紙の本
そう、人生は続いている
2018/07/01 20:05
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投稿者:miyajima - この投稿者のレビュー一覧を見る
各所で話題になっていたので買ってみる。この手の話題本は、自分の人生において前向きになれるようなものしか読みたくないとおもっていたので、しばらく様子見でいたのだが結局購入。まあ期待にたがわない良書であった。
本書で言う「一発屋」というのは、一発当てたけれどもそのあと失速してそれきり、ということではなく、「一発屋という肩書」で商売を続けている芸人である。一瞬スポットライトを浴びてその直後にエンドロールが流れてあとは忘れられるという刹那な存在ではない。あるいは失意のうちに芸能界を去っていった落伍者の物語でもない。そうではなくて「どっこいオイラは生きている」ということ、言い換えれば帯に書かれたように「それでも人生は続く」ということ。
「一発屋芸人」たちが当てたその後に、不器用でありながらも決してくじけずに努力している様を描いた本書は、気持ちが弱っているときに読み直す価値がある本だと思う。
(ハローケイスケだけは今後が心配、、、)
紙の本
一発屋オールスターズ
2019/01/17 07:14
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
というユニット?が吉本にいて、定期的にライブをやっているが、非吉本の芸人さんは、どうしているのか興味があるので、このような本を出してくれて嬉しい!
紙の本
あたたかい眼差しと文才
2019/07/02 02:04
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投稿者:K.ザムザ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一発屋芸人に対するあたたかい眼差しとウィットに富んだ文章が上手く絡んで非常に読み心地がいい。「ルネッサンス」のネタは面白いと思ったことはないが、センスのある人なのだなと見直した。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
いま数人話題の人も、一発屋と呼ばれる芸人さんたち。画面から消えてしまった後も、生活があるし頑張ってるんですね。
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レイザーラモンHG、コウメ大夫、テツandトモ、ジョイマン、ムーディ勝山、天津木村、波田陽区、ハローケイスケ、とにかく明るい安村、キンタロー。髭男爵。
知らん人もいるけどな。
いわゆる一発屋の今だけでなく、なぜ一発になったのか。
必ずしもリスペクトや愛情だけでなく、正直罵詈雑言に近い表現もあるけども、かなり冷静に文章にしているのが驚く。
ただ、2度読みたいとは思わない。
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髭男爵 山田ルイ53世、その人にしか書けない本です。一瞬、私たちの前に現れて眩い閃光(?)を放ち、そして消えていくお笑いシューティングスター、いやお笑い線香花火「一発屋」たち。しかし、彼らの人生は星や花火のように消えてなくなる訳ではなく、一発後もまだまだ続いていく…そこを拾い上げていけるのは著者自身が「一発屋」だからこそ。ルネッサンス!気づかされたのは「一発屋」は過去に生きる人なのではなく、「一発屋」という看板を掲げて今でも生きていく芸人であること。著者自身が一発、その後を七転八倒しながら生きているからこそ、レイザーラモンHGモコウメ太夫もテツandトモもジョイマンもムーディ勝山も天津・木村もハローケイスケもとにかく明るい安村もキンタローも素直な今を語れるのだ、と思いました。著者が唯一、突き放しているのは波田陽区で、そのガチンコな雰囲気もこの本が奇跡的なナイーブさの上に成り立っていることの証拠のように感じました。そして、その赤裸々な感情が炸裂していののが自分たちの髭男爵の章で、一発前の仲間や一発を共有した相方への冷めた目線はちょっと怖いくらいの自己分析力だと思いました。繊細でクレバーだからこそ髭男爵は面白くないのかもしれませんね。そして、それぞれのキツイ話を巧みにまとめているのが著者の言語能力で、比喩やノリツッコミやレトリックを駆使しながら重い物語を苦笑エピソードに変換しています。一瞬、ナンシー関を感じましたが、当事者目線なのでまた違った巧さです。書き手としての山田ルイ53世に注目!
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なんだこの重い本は、最近ここまで暗い気持ちになる本があっただろうかと思うほどキツイ本です。最後は幸せになりました、とか、**という悲惨な話だったのさ!さぁ笑え!というどちらでもありません、あとがきに書いてある通り「それでも今なお生きている」という現実を誠実に伝えようとする本で、リアリティが高すぎて本当にキツイ本でした。でも面白い!
