紙の本
〇へ向かう物語
2007/01/15 23:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:放浪紳士 - この投稿者のレビュー一覧を見る
塔で交わされたある約束のため、塔を下り続ける少年サドリの物語。
一話完結の短編スタイルのお話。
主人公は二四〇九階の女性と交わした約束のため、海を見るために塔の最下層まで向かうというお話。
だが、どうにも読了後の印象は『キノの旅』の二番煎じのような印象しか取れなかった。
数多の世界を旅するというストーリーで人気を博した『キノの旅』と、数多の階を降りていくというストーリーの本作。
物語としては両者ともありがち、というか一種の王道的なモノであると思うので盗作ではない。
しかし同じ電撃文庫の『キノの旅』があまりにも有名であるが故に、本作の独創性が感じられなかった。
それでも決して面白くないわけではない。
『戦争を繰り返す』階や『閉鎖された』階、『記録し続ける』階。バラエティに富んだ階層が物語を彩ってくれるので、前述の『キノの旅』テイストの物語が好きな人ならばきっと楽しめるはず。
神のような存在であるアントロポシュカによる狂った世界を、ただひたすらに約束のため進み続けるサドリの物語の続きが気になる。
ただ残念だったのは、『九〇〇階のカエルの国』か。劇中でサドリと共に旅をするカエルなのだが、
「女だったのかー!」
というオチをつけられても正直、カエルに対する話が第一巻ではほとんど語られていないので「ふーん」としか思えない。
この類の話を出すならば、もっと深くキャラクターの印象を読者に与えてからにするべきだ、と思ったのは私だけか…?
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友達に「何かいい本無い?」と聞いて「泣けるぜ」と紹介されたのがこれでした
(´;ω;`)ウッ・・・
確かにええ話や・・・;
世界観がちょっと異質で、読み始めは怖いの5割違和感5割でしたw(結局慣れましたが
全2巻なのが少し残念ですorz
・・・今思うとなかなかの女たらしっぷりだ主人公
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階層によって世界が違うという独特の世界観がすごく好きです。
印象深かったのは光のない世界の話です。
真っ暗なのに鳥がさえずっていて、自然があるんです。
面白いので是非。
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メディアワークス文庫「妄想ジョナさん。」から遡って作者買い。
大当たりでした。
連作短編でどの章もじんわりと温かくて切なくて、凄く好き。
「九四三階の戦争」と「一〇五六階の幻想」、表題の「二四〇九階の彼女」が特に良かった。ほぼ全部だけども。
全編に漂う不完全さ、理不尽さと、主人公サドリの人間を根底的に肯定する温かさのギャップが、世界の危うさを際立たせているように思う。
読み進めるにつれて時系列を遡っていく構成が秀逸。ラストで明かされるかなーと期待していた「鍵と門」」については抽象的な表現に留めてあり、ちょっと取ってつけた感が気にはなった。
でも正統派に泣ける。絵に描いたようなセカイ系だし、ありがちと言ってしまえばそれまでではあるけれど。
「さようなら、また会いましょう」
何万回も使われたようなこのラストシーンの約束の言葉でシッカリじんわりと泣けるくらい、丁寧に積み重ねて描かれていると思う。
心に響く。
普段あんまり人にオススメ出来ないような本ばかりを愛読しているので、今度誰かに「なんか感動できる良い本ない?」と比較的無軌道に訊かれたらこれを推薦したいと思います。
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塔の外の世界を目指して様々な世界を冒険することになるのだが、どの場所も一筋縄ではいかず、切ない描写や管理システムの暴走による危険なシーンなどがあり、飽きさせない作りになっていた。
いわゆるプロローグが一番最後の章にあるので、最初は戸惑ったが、管理システムや鍵と門の存在など気になる設定が多い。
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しゃべるカエル(機械)は予想外に雌型でした。
表紙を見るとラブコメや萌え系に見えるかもしれませんが、違います。
塔の世界を一層一層下りながら旅する人の話。
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塔の階層ごとにいろんな世界がある
幸せを求めて機械が支配している
キノっぽいかんじ?
階を移動するには門に鍵となる人物をつれていく
少年とカエル型機械が旅をする
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世界をコンピュータが支配し、人類は巨大な塔の各階層に詰め込まれた世界で、塔を下っていく少年の物語です。
基本的に短編となっています。
この本では5つの短編(あとがきには4つの短編と1つの掌編とありますが)が掲載されています。
世界の隙間の図書館の話、戦争の世界の話、カエルの国の話、幸せを求めた結果人類が居なくなった世界の話、塔を下る前の話の5篇です。
カエルの国の話が短いので、掌編というところでしょうか。
ミステリーでもサスペンスでもアクションでも無いです。
基本的に切ない話です。
図書館の話は物語の後が悲惨なのが見えているし、戦争の世界と人類の居ない世界は最後は悲しい話だし、塔を下る前の話は別の塔が崩壊してしまうしで、基本切ないです。
カエルの国の話がコメディなので、ホッとするところですかね。
ちょうど本の真ん中ですし。
話の内容や量的には物足りないかなという感じです。
もうちょっと世界設定を語らない方が良いんじゃないかなとは思ったりします。
デビュー作らしいので、物足りなくても仕方ないのかなとも思いますが。
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わたしはとても大切な作品となりました。西村悠さんへ素敵な作品をありがとうございます。
西村さんの作品はどれも大好きなので、他の作品も読み進めていきたいと思います!