電子書籍
失敗学の元祖
2021/07/25 09:46
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投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前読んだことがあったかもしれないが、実践版ということで読み返してみた。
馬鹿と専門家は話が細かい、とありこれを読むことができただけで価値あり!
紙の本
失敗学の実践から
2015/10/11 21:49
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投稿者:あんころしゅーくりーむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
畑村先生の提唱されている失敗学の実際事例から、現場に対応する実例として理論から実践へどのように展開していくのか、その過程が大事な要素が描かれています。
紙の本
失敗から学べ!
2013/02/21 20:20
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
「失敗から学び、再発防止をしっかりと!」というのは、どこの会社でも当然のように言われていると思います。ところが、掛け声だけで終わっているケースや再発防止策を作っても形骸化しているケースが多いのではないでしょうか。
本書は誰もが知っている9つの大事件を検証し、そこから普遍的な教訓を導こうという試みを実行しています。示唆に富む教訓が多く、たいへん参考になりました。いくつか紹介します。
1 過去に経験した事故や失敗とほぼ同じものが、30年後に再び繰り返される(50ページ)。
2 小さな事故は大事故の予兆(52ページ)。
3 想定され得ることは必ず起こる(94ページ)。
4 バカと専門家は細かいことを言いたがる。そしてバカと専門家は細かいことが気になる(94ページ)。
5 人は見たくないものは見えない(196ページ)。
6 たとえ違法な行為であっても長年にわたって少しずつ進められると、組織の中ではそれがいつの間にか「当たり前のこと」になる(238ページ)。
そして、最後に「自分で見て、自分で考え、自分で決めて、自分で行動する」という「個の独立」が提唱されています(330ページ)。私も肝に銘じなければと思いました。
ただ、気になるこんな箇所がありました。「50年に一度あるかないかの自然現象のために、お金をかけるというのも現実的な対策とは思えません(297ページ)」。東日本大震災を経験してもなお、このような戯言が言えるでしょうか。畑村氏が本書を書いた2006年当時は、世間ではこのような認識が大勢だったのでしょう。今となっては驚きです。
そう言えば、「200年に一度あるかないかの地震に、備えや研究をする必要性があるのですか?」として、事業仕訳をした某議員もいましたね。
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失敗はなぜ起こるのか。どうしたら再発を防げるのか。失敗の経験を社会の共有財産にすべく「勝手連事故調」に奔走する畑村先生の発想と行動力に頭が下がる。本書で扱われている事例は以下の通り。
第1講 想定され得ることは必ず起こる(六本木ヒルズの大型回転ドア事故)
第2講 人の注意力には限界がある(日本航空の連続トラブル)
第3講 追いつかなかった企業改革のスピード(JR福知山線脱線事故)
第4講 ゼロからつくり直すことの大切さ(金融システムの失敗)
第5講 見たくないものは見えない(リコール隠し)
第6講 起こる前に起こった後のことを考える(火災に学ぶ)
第7講 それぞれの立場から見える風景(JCO臨界事故)
第8講 トップの孤独(ロケットの打ち上げ失敗)
第9講 「現地・現物・現人」が理解の基本(JR羽越線脱線事故)
文庫版増補ではこれに加えてJALの破綻とトヨタのリコール問題についても触れられている。
失敗をしないためにどうするかを考えるだけでなく、失敗した場合にどう対処するかを考えること、そこから教訓を引き出していくことの重要さを痛感させられる。組織が失敗を忘れて社内文化が外の社会と乖離していく時間がだいたい30年、という指摘が妙にリアルだった。「駆け込み乗車がなぜ危険か」の説明にも超納得。
「現地・現物・現人」の重要さを説く第9講では著者が『数に強くなる』で説いていた、数字をおおざっぱに推定して把握する作業を見ることができて、これも面白い。
十九歳以下の子供の死因のうち最も多いのは「不慮の事故」であるという。「不審者」の排除に躍起になる前に、「失敗学」「危険学」の知見を皆で共有する方が、多くの命を守ることになるのではないだろうか。
いずれの事例もわかりやすくまとめてあり、記憶に残る事例についての具体的な話なので非常に面白い。更なる分析や違う見方も可能だと思うが、ここを出発点に「三現主義」で考えていきたい。おすすめ。
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8つの「事故」を通して、失敗からいかに何を学ぶかについて解説されている。事例は人身に関わる大きな事故がほとんどだが、学ぶべきことは多く、企業の硬直化を防ぐためにも利用できる。本書とは少し違う切り口での失敗知識データベースがあってもよいと思う。
