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  3. 放浪紳士さんのレビュー一覧

放浪紳士さんのレビュー一覧

投稿者:放浪紳士

22 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本狼と香辛料 1

2007/01/09 14:58

豊穣神と、商人と。

13人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

一人で行商をして七年。
二十五歳の行商人ロレンスは商売のため、荷馬車に乗って世界を回っている。
商売の為に寄った村での祭り。
荷物にまぎれていた少女。
その少女は、この辺りの豊作の神と同じ名前、『ホロ』と名乗った———
電撃小説大賞にて銀賞を勝ち取った作品。
馬車を操る行商人ロレンスと見目麗しき少女ホロとのお話。
第三幕終盤から始まるロレンスの儲け話はかなり作りこまれており、よくある『お宝で一稼ぎ』のような薄っぺらい話ではなく、地味ながらも納得がいく話であるのが好印象。
敵に捕らわれたホロ、それを助けたいが為に走るロレンス。
最初はホロのことを疑っていたロレンスが段々と信頼し、旅のパートナーとしていく。
ホロを救出して脱出するシーンにてホロが見せた『狼』としての一面を目の当たりにしたロレンスは、ホロに脅えてしまった。
そのロレンスに対して取ったホロの行動は、とても切ない。
ホロの為に叫ぶロレンスの姿が、行商人などではなく一人の女性を想うヒーローのように思えたのは私だけではないはずだ。
ラストのオチは『お約束』のオチではあるが、これこそが最高のオチであろう。
特に最後の一文には「やってくれる!」と言わざるを得ない。
最後の最後の一文も読めていたが、それでもこの物語を締めるのには最高の一文だった。
正直、この物語を書評するにあたって自分の文章が心配でならない。
私の文章などでは到底著せない面白さが、この本にはある。

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紙の本

紙の本ミミズクと夜の王

2007/04/10 20:31

進むべき道

12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第13回電撃小説大賞にて<大賞>を受賞した作品。
騎士に王、魔物と、ファンタジー一色の作品。
両手両足に手錠をつけた少女『ミミズク』を主人公として、
森の魔物の王である『夜の王』との交流を描く。
ミミズクは常に明るい可愛らしい少女なのだが、
言動や行動の一つ一つがどこか壊れている。
彼女の夜の王への想い、夜の王の対応、騎士の葛藤、王の決断。
ある種、王道ファンタジーとも呼べるような内容なのだが、
私の感想を一言で言ってしまえば
「ずるい」。 これに尽きる。
突出した能力を持つ主人公と、敵。
男の子と女の子のラブラブしたラブコメ。
この作品はそのような捻りが全く無いのだ。
オチも中盤辺りで読めてしまう。
読み手が望んでいたベストの終末、最高のエンディング。
全ての人が等しく幸せな終幕。
だが、それがいい。
もしも物語のラストにどんでん返しが待っていようものなら、
私はこの作品を押入れの奥に仕舞っていただろう。
手の届くところに置いて、ちょっと気が向いた時にお気に入りのシーンを紐解く。
そんな読み方が最高に似合う一冊だと思った。

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紙の本

紙の本人類は衰退しました 1

2007/05/31 13:17

妖精は繁栄しました

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ガガガ文庫という新たなるレーベルから生まれた一冊。
作者である「田中ロミオ」氏はCROSS†CHANNELという
一部のユーザーの間で絶大なる人気を誇るアダルトゲームの
シナリオライターだ。
登場人物は主人公とおじいさん、そして妖精がメイン。
物語のキモでもある妖精たちは皆、陽気で呑気な子ばかり。
時折入る挿絵のタッチは優しく繊細であり、見る人をほんわかさせてくれる。
文章自体は一人称の視点で勧められる、かの有名な『涼宮ハルヒ』シリーズと似たタイプだ。
(尤も、内容の方向性は全然違うが)
可愛らしい女の子の視点というのが中々にも面白い。
そういえば、今までこういった視点のモノはあまり見なかったかもしれない。
私の読書量が少ないだけかもしれないが。
あとがきも面白く、出版社が『小学館』であることを——良い意味で——忘れさせてくれる。
田中ロミオ氏は必読であり、氏を御存じない方でも一読の価値はあり。
若輩者の身でありながら恐縮ではあるが、私が自信を持って勧める作品である。
是非読んでみては如何だろう?

