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二四〇九階の彼女
著者 著者:西村 悠 , イラスト:高階@聖人
無数の階層が連なる“塔”のかたちをした世界。各階層は神の代行機械であるアントロポシュカによって管理されていた。しかし管理する階層に住む人間が“幸せ”に暮らせる世界を作る、...
二四〇九階の彼女
二四〇九階の彼女 1 (電撃文庫)
商品説明
無数の階層が連なる“塔”のかたちをした世界。各階層は神の代行機械であるアントロポシュカによって管理されていた。しかし管理する階層に住む人間が“幸せ”に暮らせる世界を作る、という命題を与えられ階層世界を運営してきたアントロポシュカたちは、永い時間を経て、その多くに狂いを生じていて…。“幸せ”に狂った世界の中を、少年・サドリは相棒のカエルとともに海を目指して塔を降りてゆく。かつて交わした「彼女」とのただひとつの約束を果たすために。優しくて残酷な、神様と世界のお話。
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紙の本
〇へ向かう物語
2007/01/15 23:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:放浪紳士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
塔で交わされたある約束のため、塔を下り続ける少年サドリの物語。
一話完結の短編スタイルのお話。
主人公は二四〇九階の女性と交わした約束のため、海を見るために塔の最下層まで向かうというお話。
だが、どうにも読了後の印象は『キノの旅』の二番煎じのような印象しか取れなかった。
数多の世界を旅するというストーリーで人気を博した『キノの旅』と、数多の階を降りていくというストーリーの本作。
物語としては両者ともありがち、というか一種の王道的なモノであると思うので盗作ではない。
しかし同じ電撃文庫の『キノの旅』があまりにも有名であるが故に、本作の独創性が感じられなかった。
それでも決して面白くないわけではない。
『戦争を繰り返す』階や『閉鎖された』階、『記録し続ける』階。バラエティに富んだ階層が物語を彩ってくれるので、前述の『キノの旅』テイストの物語が好きな人ならばきっと楽しめるはず。
神のような存在であるアントロポシュカによる狂った世界を、ただひたすらに約束のため進み続けるサドリの物語の続きが気になる。
ただ残念だったのは、『九〇〇階のカエルの国』か。劇中でサドリと共に旅をするカエルなのだが、
「女だったのかー!」
というオチをつけられても正直、カエルに対する話が第一巻ではほとんど語られていないので「ふーん」としか思えない。
この類の話を出すならば、もっと深くキャラクターの印象を読者に与えてからにするべきだ、と思ったのは私だけか…?