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著者 窪 美澄
大切な人を、帰るべき場所を、私たちはいつも見失う――。読むほどに打ちのめされる! 忘れられない恋愛小説富士山を望む町で介護士として働く日奈と海斗。老人の世話をし、ショッピ...
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商品説明
大切な人を、帰るべき場所を、私たちはいつも見失う――。読むほどに打ちのめされる! 忘れられない恋愛小説
富士山を望む町で介護士として働く日奈と海斗。老人の世話をし、ショッピングモールだけが息抜きの日奈の生活に、ある時、東京に住む宮澤が庭の草を刈りに、通ってくるようになる。生まれ育った町以外に思いを馳せるようになる日奈。一方、海斗は、日奈への思いを断ち切れぬまま、同僚と関係を深め、家族を支えるためにこの町に縛りつけられるが……。
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紙の本
風呂屋の壁の中にある富士山のように
2018/05/04 07:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
就職には困らないかもしれないが、離職率も高い。介護の仕事はそれだけ重労働だということだろう。
窪美澄のこの長編小説の主人公である日奈と海斗は同じ介護の専門学校を卒業し、富士山がごく普通に日常の中にあるそんな町で介護士として働いている。
介護士という職業がこの物語に重要な位置づけを持っているかといえば、重労働という点ではあるかもしれないが、もしそこに意味を持たせてしまうと介護の仕事があまりにもつらくなってしまう。
日奈と海斗の関係は仕事がきつくておかしくなるわけではない。
日奈は専門学校のパンフレット作製のために出合った宮澤に心と体を寄せることになる。
この長編は主語が異なる7つの章で出来上がっているが、その最初の章「そのなかにある、みずうみ」で日奈と宮澤の不思議な関係が描かれていて、日奈が宮澤に心を寄せるその理由が今ひとつ理解できないながら、身体が海斗の時とはまるで違う反応をすることで、日奈の心の淋しさがすんなり入ってくる。
その一方で海斗は日奈を忘れられない。
しかし、日奈が宮澤を追いかけるようにして町を出たあとは、やはり同じ介護の同僚である畑中と関係を深めていく。
物語の核にいるのは日奈であることは間違いないが、宮澤という男も海斗という男もあるいは畑中という女も、まるでそれぞれの町に縛られるようにしてしか生きていけない。
窪美澄の文章は口当たりがよすぎるが、結局は富士山が当然のように見える町での出来事にすぎないような気がする。
紙の本
これを読んで
2019/05/21 16:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私も、自分の手をじっと見てみたい。昔、ただただ荒稼ぎしたくてバイトばかりしていた時に、あこがれの人から「頑張った手をしてる!」と褒めてもらって嬉しかった。
なんか、あの時は、やみくもなだけだったけど、今は、もう少し自分の仕事に誇りを持ってやっているつもりだ。あの人、今でも褒めてくれるかな?
電子書籍
年月を経るごとに
2018/09/15 13:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひなと海斗の関係は、一言では表せないぐらいの深さで、男女としてくっついたり、離れたりを繰り返す中で同士というべき言葉がしっくりいくのか。お互いに好きな人がいてもいなくてもいつも頭や心の中にい続ける存在。その二人の職業の介護職という大変な仕事から見える人間の縮図も、まのあたりにすることでより二人の未来が見えることもあったと思われる。
電子書籍
よかった
2019/09/26 20:34
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
読めば読むほど好きになっていく。読んだ人の年齢によっても、よいと感じる部分が違ってくるんじゃないかな。