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手抜きと効率化は違う。
「結論」に至るスピードが重視されすぎて、「そこそこ」の結論で満足することが当たり前になってしまった。
「この程度でもきっと大丈夫」という、根拠のない思いこみのなかにキケンが潜んでいることがある。
自分は、心配性だと悲観していたが、ただ、心配するのではなく、冷静にリスクを認識し、対策を打っていければ、それはひとつの能力になると思う。
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本質安全
あり得ることは必ず起こる
人間の注意力には限界がある。
マニュアルの弊害。考えなくなる。
マニュアルを作った人は賢くなる
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ミスを「原因」「結果」ではなく、「原因」「行動」「結果」に分解し、
「原因」と「行動(ヒューマンエラー)」の組み合わせがミスを起こすとの観点から、
回転ドアや鉄道、JAL、原子力といった事故事例分析の共有を図る内容。
ただ、売りである「まんだら」は、あくまで事象を整理するフレームワークであり、
これを使って、どのようなメッセージを抽出するかは、使い手に負う所が多そう。
個人的には、それよりも、各事例の中で紹介される、各業界で蓄積された「安全」や
「ミス防止」の考え方が新鮮で学びが大きかった。
■安全対策と人間の危険感知領域
・安全対策を機械を使用する側の「個人の自覚」に頼る考え方には無理がある。(P41)
・安全に慣らされ過ぎたせいか、人間の危険感知領域が狭くなっている(P42)
■本質安全と制御安全
・回転扉であれば、扉を軽くし、ゆっくり回すのが本質安全(発祥の欧州の考え方)
・風に対抗できるよう扉を重くし、センサーで安全を担保するのが制御安全(日本)
⇒日本に輸入される過程で、本質の一部が欠落し、特徴だけが際立つ歪な商品に変化
■失敗は確立現象である~ハインリッヒの法則
・1件の重大災害の背景には、29件のかすり傷程度の軽災害があり、
更には、怪我にも至らなくてもヒヤリとさせられる体験が300件ある
■交通機関の運営の優先順位
・安全性>定時性>快適性>経済性
・外野(マスコミ、当局、利用者)の声が大きいと、運転手のこの優先順位の
バランスが崩れ(人間の注意力には限りがある)、
本来最優先であるべき安全性が失われることがある
■思考展開図
・要求機能(課題)>機能>機能要素(課題要素)と
機構要素(解決案)>構造(具体策)>全体構造(全体計画)が対になっているか?
・各項目が対になっているかを確認することで、検討のヌケモレ防止可能。
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冒頭で説明されている、失敗の原因、行動、結果を類型化した「失敗まんだら」は、自分の仕事における失敗の分析に活用できそうだ。
過去の重大事故についての分析事例が示されており、分析結果としては大変勉強になるものの、なぜそのような分析結果になったのかについての説明や方法は、この本にはあまり記述されていない。実際に自分の目の前で起きた失敗事例をどの類型に当てはめるのが適切なのか、についての方法論についての説明がほしくなる。
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六本木ヒルズの回転ドア事故や、JR福知山線の脱線事故、三菱自動車のリコール隠し問題など、じっさいに起こった事故や事件を例に取り上げて検討を加えた、失敗学のケース・スタディです。
前著『失敗学のすすめ』(講談社文庫)は、個人と組織の両方に渡って、「失敗学」の発想が語られていましたが、本書は組織の失敗についての検討が中心になっています。
さらに、JRの脱線事故で運転手が厳しいタイム・スケジュールに置かれていた背景には、駆け込み乗車をおこなうなど、自分本位な乗客の態度にも問題があったのではないかという指摘がなされており、「失敗学」の考え方が社会全体に浸透することで、より安全で暮らしやすい社会が実現されるのではないかという著者の考えが示されています。
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具体的な失敗事例にスポットを当て、そこから学ぶべきポイントを整理して示すという手法で理系的発想で問題解決を図ろうとする本である。文系の人にも是非読んでもらいたい。著者である畑村先生は,今年6月に原発事故の事故調査・検証委員会の委員長に就任され、このほど中間報告を発表した。
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著者畑村氏がANAの第3者委員会として、提案を示された話はとても参考になった。これがきっかけで、解説されている失敗事例を自分でも調べるようになった。
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実際の失敗事例をもとに、その失敗に対してどのような対策を講じるべきかを実際の対応と共に記している本。
著者の言う通り、『3現と個の独立のための参考書』という表現が的確でした。
失敗事例の紹介が続くので、延々と報告書を聞かされているようで、途中で飽きてしまうところでした。
失敗マンダラと失敗知識データベースの存在を知れたのは良かったかもしれない。