紙の本
面白いっ!
2021/05/30 13:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の卯月枝衣子は、上昇志向が強くタフな女性警部補。本庁への異動をもくろみ、事件性のない初老の男性市会議員の死を殺人事件にできないかと四苦八苦する。そこから、物語は予想できない方向にさまざまに広がって...。
こんなきっかけで始まるミステリーもあるんだなぁとまずはその設定に新鮮さを感じ、ぐいぐいと読み進む。
見えてくるのはいろいろな人々の思惑や野望、日々の鬱憤などなど、それらが人間模様を複雑にしていくさまが面白い。そして、ホントにエンディングまじかまで結論がわからないのもいい。
紙の本
“可能性の追求”
2019/09/16 22:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国分寺で市会議員の男性が亡くなった。一旦事件性は無いものとされたが、というところから主人公 卯月枝衣子刑事の活躍(暗躍?)が始まります。果たして自然死か殺人か。
樋口さんらしいユーモアとペーストが感じられる佳作と思いました。
投稿元:
レビューを見る
東京・国分寺市の閑静な住宅街で、市会議員が亡くなった。
キャッチフレーズは「国分寺から革命を! 」
現場に不審な点はなかったが、所轄での退屈な日々
に飽きていた卯月枝衣子警部補は、あわよくば本庁捜査一課へ栄転の足がかりにと、強引に単独捜査に乗り出すが……。
女性警部補と関わってくるフリーライターがいつもの著者の男性像。
柚木草平シリーズのほうが違和感なく読める。
(図書館)
投稿元:
レビューを見る
積読本が溜まってしまって発売日に買ったのになかなか読み始められなかった樋口有介最新作。
これまでに無い視点切り替えで展開されるストーリー。
これまで通りの味わいを残しながら、テンポ感など新しさも感じられる作品。
一癖も二癖もある登場人物達の真意を探りながら読み進める面白さ。
シリーズ化するのかな?
広告業界の話はいまいちリアリティーに欠けたけれど…。
帯は、無いな。
デザインなんだろうが文字と情報量が多過ぎ。
その文字群も印象的な言葉じゃないし。
投稿元:
レビューを見る
東京・国分寺市の閑静な住宅街で市議会議員の男が死んだ。遺体に不審な点もなく、病死として片付けられようとしたが、野心満々の女性刑事卯月枝衣子警部補は本庁への栄転の足掛かりにしたいと、昼行燈の刑事課長を言いくるめ殺人への格上げを目指して単独捜査に乗り出す。
調べるに従って、小さな違和感は大きな展開をみせ、事件は意外な方向へと動いていく。
地元が小説の舞台、それも殺人事件の!という高揚感、そして表紙の不穏な雰囲気も好みで手に取った作品。地元が東京の田舎のさえない所轄として描かれるのがちょっと残念(事実だけど)ではあるけど、ミステリーとしては事件の真相が明らかになっていく過程がなかなかいい。
殺人の動機自体は、「そんなことあるかな~」と感じるものの、現実感を損ねるほどではない。さらに、主人公の枝衣子と専門学校講師水沢との軽妙なやり取りも作者の持ち味らしく、作品にスピード感を与えている。
犯人逮捕で解決した事件に、実は違う側面もあるのでは・・・と思わせるシーンが怖い。そこは、警察には立証できないのだろうな~。
枝衣子が本庁の刑事に取り上げられる予感もあり、彼女のシリーズが楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
+++
地味な市議の死。外傷や嘔吐物は一切なし。医師の診断も心不全。
なんとか殺人に〈格上げ〉できないものか。
本庁への栄転を目論む卯月枝衣子警部補29歳。
彼女の出来心が、〈事件性なし〉の孕む闇を暴く!?
軽妙に、見事に、人間の業の深さに迫る新感覚ミステリー!
