紙の本
頭が満腹。
2018/05/07 16:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イグ・ノーベル賞をとったというポテトチップの音の話など、著者の専門の実験心理学からの沢山の「美味しさと感覚の関係」例が載せられている。
「五感全てで味わう」という考えは当たり前のように思われるのだが、こうやってそれぞれを「解析」してあると壮観でもある。身の回りの実例もいくつか思い浮かんできた。
人工的に「おいしさ」を演出する工夫も多数紹介されている。「美味しいにおい」が感じにくくなれば食欲も落ちるだろう。感覚が衰えて来た老人の食欲を増すために美味しい匂いや音などを一緒に提供するなどは応用価値のある技術かもしれない。要は「脳が何を美味しいと判断するか」ということだろうか。
たくさんの例を読み進むと、レストランの過剰な演出の話などもあってだんだん「味付けの濃さ」が辛くなってきたのも正直なところだ。
食べる音に対するマナー評価など、若干日本人の感覚とのずれもあると再認識したりした。そんなところも「文化と美味さ」を考えながら読めば一興である。
とりあえずたくさんの話で脳が満腹した。
電子書籍
イグノーベル賞
2020/06/11 14:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は味や香りだけでなく音にもこだわる欲求があり、良い雰囲気の中でうまいものを食べたいということを、食を科学することによって結局は脳の感じ方であることをつきとめた書。
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事象の羅列が多くの割合を占め、それに対する考察ぎ浅く感じた。その為面白みにかける。
自分が手を加えた料理を美味しく感じるという、イケア効果に関する記載は納得。
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おいしさは、味覚以外のいろいろな要素によって実際に影響を受ける、触覚、音、香り、雰囲気、乾燥度、食器など。内容は興味深いが、残念ながら、淡々と事実を羅列しているので、あまり面白くない。
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料理×行動科学×心理学=ガストロフィジクス!
面白かったけど、本書の中で挙げられる「ファットダイニング」のような音楽などを使った「マルチセンソリー」なレストランってないよなあと思っていたら、日本食こそがすでにマルチセンソリーなレストランだったというオチが訳者あとがきで明らかに。なるほど!
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料理を食べるという行為は、口でするものではなく、脳の果たす役割が大きい複合体験であることを、最新の研究成果に基づき丁寧に解説した一冊。この本を読むと、伝統的な日本料理の盛り付け方や構成と様式の世界が、最新科学の示す料理のあるべき姿と、多くの部分で合致していることを発見できます。
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おもしろい!
いろんなことに影響されて食事を楽しめているし、将来それをさらに増幅させる技術も生まれるかも。多くの感覚器をつかって食べたものが記憶に残る食事じゃないかなと思った
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最初は正直、つまらなくて読むのを挫折しそうになりましたが、<第6章 雰囲気>と<第9章 記憶>は割と面白かったです☆
食品ではなくパッケージに香りをつけた方が良いという話や、ポテトチップスの袋がガサガサする理由が意図的である点、インドの人が手を使わずにご飯を食べると料理が味を失うと言った話、ハードロックカフェがテンポの速い音楽を大音量で流す理由などなど、いろいろと面白い話がありました。
ただ、僕が一番印象に残ったのは、料理がある程度のクオリティを担保していたら実はもう記憶という観点で言うとそれ以上はそれほど重要じゃなくて(食べるという行為にそこまで人は意識を集中させなくなる)、それにプラス、何かしらの感情の動きが無いと人々の記憶に残ってまた行きたいと思ってもらえないという話。この考え方は、何も食べ物だけの話じゃなくて、仕事も含めたいろいろな事に通じるものがあるような気がして、いろいろと参考になりました。
どうしても専門職の人は独りよがりになりがちですが、最終的にどういった結論を下すのかは別にして、とにかくまずは、潜在的な事も含め、相手が本当に求めているものは何なのかを 真摯に考える事が重要だと思いました☆…って別に、そういう事を書いた本では無いですが(笑)。
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普段何気なく感じている美味しさ、実は味以外の様々な要因に影響を受けているということを、実際の事例を交えて教えてくれる本。
美味しいものが溢れた時代、飽食の時代に、新しい価値をつけるならば、ガストロノミーは必須なのかもしれないと思った。
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【読書マラソンPOPコメント】
「おいしさ」の錯覚(チャールズ・スペンス 著)
この本は食品や飲み物に対する普通の人々の反応に関する食の科学であるガストロフィジクスについて書いている。見え方や香りなどの知覚が食べ物の味の感じ方に与える影響についての様々な考察がまとめられており、今後の食事の楽しみ方に幅を持たせられるようになると思う。また、現代の食事を発展させ、五感にはたらきかける未来的な所くじについてのヒントが得られると思う。料理が好きな方やデザインに興味がある方にとっても楽しめる内容であると思う。
ペンネーム“おいしさ”
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食事のおいしさは皿の外で決定される
味覚とは舌のみで感じるものではなく、視覚、聴覚、触覚によりマルチセンサリーな行為
面白かった
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「『おいしさ』の錯覚」https://kadokawa.co.jp/product/321611000841/ 味の判別には味覚だけでなく五感すべてが影響していることを理解はしててもあまり実感がない。咀嚼音、カトラリーの素材、お皿の形、BGM, 椅子の座り心地、照明、食材の色(青いステーキ) etcetc。味とはすべて錯覚でしかないと言っても過言ではないな
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著者は、ポテトチップスをパリパリという音を聞きながら食べると美味しく感じる、ということを発見してイグノーベル賞をとった人。
食の喜びは味覚だけではなく人間の五感すべてが影響して脳の中で生まれることを多角的なアプローチで解説している。嗅覚や視覚が影響するのは知っていたが、音やカトラリーの手触りなども重要な要素であることは知らなかった。特に音との関係は面白く、新たな知見がたくさん得られた。
後半のモダニスト・シェフたちの、食事の提供を超えて総合芸術といえる試みは興味深いが、あまり体験してみたいとは思わない。
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香り、色、音、皿の形、音楽など、下の感覚以外の刺激によって料理の味がどんな影響を受けているのかを、いろんな実例とともに紹介されている。
ガストロフィジックス(食の物理学)というよりは認知心理学や行動科学に寄った内容のように思う。
ほお、なるほどと思うような話から、章を進むにつれて内容は前衛的になってゆく・・・
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食事は口の中だけで行われているのではない。私たちが食べ物から得られる喜びは想像できるよりも、はるかに大きく、私たちの主観に左右される。本書を読むことで、あなたはガストロフィジックスの素晴らしい世界に足を踏み入れることになるだろう。
とのこと。
メモ
・私たちの気分は食事体験を左右する最も重要な要素
・ガストロフィジクス 新しい食の科学
・香りは二種類あり