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駅格差
著者 首都圏鉄道路線研究会
現代において最も「拠点力」がある「駅」という場所。「住みたい駅」ランキングに見るように、賑わいがある駅かどうか、住むうえで利便性が高い駅かどうかは多くの人の関心事となって...
駅格差
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駅格差 首都圏鉄道駅の知られざる通信簿 (SB新書)
商品説明
現代において最も「拠点力」がある「駅」という場所。
「住みたい駅」ランキングに見るように、賑わいがある駅かどうか、住むうえで利便性が高い駅かどうかは多くの人の関心事となっている。
住みやすさでみた駅格差、ライバル駅対決、賃料水準でみた駅力比較、コスパに優れた最新穴場駅など、駅を多角度から考察。
また、「駅前横丁指数ベスト5駅」「駅前がスーパーな見本市な駅」「駅そば名店がある駅」「建築遺産と呼べる駅」「利用者の少ない不思議な駅」「人身事故の多い駅」など、テーマ別ランキングも充実。
あなたが通勤で使う駅、よく降りる駅は、現在どのようなポジションにあるのか、意外な一面を解き明かす!
目次
- 第1章 首都圏鉄道駅のテーマ別ランキング
- 第2章 首都圏主要駅のレイヤー別通信簿
- 第3章 本当の住みやすさからみた「駅格差」
- 第4章 格差社会と「街」、そして「駅」 特別インタビュー 三浦 展
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紙の本
駅対決は面白い
2017/11/03 14:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1章はテーマ別ランキング。乗降人員数ランキングのような一般的なランキングから駅名と地名が一致しない駅といったトリビア的なものまで(品川駅は港区にあることで有名)テーマごとにランキング形式で駅の特徴を探るコーナーだ。気になるのは駅ビル利便性ランキングか。現在の不動産市場では駅に近いことがとりわけ重視されていることから、商業施設も駅から離れた場所は苦戦して撤退する事例が多発している(千葉駅の三越、柏駅のそごう、松戸駅の伊勢丹など)。最も便利なのは駅と直結している駅ビルであろう。ランキング上位の池袋、横浜、新宿、東京と並んでいるが、横浜を除いて都心部であり、わざわざ都心に出てきて買物をするという場所である。鉄道会社は沿線や駅の価値を上げるため、もっと駅という資産を上手に使うべきだろう。千葉、北千住、川崎、立川などは都心部ではなく、日常使いにできる駅ビルといえそうだ。私鉄が関係するのは北千住だけであり、北千住も東武の街とはいえないことから私鉄の弱さを感じさせられるランキングだ。
第2章はライバル駅対決。北千住vs赤羽は興味深い。どちらも最近注目の駅であるが、商業施設としては前者がマルイやルミネなどのファッションビル、後者がイトーヨーカドーなどのスーパーが充実しているという違いがある。そしてそういった違いを生み出す両者の決定的な差は目的地なのか通過駅なのかだ。赤羽は南は池袋・新宿・渋谷や東京・品川と直結し、北は川口・浦和・大宮まですぐだ。したがって赤羽を目的地とすることは少ない。一方北千住は東武伊勢崎線は新越谷・春日部などたいした商業地はなく、JR常磐線も松戸・柏とそれほど目立った地はない(柏は高島屋があり少しは発展しているが大宮とは比較にならない)。こういったところも東武の弱さを感じるところである。調布vs国分寺は調布との比較が国分寺で適切なのかはなんともいえないが、やはり京王の微妙さがにじみ出ているように感じる。パルコはあるようだが、新宿と八王子の他に京王線沿線で代表的な街が思い浮かばないところがその根本的な原因なのではなかろうか。大宮vs浦和、船橋vs海浜幕張といった埼玉県内と千葉県内の対決は両者互角といったイメージか。商業地大宮と文京の街浦和ではそもそも都市としての性格が違いすぎる。船橋と海浜幕張は両方とも千葉県の商業中心地だが、海浜幕張は京葉線というのがネックであろう。
第3章の駅格差。住みたい街ランキングの集計方法で、イメージにより選出するのではなく、問合せ件数という実需で測る方が実態を把握できるだろう。恵比寿や吉祥寺は高すぎて住むのに適さなくなっているといえるだろう。北千住、赤羽、船橋といった駅がクローズアップされるのは実需がそこにあるということだ。流山おおたかの森はTXで秋葉原に直結している点から、商業施設だけでなく住宅地としても発展が見込まれる。一方越谷レイクタウンは商業施設としては成功したが住宅地としては発展が難しいだろう。わざわざ武蔵野線(都心に直結していない不便な路線)で隣駅の南越谷に出なければならないのが住むのにはネックになる。
第4章のインタビュー。所沢と多摩ニュータウンがピンチのようだ。所沢も西武の開発力不足が今日の危機を招いている。西武は本社を所沢から池袋に移すようだが、もう所沢を諦めたのだろうか。多摩ニュータウンは利便性の観点から将来性は暗い見込みとなってしまうのも致し方ない。個人的には下北沢が気になる。東急は三軒茶屋をうまく開発しているが、小田急は下北沢をどうするのだろうか。経堂・成城学園も含めて小田急も心配になる。
紙の本
差異
2023/11/07 21:57
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投稿者:Monty - この投稿者のレビュー一覧を見る
6年前の本なので、状況は変わってるところもあるのでしょうが、視座の広がりという点で勉強になった。「格差」というより「違い」があって、それを活かすまちづくりが求められてるのだなぁと思いました。