紙の本
とても面白い本格ミステリー
2019/06/30 00:26
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投稿者:ねったいぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリファンなら、ヴァン・ダインという名前は当然知っていると思います。私も20年以上前から知っていましたが、なぜか今まで読んだことがありませんでした。本当にもったいないことをしていたと思います。
わくわくする内容で、読み進めるのがもったいないぐらいです。重厚な文章で読みごたえがあることも気に入りました。
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ベンスン殺人事件
2013/03/19 09:16
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投稿者:ホームズ - この投稿者のレビュー一覧を見る
新訳で再読。久々に読んだけど相変わらずヴァンスって回りくどいというか性格があまり良くないというか(笑)マーカムも良く我慢してるな~って感じがしてしまう(笑)一応ヴァン・ダインも捜査現場にいたりする設定のはずだけど存在感が全然ないのが少し不思議な感じ。『僧正殺人事件』が新訳で出たのは結構前だったけどここからは間を空けずに新訳を出してくれるといいな~(笑)ヴァンスのシリーズも再読したくなるな~。
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優雅に推理を
2020/07/31 09:21
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
名探偵ファイロ・ヴァンスと、マーカム検事のコンビが冴え渡っています。捜索が忙しくても、美食に妥協しないところも魅力的です。
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本書ですが、探偵役のファイロ・ヴァンスの性格とその推理方法がとても個性的で結構楽しめました。ヴァンスは、普通なら最有力の手掛かりと考える物的証拠や状況証拠を危険なものとして退け、唯一本当の手掛かりになるのは心理的なもの、として、現在でいうところの犯罪プロファイリングに近い手法を捜査に用いています。ただ、印象としては、犯罪の心理的要因に頼ったヴァンスの推理方法……こちらも少々危なっかしい気がするのですが(^_^;)
もっとも、犯人当てのゲームとしては不十分かもしれませんが、物的証拠、状況証拠だけをもとにした推理をヴァンスがことごとく覆し、それがいかに危険な手法であるかを説明していくところなど物語としてとても面白く読みごたえがあります。特に22章の「ヴァンス、仮説を述べる」では、しばし、( ゚д゚)ポカーン でした。やられた!
この事件ではヴァンスの友人で地方検事のマーカムがヴァンスと共に捜査にあたるのですが、あくまで物証にこだわり、ヴァンスの言動に振り回されるマーカムにやけに感情移入してしまいました。ヴァンスとマーカムの間で交わされる、時に感情を交えた丁々発止のやり取りも本書の魅力の一つだと思います。
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ヴァン・ダインと言えば、四半世紀も前の高校時代に、やはり創元推理文庫の従来訳版で「グリーン家」「僧正」「カブト虫」「ケンネル」「カシノ」などを読んでいたものの、デビュー作である本書は初めてでした。
タイトルが示すとおり、証券会社の経営者であるベンスンが自宅で射殺されているとの通報からお話は幕を開けます。
そこからヴァンスが真犯人を指摘して犯人逮捕にいたるまでの、ほぼ一週間の出来事が語られます。
連続して事件が起きるわけでもなく、どちらかと言えば地味なストーリーというのが、読後の印象です。
とはいえ、決して退屈という意味ではありません。
探偵役であるファイロ・ヴァンスは、伯母の遺産を相続し悠々自適な生活を送っている、教養にあふれスポーツも得意な一見非の打ち所がない人物です。ただし、人に打ちとけようとしないという点を除けば。
そんな彼と、その友人であり遺産管理人兼代理人であり本書の語り手であるわたし(ヴァン・ダイン)、ヴァンスの友人でありニューヨーク地方検事のマーカム、市警殺人課のヒース部長刑事が、いわばチームプレーで事件に取り組みます。
そう、僕が興味深かったのは実はそのチームプレーというスタイルです。
ヴァンスという民間人が刑事事件に関われるのは、この友人マーカムがいるからこそなので、全編を通じてほとんどヴァンスとわたしとマーカムが捜査活動を共にします。
人づきあいに関しては気むずかしいはずのヴァンスが、時に辛辣でありながらも尊敬のこもった友情をもって、マーカムを助けていきます。この構図が、単なるエキセントリックな探偵の物語にとどまっていない魅力を感じさせました。
反面、ヴァンス流の推理法である「事件の心理的な要因(ファクター)を分析して人物に当てはめることで、初めて真相に到達する」という部分は、事件は解決したものの、ちょっとわかりにくかったかなという気がしないでもありません。
ともあれ、読み出したら一気に最後まで読みとおしてしまった面白さであったことは申し上げておきたいと思います。