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紙の本

すべてを、殺せ。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ありとあらゆるモノの死が見える『直死の魔眼』。生死の境を彷徨い続けることによってこの化け物染みた眼を手に入れた少女、両儀 式。そんな彼女を好いている黒桐 幹也。
第一巻は全五章から成っている。
同人界に突如現れた成人指定ゲーム『月姫』にて恐ろしいほどのブームを巻き起こし、数多くの賛否をを受けた奈須きのこ氏の著作。
奈須きのこ氏は氏のあらゆる作品において通ずる一つの世界を持っており、この作品を読むことによって深い世界観の一部に触れることが出来るだろう。
あらゆるモノに線として死を見出す力。
それは、あらゆるモノの命を断ち切る力に他ならない。
浮遊し、浮遊へと誘う女。あらゆるモノを『捻る』力。因果の終焉を目指す男。因果に巻き込まれた少年。あらゆる敵と相対しながら、両儀 式の物語は加速し続ける。
とにかく賛否の激しい作者であり、アンチファンも多い。しかし、他人の意見などは物語を楽しむ上で些細なことではないか。
この拙い書評を御覧の方に未読の方がいらっしゃるのならば、是非に読んで頂きたい作品だ。

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紙の本

紙の本連射王 上

2007/03/20 20:50

発射オーライ。

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

何事に対しても本気になれない野球部員の主人公が、ゲームセンターで出会った『大連射』というシューティングゲーム(以下STG)。
難易度が高いといわれるSTGをワンコインで、しかもVERY HARDをクリアした“竹さん”。
主人公は“竹さん”のプレイを見て、遂には自分の本気をゲームに見つける…
ゲームを題材にした、少しゆがんだ青春物語。
主人公は類稀なる野球の才能を持つ野球部員。
彼を中心にしたあらゆる人間関係がリアルに描かれており、本当に現実の町の中であるんじゃないかと思えてしまう。
作品の随所にはSTGへの解説があり、ゲーマーでなくても作品を楽しめる。
この作品の魅力は『ゲーム』ではなく、『ゲームを中心に展開される人間模様』だろう。
序盤では主人公が『大連射』に惹かれて行く様を、中盤では『大連射』を巡るあらゆる人間模様を、そして終盤では『主人公の想い』が前面に押し出されている。
話は変わるが、作中の登場人物に主人公の幼馴染である“岩田 蓮”という女性がいる。
彼女と主人公のすれ違う感情、不器用な二人。
中々素直になれない二人に対して読者はこう思うこと間違いなしだ。
「あぁ、じれったいな!」と。
川上 稔氏の作品には『終わりのクロニクル』が有名であるが、『終わりのクロニクル』を面白いと感じた方には是が非でも読んで頂きたい作品だ。
あからさまなギャグも、無敵キャラも存在しない。
故にこの作品は面白く、心に響くのである。

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紙の本

紙の本ふおんコネクト! 1

2008/09/05 15:46

みんな、繋がってる?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

超高密度かつ圧倒的なセンスで放つ、ざら初コミックス!……とのこと(帯より)。

まんがタイムきららに連載中(08年9月時点)の4コママンガ、「ふおんコネクト!」のコミックス第一巻。
素人目に見ても「う~ん……」といってしまいそうな作家が増えつつあるきららの中で、その描き込みの緻密さやネタの細やかさなどでひときわ異彩を放つ本作品は、4コマや軽いノリが好きなら買って損なし。
トラブルメーカーの主人公(?)境ふおん、株長者の完璧超人三日科交流、普通のシスコン三日科通果、オタクの童顔教師英夕。
魅力あふれるキャラクターのみならず、話の中にちりばめられたネタは細かく、元ネタがわかれば「おいおい、ここでこのネタを使うのかよ(笑)」となることうけあい。
ごくたまに体の動きなどで「ん?」と感じることもあるが、それ以外は安定して面白い。
面白い4コママンガを求めている方、パロディが好きな方は是非。

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紙の本

紙の本狂乱家族日記 1さつめ

2007/05/17 20:50

仮初めの、本当の絆。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

千年前に現れ、滅ぼされた破壊の化身『閻禍』による最期の言葉。
それは「千年後に自分の>が世界に絶望をもたらす」という、呪詛の言葉だった。
そして一つ屋根の下に集められた人々——即ち。
凰火、凶華、銀夏、千花、優歌、帝架、雹霞、月香。
普通の人など殆どいない。
彼等に与えられた、世界をかけた大作戦。
それこそが、『なごやか家族作戦』!
前文が長くなったが、日日日(アキラ)氏著のライトノベル、狂乱家族日記 1さつめ。
上で説明したように、フィクション街道まっしぐらな作品だ。
一見すれば所謂『萌え系』なのだが、意外や意外。
随分とアクション要素が盛り込まれたハードな作品。
予想をいい意味で裏切ってくれる、日日日氏の味がよく出た逸品だ。
コミカルながらもハードで、笑い・涙・熱さの三つを同時に満たしてくれるだろう。
『運命』とは何か?
『家族』とは何か?
『絆』とは、何か?
それぞれのキャラクター達がそれぞれのカタチでその問題に立ち向かう。
傲岸不遜でありながらも、誰よりも暖かく、格好よく、そして優しい凶華の姿は必見だ。

