東京都の闇を暴く(新潮新書)
著者 音喜多駿
都庁と都議会の癒着、意思決定のブラックボックス、巨額財政と巨大利権、無責任な歴代都知事、そしてドンなる影の権力者……。長年見過ごされてきた「東京都の闇」に今こそ光を当てな...
東京都の闇を暴く(新潮新書)
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商品説明
都庁と都議会の癒着、意思決定のブラックボックス、巨額財政と巨大利権、無責任な歴代都知事、そしてドンなる影の権力者……。長年見過ごされてきた「東京都の闇」に今こそ光を当てなくてはいけない。「豊洲問題はなぜ起きたのか」「ドンはそんなに怖いのか」「利権や特権は本当にあるのか」「知事の権限とは」「東京五輪はうまくいくのか」など率直な疑問に現役議員が赤裸々に答え、都政の「不都合な真実」に迫る。
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期待していたのに・・・
2017/03/23 13:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黒酢 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の内容および音喜多氏の都議として資質に期待していたが、読後感はガッカリとしかいいようがない。
本の内容は、音喜多氏のブログの内容を基本にしつつ、表現をマイルドに修正したり、説明を補充したりとして、書籍として読みやすいものとなっています。
しかし、以下の点が、よくわからない。
「舛添問題とは何だったのか」という項があるが、答えがインチキくさい。本の結論をここに書いてしまうと、「民意です」とあるが、それって「闇を暴く」という割には表面的な話で終わりか!という印象しかありません。
なお、舛添氏と公明党の関係については一切記載はありません。
二元代表制では議会はオール野党でよい!「知事与党」なんていらない!という一方で、「小池新党」の必要性についての説明は、ゴニョゴニョゴニョ(p142)。
豊洲の「盛土」問題について、説明をした事務職の都職員も建物の下に盛土があると思い込んでいたのだから、都議が正しい事実を把握する等のことは「非常に難しいのもまた事実です」と言いつつ(p164~165)、当時の石原元知事の責任に言及するのも(p167)、なんか読み手のテンションが下がります。
建設公債について、その趣旨である、「世代間の公平性」について疑問を呈するのは良いのですが、都から転出する人は、建設時に税金払っても完成時に受益できないから「公平性の観点から著しく不平等です」(p173)という理屈には、なんか原理主義的な臭いを感じて正直ひきました。
また、「一方では借金をしながら、その一方で貯金をしておく。ブレーキを踏みながらアクセルを踏む。これは行動的にも理論的にも、財政のダブルスタンダードであり」(p175~176)とある点もビックリしました。住宅ローンを組みながら貯金もする家庭や、銀行に借金をしながら内部留保を増やす会社は、一般的だと思います(というよりもキャッシュフローの面からは非常に望ましい)。
財政規律を原理主義的に信奉しているようで、ここで非常にテンションが下がりました。
ここで私見を述べますが、都の税収なんて景気に左右されるものであり、都の税収に見合った予算しか組まないとなると、継続して安定した行政サービスを都民は受けられないことになります。特に不景気の時ほど、行政サービスを頼りにする都民の数は増える傾向にあるのに、行政サービスは質および量で低下を余儀なくされます。それって、本当に都民のためですか?
「都民ファーストの会」じゃないんですか?
財政規律って、行政サービスができない都(行政)や都議会の免罪符や、増税の都合のいい理由であり、本当に都民のためのものですか?
という疑問を強く感じました。
借金や貯金を、有るか無いかの定性的に見るのではなく、今の経済状況で、どのぐらいの借金をして、どのぐらいの貯金をしているのが、長期的に安定で有利なのかという定量的な物事の見方が必要です。
この定量的な物事の見方は、なにも都の財政に限ったことではなく、化学物質の安全性など、多くの分野でも必要なものです。
正直、著者は定量的な物事の見方ができないから、豊洲の地下水問題で・・・と思ってしまいました。
本の内容には非常に有意義な知識、情報が多く含まれていますが、読後感は、ガッカリです。残念です。