以降の新訳も楽しみに待ちます。
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殺害されたアルヴィン・ベンスン。かつらをとり入れ歯を外したリラックスした格好での死。死の直前まで彼といたミュリアム・セント・クレア。恋人のリーコック大尉に容疑がかかる。被害者の金を使い込んだ友人リアンダー・ファイフ。ファイフが偽造した小切手と担保にした宝石。浮かんでは消える容疑者たち。地方検事マーカムとともに現場に訪れたファイロ・ヴァンスの推理。リーコック大尉に容疑をかけるマーカムを止めるヴァンス。銃を捨てる所を目撃され容疑が濃くなったリーコック大尉。自首してきた彼を取り調べるヴァンス。アルヴィンの兄アンソニーの証言。
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ヴァン・ダインのデビュー作の新訳。久しぶりに読んだのですっかり内容忘れてたからとっても新鮮に楽しめました。
ヴァンスが作中繰り広げる芸術蘊蓄が少なめな印象を受けたのは、第一作目だからかな。原注、訳注も入ってて良かったです。
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遠回り過ぎて疲れた。。。
「固茹で卵を刻んで、おろしたポール・デュ・サリュ(牛のチーズ)と混ぜ、タラゴン(ハーブ)を少々加える。このペーストを三枚に下ろしたホワイトパーチ(スズキ類)の切り身で、クレープみたいに包む。それを絹糸でしばって、特製のアーモンド入りの衣をまぶして、スイート・バター(無塩バター)で揚げる。もちろんこれは作業のほんの概略に過ぎない」と言う朝ごはんが美味しそうであった。
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ミステリー黎明期の作品で、ファイロ・ヴァンスのデビュー作であり、良く言えば手堅い内容、悪く言えば地味で古めかしい。犯人の身長を推定する手法、ある人物の自白の嘘を見抜く尋問、アリバイトリックの方法の指摘などがあるのだが、いずれも地味で、この部分が特に秀逸と言えるようなものはない。
状況証拠を重んじず、犯罪の心理的要因を重視するヴァンスの捜査哲学。地方検事マーカムが状況証拠から犯人と見なした人物を次々と否定していき、さらにそれ以外の人物を2人犯人に指名した直後に却下して、マーカムを翻弄する。ヴァンスの推理は、理詰めで犯人を1人に絞るものでなく、最後は犯人の部屋に無断で立ち入って、物的証拠を見つけるというもの。
印象的なのは、ヴァンスのマーカムに対する辛辣で横柄な物言い。メルカトル鮎を思い出し、昔からこういった性格の人物が探偵役だったのだなあと再認識した。
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ファイロ・ヴァンスの初の事件。
たくさんの容疑者を一つずつ潰していく
様は痛快でした。実はコイツが!?と思うと
違うんかーい、と潰されるw
最初から犯人は分かっていた、の言葉通り
彼の心理的に考える方法には成る程と
面白く読めました。
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ファイロ・ヴァンス初登場作品!
主人公のプロフィール紹介、衒学趣味にはうんざり…。解決までに本一冊分も使う必要あったのか!?
ミステリー初心者には勧めないなぁ…
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ヴァン・ダインのデビュー作といくことで読んでみた。いい意味であまり裏切られなかった。長編小説ゆえに、途中で尻込みしてしまうところがあり、読むのがちょっと退屈なところもあったが、全体的には楽しめた。
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漫画家が初期の作品の時に絵が拙いのと同様に、『僧正殺人事件』や『グリーン家殺人事件』と比べるとやや拙くファイロ バンスも諸々しつこさや脂っこさが目に付く。
しかし、名探偵の登場という瞬間に立ち会う事ができた事に感動しました。
次の『カナリア殺人事件』も楽しみにして読む事にします。
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ヴァン・ダイン1作目。
心理的な観点から犯人をまず炙り出し、物的証拠は後から、という所が、歴史的にみても本作の新しい観点だったのではないか。
ヴァンスが最初の方で重要な手がかりについて主張してくれるので、犯人自体はわかりやすいと思う。
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ファイロ・ヴァンスの第一作で、楽しめる内容でした。「地方検事の捜査に一度同行したい」との要望に応え、マーカスは古くからの友人を帯同します。その素人「犯罪を捜査する絶対確実な方法」は心理的要因の分析であり、物証やアリバイでの捜査は当て推量にすぎないと主張、最初の現場検証で犯人の目星をつけたようですが本当に犯人なのか?検察が逮捕に踏み切ろうとするとそれは無実だよとひっくり返すことを繰り返します。お互いの発言/行動に目を剥きながらもリスペクトが根にあるからか、解決に向け協力プレイが続くのでした。(1926年)