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紙の本

紙の本大人たばこ養成講座 1

2007/01/16 00:03

喫煙マナーを守りましょう

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

喫煙する際のマナーについて説くガイドブック(?)…
なのだが、どうにもどこかズレている。
アクの強いキャラクター達が登場し、2P見開きで『良き喫煙者』となるべき要素をコミカルに指南してくれる。
しかしこれは反則だ。
だって、煙草を吸う際に必要なマナーが少ししか描かれていないのだから!
例えばもしもあなたが銭湯に行ったとして、『コーヒー牛乳を飲む際には腰に手を当てましょう』と張り紙がしてあったらどう思うだろう?
「バカにしてるのか?」と思うかもしれない。
「おいおい… アホだなぁ」と笑うかもしれない。
もしもあなたが後者の人間だというのならば、この本はきっとあなたに少しばかりの笑いをもたらしてくれるだろう。
傑作のお笑い番組を見たときのような爆笑ではない。
これは失笑ともいうべき笑いかもしれない。
だがこの失笑がたまらなく愉快で、幾度と無くページを捲らせてくれる本だった。
コミカルに描かれている上にイラストがメインなので、気軽に読むことが出来る。
しかし如何せん、値段が高すぎはしないだろうか?

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紙の本

紙の本東京深川三代目

2007/09/30 21:20

人情あり□。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』でおなじみ、
秋元治氏の著作。
発行されたのは1991年と、10年以上昔。
しかし、今読んでも面白いのは流石、秋元氏といったところか。

立花工務店の一人娘、立花静という女子高校生が主人公。
全五話が収録されている。
最後には+αとして『こちら葛飾区亀有公園前派出所』より、
立花静が登場していた回の『両さんの大工入門』を収録。
勿論下町の風景の細かさや美しさは健在であり、
魅力的な登場人物たちがコミカルに物語を彩っている。
オチも全て綺麗に纏まっているので心地よい。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の読者ならば、是非オススメしたい一冊だ。

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紙の本

疾風!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

近年の『萌え』系路線コミック。
金を湯水のごとく使う両親を持ち、親の借金1億5千万を抱える苦労少年、綾崎ハヤテを中心に描かれるギャグコミック。
メインヒロインのナギや伊澄、咲夜やヒナギクといった、『典型的ギャルゲー』に登場するような面子が揃い踏み。
うまく噛み合っているようで噛み合っていないハヤテとナギの掛け合い、その結果生まれた誤解の為に走り回るハヤテ… ドタバタと走り回るハヤテの姿がコミカルでとても良い。
また、この作品の楽しみ方の一つとして『パロディ』の元ネタを探すこともあると思う。
第一巻の中では
「S●NYだ!! きっとS●NYが出した新型ア●ボやプ●ステ5に違いない!」、「戦うならせめて僕の手首からスパ●ダーネットが出るようにしてくれ——!!」(第一巻から抜粋)のように…
とにかくパロディが多いのも見所か。
勿論タイトルも必見。
後半になればなるほどパロディは激しくなっていくので、アニメ分野に造詣が深い方は楽しめること間違いなし。
「元ネタはアレだな…」と理解してニヤリと笑う。
そんな楽しみ方もあるのが、この『ハヤテのごとく!』だろう。

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紙の本

あの夢、覚えてますか?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ネオ・ヴェネツィアを舞台とした人気作『ARIA』も著している漫画家、天野こずえ氏の既存作改訂版である『浪漫倶楽部』。
作品自体は平成7年に連載開始したもので、中々古い。内容はギャグを一部に配し、全体的に切ないストーリーで送られる。
主人公の火鳥が所属する『浪漫倶楽部』の活動をメインに、ユーモア溢れる部員達が織り成す正に”浪漫”溢れるストーリー。
画はかなり古く、最近の画が大好きで古い画なんて面白くない!と決め付けてしまっているような人にとって読む価値は無いかもしれない。
しかし私は、この作品を呼んでからそんな人をとても哀れに想うようになったのだ。
この作品は確かに古い、しかし、それでもこの作品は『面白い』のだ。
問題があるとするならば、不思議事件のタネ明かし、だろうか。
決して「科学的な説明を求む!」と言っている訳ではない。
だがしかし、作中の数話において真相が説明不足になってしまっていたのが残念極まりない。
第一巻から第七巻に渡って続く浪漫倶楽部の活動記録。
苦楽に富んだロマン・ストーリーを読んでみては?

