間になろう」とか、「今ある幸せに気付こう」とか、言い尽くされたような言葉も心にするっと入って来ました。
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「これで駄目なら、どうしろって?」
読み終えて最高の気分になる本。卒業式講演なんて字面だけで眠たくなるのに、こんなに愉快でジョークを飛ばす、そして熱い心を持ったおじさん(?)が喋るのならいくらでも聴いていられる。かもしれない。
世の中は暗いニュースで満ちていて、この先も明るくはなさそう。散々に苦渋をなめてきたヴォネガットがそれでも、人に親切にしなさい、幸せになることを諦めるな、と語ってくれる。その根拠はシンプル、それが大切なことだからだ。大切なことは大切にしなさい。何より自分を大切に。小細工のなさが心に響く。
これで駄目なら、ほんとうにどうしろって言うのか。
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こんなに簡単に人の心の重要な部分に入ってこられる人がいるのかという思い。
この人のいいおじさんはにっこり笑顔で手を振りながらやってきて、気が付けば誰もが肩を組んでいる。
こんなに明快に人生の道しるべを示す人をはじめて見たし、人生についての警句をこんなにすんなりと受け入れられたのもはじめてだった。
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正直、表紙の糸井さんの言葉がずるい。
「ヴォネガットは目と心にしみる」って言われたら読みたくなるよ笑
僕は知らなかった人なんだけど、小説やら劇やらを書いていた人で、いろいろなところでスピーチしていたらしい。
その人の思う人生について、書かれているので、メモメモ。
金を稼ぐコツは、一生懸命に働くこと。
愛を勝ち得る秘訣は、いい服を着て、微笑むこと。
夫婦喧嘩の種は、金かセックスか主導権の問題。そしてもう一つ、あなただけじゃ孤独は紛れず、十分じゃない時。
大切なものはお金じゃない。あれば良いけどね。本当に大切なものは、隣人からの助言。自分を見てくれているということ。自分は満たされていると認識すること。
愛すべき人を愛すること。
人が安心できるのは、大きな家族関係を形成した時。50人とか?
先生に感謝すること。
大人になるとは、ってことを繰り返し言っていた。そして、IF THIS ISN'T NICE,WHAT IS?
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『人生の目的は、愛すべき人を愛すること。自分の人生をコントロール出来ていないと感じていてもだ。』
『素晴らしき地球ーーどうにかすることできたはずだ。でも僕らはケチで怠け者だった。』
地球の部分を自分の生命と置き換えて考えてしまいました。
自分に対してケチで怠け者な態度はいけないですね。
どうにか出来る時間はまだあるはずです。
さてこのこの本はカート・ヴォネガットのスピーチの記録です。
大学の卒業式や講演会などですね。何の気なしに読んだんですが、
ラスト131ページの言葉読んで涙腺崩壊!!!
糸井重里さんのコピーに同感。
『ヴォネガットは目とこころにしみる。』
目にしみすぎちゃて、しみすぎちゃって、まいります。
ラスト1ページだけでも
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小津安二郎の『東京物語』で笠智衆が東山千栄子にむかって「いまが一番いいときかもしれないよ」とつぶやくシーンがあったのをふと思い出した。
本書の原題
If it isn't fine, what is は、これがらだめだったらという仮定法な意味合いよりも、こんなにステキなことってあるかい?といういまを肯定するニュアンスの方がしっくりくる。
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カート・ヴォネガットは、いろいろな学校で卒業の祝辞を述べていたようです。
その集大成。20世紀のホープだったヴォネガットの祝辞です。米国と日本の式典での祝辞の雰囲気は、きっとすごく違うんだろうなあ…?
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ヴォネガットの大学卒業式での講演を九つまとめたものである。
新聞の書評にヴォネガットのことが書いてあり、少し気になっていた。
たまたま近くの本屋で見つけ、本の装丁もよく、本人の写真が表紙の幅の広い帯についていたのだがこれがなかなかいい写真で、その上、糸井重里のコピーも良かったので思わず購入した。
しかしながら、ちょっとがっかりだった。酔っ払いが講演しているように感じる部分もあった。
内容的には周りの人との関係を大事にしてコミュニティを大切にして生きてゆくことが重要だと言うことを説いているが、どうもピンとこなかった。
ヴォネガットはアメリカで最も人々に影響を与えた作家の一人であるようなのだが、残念ながら著作はおろか名前も知らなかった。
ヴォネガットの小説を読んでから、もう一度読んだ方が良いかもしれない。
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ヴォネガットの卒業式の言葉
ぴりっとした贈る言葉が並んでいる。文化が異なるから、これがそのまま日本で受けるとは思わないけど、楽しい言葉集かな。愛されてるんだな、彼はアメリカで。
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カート・ヴォネガットの、卒業式での祝辞等の講演集。
円城塔の翻訳が意外にはまっている+思った以上にあたたかみのある祝辞が多くて驚く。
「これで駄目なら」はいつか言いたいセリフだ。
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誠実な人間として,ごく当たり前のことを勇気を持って語っている.本当にそうなんだと思うことだけど,声だかには言いにくいことだ.
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カート・ヴォネガットの卒業式講演集。
若者の無気力を責める風潮に対して言う。
「瞳に輝きを宿し、キビキビ歩いていた世代の1人として、凧みたいに舞い上がっていられる方法をお教えしよう。憎悪だ。」(p.31)
「ヒトラーは、打ちのめされ、破産し、餓死しかけた国家を憎悪の力だけで復活させた。想像してみて欲しい。
だからわたしには、現代のアメリカ合衆国の若者たちは無気力に陥っているのではなく、憎悪から快楽を得ることに慣れている人々からはそう見えるのに過ぎないのではないかと思っている。卒業する君たちのクラスのみんなは、居眠りしているわけでも、無関心なわけでも、無気力なわけでもない。単に、憎悪なしでやってみようとしているだけだ。」 (p. 31)
円城塔の翻訳かと書店でふと手にとって開いたページで、この一節を目にした。1978年の講演だ。
ヴォネガットは講演をこう閉じる。
「君たちは、憎悪というものが長期的な視点からは青酸カリみたいなものだとわかってるんだ。君たちがやろうとしていることは素晴らしい。うまくいくことを祈っている。」(p. 32)
憎悪なしでやってみる
見た目は地味になるだろうけれど、なんと尊い挑戦だろうか。
28年後の今日、付け加えるなら、みんなは、強欲なしでやってみようとしている。
憎悪や強欲なしでやってみる
甘いと嘲る連中はおいておいて、やってみるのがいい。
「これで駄目なら、どうしろって?」
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コミュニティに属するかぁ。。。そういうのを鬱陶しいと思ってしまうが、確かに家族だけで閉じてしまうとガス抜きができなくてうまくいかない、という事もあるのかもしれないな、とは思った。
通り一辺倒ではない、ヴォネガットが本当に感じている事を若者にスピーチしているのが分かり、真心の人だな、と。
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スピーチをする側はもちろん、聞く側にも教養が求められる。スピーチ文化というのは話し手と聞き手の正のスパイラルで高め合っているのだなと分かる実例。