今夜も終電ごはん

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投稿者：たけぞう　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

なるほどと納得のいくシンプルな本です。
料理本ではあるのですが、一品おかずに絞っており潔いですね。
何もないよりは、いい加減でも手作りの方がいいという考えが
伝わります。料理のハードルを徹底的に下げている点が
二重丸です。

初めて一人暮らしをする子供たちの役にも立つでしょう。
春からの大学生活のお供に、ぜひ忍ばせてあげて下さい。
大半が、料理初心者もこれならと思う内容で占められて
いますから。

本書の狙いは終電族です。
毎日夜遅くまで働くと、どうしてもご飯はコンビニばかり。
そんな状況に近い方は、いろいろな対策を試していると
思います。

わたしもその昔、深残業に陥ったことがありました。
その頃は寮住まいで、ラップをかけて食事を取り置きして
くれていたので大変助かりました。
それでもあまりに遅い日が続くと、深夜の食事で体が
重くなるようになります。次の手として、社食で夕ご飯時間に
軽めに食べるなどをしていました。

この本は、そんな手が使えず、コンビニや牛丼屋などに
お世話になる人向けに書かれたものです。都市部では、
一時期スーパーの生鮮食品売り場だけ24時間営業なんて
やっていましたが、最近はコンビニでも生鮮食品を扱うように
なってきているのですね。この本はそれをうまく活用しています。
コンビニなら、地方でも似たような品揃えですし。

大事なことは、一品でもいいから作るということ。
たとえコンビニパックに囲まれていても、作ったものが一皿でもあれば
心が豊かになると訴えかけてくるようです。
材料でナンプラーがしばしば登場するのは著者の趣味ですが、
それを除けばだいたい手に入りそうな食材で作られています。

第一章のたまごかけご飯だけでも十種類。
第二章の豆腐には十二種類。
作り方のステップも、大半のものは２～３段階しかありません。

混ぜるだけ、炒めるだけ、茹でるだけ。だいたいそんな感じです。
とびきりのおいしさを求める「手料理」ではなく、心の豊かさを
得るための一品、いい視点だと思います。

たとえば、だしの取り方の邪道具合などは素晴らしいですね。
深夜族には、これが本筋のやり方で浸透してもいいくらい、
簡単な方法です。コーヒードリップで取るかつおだしとか、
麦茶ポットで沁みだす昆布だしとか。

何もしないよりは、いい加減でも一歩進んだ方がいいという
典型ですね。

全六十皿くらいあります。自分の趣味では、じゃがいもの
みそポタージュが飲みたいと思いました。
ポタージュというと、ことこと煮て裏ごししてとか、とにかく手が
かかるイメージで、お店で飲むしかないと思っていました。
この作り方であれば、なんとかなりそうです。

お店の味には到底かなわないでしょうが、インスタントスープ
よりはずっといいでしょう。
スープは野菜コンソメぐらいしか作ったことがありませんが、
料理に不慣れなわたしでも挑戦したいと思う簡単さが
レシピから伝わります。

ぜひ一度、お手に取って見て下さい。
なかなかお得な一冊だと思います。

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投稿者：pope　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタばれあり。
「終電ごはん」の続編。
そうそう、食べた後の片付けも楽じゃないと作る気しないよねー。
卵かけご飯のアレンジも多数。