+++
単なる病死で決着するはずの市議の死から、さまざまな人間模様が見えてくる。家族それぞれの存在や思惑、近所の住人の生き様やそこに住む必然性、そして捜査する警察官の野望や日頃の鬱憤まで。ありふれたものに見えた一件の死亡案件に、これほど濃密な要素が絡み合っていることに、驚くしかない。考えてみれば、どんな人間も、その人にとっては人生の主役。多かれ少なかれ、ドラマティックな要素を抱え込んでいるのが当然なのかもしれない。そして、二転三転する事件の真実の先にあるラストに至ってさえ、なお本当の真相には迫っていないのではないかという疑いを抱かせる。心情的にはすっかりそちらに持っていかれている。巧みで興味深い一冊である。
投稿元:
レビューを見る
*地味な市議の死。外傷や嘔吐物は一切なし。医師の診断も心不全。なんとか殺人に〈格上げ〉できないものか。
本庁への栄転を目論む卯月枝衣子警部補29歳。彼女の出来心が、〈事件性なし〉の孕む闇を暴く!?軽妙に、見事に、人間の業の深さに迫る新感覚ミステリー!*
樋口氏らしい、まったりのんびりお気楽調なテンポと文体がファンとしては無条件に楽しい。捉えどころのない事件の真相が二転三転した挙句、これぞ樋口ワールド!的なオチに持ち込まれ、なんだか煙に巻かれたような読後感もさすがです。増岡と真由美の結婚に至る経緯や、殺人に至る動機がやや弱い気もするけど、まあそこは…ご愛嬌かな。
投稿元:
レビューを見る
ファンの方に怒られそうですが、著者を全く存じあげておらず著作初読でした。ストーリといい登場人物の魅力的なことといい完璧にハマりました。読み進める毎に夢中になり久しぶりに時間を忘れ寝不足になりました。著作を読み漁ろうと思います。
投稿元:
レビューを見る
東京・国分寺署の管轄内の住宅地で、新米市会議員・増岡の死体が発見され、医師は病死として判断する。これに待ったをかけたのが、卯月枝衣子警部補。警視庁捜査一課に転属したいと考える彼女は、この死に事件性ありと主張し、自ら手柄を立てたいと考えていた。増岡家の前にあるアパートの住人を巻き込み、捜査を開始すると・・・
強引な捜査なのか、初動が杜撰なのかはおいておき、それほど警察は甘くはないだろうと。軽い感じで読むには、楽しめる一冊。
投稿元:
レビューを見る
平凡な人物の自然死かと思いきや、正反対の心象を受ける展開があったりと面白く読めた。この作品は前情報がないほうが断然楽しく読める。
投稿元:
レビューを見る
決して心が動く物語ではないが、この著者のすっとぼけたストーリー作りは楽しめる。
記憶にも残らず再読もしないと思うが休日の一時を埋める読書としては、むしろ相応しい感じ。
投稿元:
レビューを見る
図書館の本 読了
柚木シリーズみたいな雰囲気好きです。
これシリーズ化するのかな?
柚木シリーズも刑事さんが出てきた!ていうかおどろきもいいアクセントでした。
投稿元:
レビューを見る
国分寺と府中が舞台の警察小説。
捜査はちゃんとすすんでいくのだが、警察小説らしからぬホワンとした不思議な読書感に包まれていて、意外と面白かった。美人の運命も大変だ。
投稿元:
レビューを見る
一見事件性のなさそうな一人の男の死。しかし手柄を挙げて栄転を目論む刑事の手によって、事件にでっち上げられそうなとんでもない話!? と思ったのですが。掘り進めれば怪しい事象がどんどん判明して、そして新たな事件までが。本当に事件だったの?
あらわになっていく人間関係と、彼らの思惑。だけどなぜか、すべての中心にいるあの人のキャラが鮮烈でした。とにかく目立たないし、ほぼ何もしていないのだけれど。ラストのあの行動があまりに怖い……本当に、すべてはあの人の計画だったのかも、と思えてきます。
投稿元:
レビューを見る
2019年1月の時点で、樋口センセの著作の中でも最新の部類になると思うのだけれど、実験的な意味合いでもあるのかな~…と。
複数の視点での語り、女性が推理の主体的存在であるとか。
「猿の悲しみ」で初めて女性主人公の作品を読んだせいでそう感じてるのかもしれないけれど。
しかし視点、語り手が複数に渡るのは、少なくとも冒頭では活きてなかったかなあ。
誰の視点なのかわかりにくく。
せめて「一行空ける」だけでなく「◆」か何かマークで区切って欲しかった。
この辺の迷走ぶり、第二節までは連載形式であったことと関係してるのかな?
書き下ろし部分になった第三節以降では重点的に語る人物が示されてスッキリした感あるもの。
で、樋口センセらしいリズムある言葉の掛け合いなども中盤以降には発揮されて、いよいよ面白くなったかなー。
語り合う相棒がいるというのも樋口センセの作品では必要かなと。
先述の「猿の悲しみ」ではその役が不在だったので一方的に強すぎた感あるんだよねー。
そういう試行?があって、今作があると考えるのは深読み過ぎかなあ。
物語としては、ここでも序盤の強引さで好悪が付くかもなー。
エンターテインメントだから序盤以降もドラマがあると受け取れるけど、リアルに考えると何してんだ警察は…ってなりそう。
でも、その強引さが果たして物語としても押しになってるのはすごい。
意外な真実というのはミステリの骨子だよね-。
そして一件落着…と思わせても、最後の最後にそうは問屋が卸さねえとばかりに足下をすくう一撃。
結末をどう受け取るかは読み手に任せるにしても、やっぱり苦みが効いてるわー。
そして…これは自分が「柚木草平」シリーズをいまだ読んでないこともあるのですが、これはもうスピンオフなんですか?
というかシェアザワールド?
え? こういうシステムなんていうんかな??
いよいよあのシリーズに手を出す頃合いなんだろかー…。