- 販売開始日: 2016/06/17
- 出版社: パブリッシングリンク
武生ちゃんのひまわり
武生35歳と純25歳は、義理の兄弟。高円寺の一軒家にふたりで住んでいる。武生は、純の母親・清美の再婚相手の連れ子だった。清美は、「人生は短いの。“愉しい”を優先させなさい...
武生ちゃんのひまわり
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商品説明
武生35歳と純25歳は、義理の兄弟。高円寺の一軒家にふたりで住んでいる。武生は、純の母親・清美の再婚相手の連れ子だった。清美は、「人生は短いの。“愉しい”を優先させなさい」が口癖で、あっという間に再婚相手が病死した後も世間体など気にせず、恋愛にも性にも奔放に生きていた。その影響からか、ゲイの純は多くの男との気ままなセックスを日々愉しんでいるが、彼氏は作らない主義を通している。一方の武生は高校時代に電車に乗れなくなって引きこもりになり、アルバイトをしても長続きせず、新宿二丁目のバーで働く純の稼ぎで暮す…。それでもふたりが幸せなのは、“愉しい”をすべてに優先させて生きているからだった。血のつながりがなくても、強い絆で結ばれ、毎日を愉しく生きる兄弟の物語。
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自由ってなんだろう?
2019/06/29 22:01
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投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公はゲイの青年、純。血の繋がらない兄弟の武生ちゃんと2人暮らし。
お金に困っていないこと、母親の教育方針もあって、とにかく好きなことをしよう!という家族なのですが、武生ちゃんは引きこもり。反対に純は活動的、性にも奔放。1話につき、純のセックスシーンがあり、BLを読むように、これを楽しむのも一興なのですが。誰かと接するたびに純の思考が少しずつ深まり、ある場面での純の選択を、自然だと感じられることが、読み終えてしみじみ、胸に迫ってくるのでした。
作品世界を超え、すべての人生を愛おしく感じるような、あたたかい読後感。文章も読みやすく、個性的だけど、いやらしさのない登場人物が魅力的です。
純のお母さんのモデルは山田詠美と宇野千代でしょうか。単純に明るく気ままな女性なのではなく、自由であるとはどういうことか、を考えさせられます。
ゲイを筆頭に、あらゆるマイノリティへの優しさにあふれた物語。
その裏側にはきっと傲慢なマジョリティへの怒りが隠れているのでしょう。
あとがきまでじっくり、お読みください。