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紙の本

紙の本吉永さん家のガーゴイル 1

2007/01/12 21:42

石造りの『門番』

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

アニメ化までされた経緯のある人気作品。
コミカルテイストに描かれるご町内の様子がウリ。
冒頭からいきなりチェンソーを振り回す元気な小学生『双葉』と、チェンソーで斬り付けられてもキズ一つ付かない門番『ガーゴイル』の二人を主役にしたご町内ハッピーコメディ。
シリアスなシーンにも決してコミカルさを忘れない、軽い文章が読む者を笑わせてくれる。
何事にも動じない門番ガーゴイルが、他人からとある物を貰ったをきっかけに人の心について考えるようになる。
所々に入る日向悠二氏の臨場感溢れる挿絵もまた、このストーリーを逸品とするスパイスであろう。
この書評を書いている時には11巻まで続刊中。
段々と感情を理解していくガーゴイルの成長や、さらにぶっ飛んだキャラクターの登場。
兎にも角にも一度読んでハマってしまった人は、抜け出すのが難しくなるだろう。

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紙の本

怪奇。

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

PCの所謂『エロゲー』や『ギャルゲー』をやったことのある人ならば一度は耳にしたであろう、アダルトゲーム会社のType-Moon。
アダルト伝奇ノベルという新境地を開拓した、Type-Moonメインライターの奈須きのこ氏による伝奇モノ。
主人公は隻腕の青年、石杖所在。
彼を主軸にした“悪魔憑き”の物語で、奈須テイスト溢れる逸品だ。
講談社BOXにはライノベル界で言わずと知れた西尾維新氏や、独特の世界に定評のある清涼院流水氏の作品もあるが、私としては断然こっちを推したい。
しかし、そもそもがアダルトゲームのシナリオライターなので、近づき難い感は拭えないかもしれない。
だがそのような小さなことを気にしていたのでは、この作家の面白さには到底知ることは出来ないのだろう。
漆黒の義肢を持つ麗しき『少年』の迦遼 海江、サディスティック警部補の戸馬 的、後輩の貫井 未早、そしてアグレッシブ妹の石杖 火鉈。
一癖も二癖もあるキャラクター達が繰り広げる伝奇活劇に引き込まれること必死の作品だ。
だがしかし、ファウスト誌に掲載されたらしい挿絵が全く以ってカットされているというのはどうなんだろう?
挿絵を見たければファウスト誌のバックナンバーを買えと…?

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紙の本

ギロチンめったぎり?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

全編通して軽いノリで進み続けるSFアクションラブコメノベル。
人類の敵となったロボットの首領チェシャ・キャットを破壊するために、ろぼっとばかりの島に忍び込んだ主人公が出会う、中村奈々子とは!?
内容の感想としてはまず「笑える」。
(ロボットの)学園で恐れられているギロチンマシン、中村奈々子の主人公に対する情愛が引き起こさせる素っ頓狂な行動やら、中盤に登場した『赤ずきん』のブッ飛びすぎな言動行動。そして謎の保険医ロリエの手術。
とにかくあらゆるところに笑いがちりばめられていて、笑い無しに読むことが出来なかった。
しかし、そのギャグの中にも物語の真理へ近づくためのキーワードは数多く隠れている。
ギロチンマシンがギロチンマシンたる由縁、赤ずきんが見てしまったもの、そして冒頭で登場する『加藤千沙』に込められた真実とは。
一度読み切る事によって物語を再度楽しく読むためのスパイスを手に入れることが出来るので、少なくとも2度は楽しめる。
特に『加藤千沙』と『チェシャ・キャット』のくだりでは「やってくれる!」と思わざるをえなかった。
この物語はまだ続きがあるとあとがきでも書かれているので、二巻が発売されていないうちに一巻を読み、物語の行方と中村奈々子の真実を、自分の手で探ってみては?

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紙の本

紙の本失われた町

2007/09/30 21:11

失われない何か。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007年の本屋大賞における、第九位作品。

失われる町、タイトル通りのことが起こる世界の中の物語。
高校生の少女、写真家の男、仕事に生きる女性……
あらゆる人々が、失われる町という共通点を持って繰り広げる。

形式は典型的な群像劇であり、多くの物語を読みたい人、
もしくは頭をフル回転させて話を考えたい人にはオススメできる。
ただ、登場人物が多すぎる感は否めない。
それぞれが目まぐるしく登場して物語をかき回すせいで、
誰が本当の主人公なのかわからない。
誰でも主人公になりえるといえば聞こえは良いのだが……
物語としても纏まりがなく、内容を掴み辛かった。

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