一時期「夢が叶う本」はもうお腹いっぱいぐらい読んだので、真面目な話、失敗してそのまま終わってしまったらどうなるのか?という本を読みたい(それは私の人生にとっても切実な問題だ)と一時期そういう本を真剣に探したことがありました。しかしまぁその「本来確率が圧倒的に高い方の現実」のつまらないことつまらないこと!(‘ᾥ’;)なぜつまらないのかというと現実そのままだから、説得力がありすぎるから。とにかく全然エンターテイメントにならず、お役立ち本として読むのも難しい、それは未解決事件の無残な被害者の告発を私達がそのまま100%受け取る必要(そしてそれはとても重要なことだ)があるような、ただひたすら勇気と元気と使命感が必要なジャンルだったのだと思います。
だからこそ悲惨な状況をそのまま描いて尚心に強烈に響く映画「息もできない」「シークレット・サンシャイン」「母なる証明」「サイタマノラッパー」等の突出した傑作ぶりに余計感謝の念が湧いてくるのかもしれません。そういう意味でこれだけ強烈な現実をそのままストレートに執筆して、キツイキツイキツイ!と絶叫しながらも尚「面白い本だ(★5点満点!)」と感じるこの本は素晴らしい書籍なのだと強く思います。
特にインパクトがある内容は波田陽区さんハローケイスケさんそして髭男爵御本人達の章。特に「ハローケイスケ」さんの章から受け取る情報量の多さたるや凄まじく、こちらが参ってしまいそうな現実がそのまま載っています。西尾維新さんの対談本「本題」には羽海野チカさんの対談で「才能とは他のことが何もできなくなる欠点である」というテーマが載っていました。二人の対談は真剣そのものでありながらある意味猛烈に辛辣な内容でした。対談を読み続けていると西尾維新的なキャラクターが私に呼びかけてくるのです「才能がなくて良かったじゃないですか?一万時間練習して才能がないなんて分かっても手遅れですよ。もう後は二万時間練習するしかないんですから。才能がなくて良かったじゃないですか?無駄な練習をしなくて済みましたね。」ハローケイスケさんの章では正に、ここまで続けたんだから後はもう二万時間練習するしかないという意味そのままの宣言があります。そして目標は「還暦に売れること」です。還暦までに売れることではないのです。ハイパーリアル!ハイッパーーーーーーッリアル!!(‘ᾥ’;)精神力が必要な本!!!
全体を通して感じるのは(正にこれこそ私のような人間がいうことじゃないのですが)、登場する一発屋芸人さん達のメンタル面と行動面の不安定さ。人によっては「それはもう結構幸福な状況なのでは?」と思えることでもこんなに死ぬほどの苦悩をしてしまう、気の持ちようとは正にこのことで、もうほんっとに心療内科に通う私が他人に言うようなことではありませんが、「キンタロー。」さんの章を読めば大体の人が同じ感想を持つのではないでしょうか?逆に一発だろうとなんだろうと精神的に安定している人達の章の幸福感・満足度がビシビシと伝わってきて凄い差です。
これは芸人に限らず、音楽でもそうなのですが、コンスタントに評価されたりされなかったりの平常の状態と異なり、飛び級の「一発」が当たってしまうと、客観的に見て他の芸人に比べてアベレージの低い高いに関係なく、彼らが一生「自分の世界記録」と勝負し続けることになることに衝撃を受けました。こちらの方はメンタルの安定性とは関係ありません(受け入れるか受け入れないかという問題になりますが、"自分の世界記録"との勝負自体は発生してしまうようです)。
なんといってもこの本はこれだけキツイ話をこれだけ面白く書けるのが凄いと思いました。類似の本を一杯読みましたが、キツイ現実の上にツマラナイのは本当に辛いんです。泣けるけどツマラナイ映画は一杯あります。ブチ上がるけどツマラナイ本も一杯ありますが、泣けるとかブチ上がるはそれだけで単体で尊いものなのです。ですが、キツイ現実を読もうと思うなら、「キツイ現実」+「面白いと思うorタメになるorやる気になる」とセットじゃないと駄目なんです。少なくとも私は弱っちいので駄目なんです。そして大変なことに「キツイ現実」は面白くすることが死ぬほど難しいようなんです。前述した「キツイ現実も読んでみたい」のトライは当たり外れでいうなら他のジャンルの追随を許さないハズレ率でした(もう手を出すのをやめようと決意するほど)。だって現実がキツイんだもの!(‘ᾥ’;)それだけにこの話をこれだけ面白く読ませてくれるこの本は本当に尊い。素晴らしい本でした。でも!キツイ!!!!!!(‘ᾥ’;)激ヤバ鬼マスト!!
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<目次>
省略
<内容>
”一発屋芸人”。著者の髭男爵、山田ルイ53世もその一人だが、彼が一発屋たちを描く。レイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandトモ、ジョイマン、ムーディー勝山&天津・木村、波田陽区、ハローケイスケ、とにかく明るい安村、キンタロー。、そして自ら髭男爵。あいつもこいつもいないじゃないか(例えば、ダンディ坂野)?と言われるが、なかなかの人選だ…(ハローケイスケはやや?)。帯の惹句にあるように、彼らは”一発屋”ではない。かつてのように、一発当てた後、完全に消えていない。またテリー伊藤の文のように、私も「人はどうやって再生するのか、その人にとっての幸せは何か」そっちの方に確かに興味がある。みんな勝てない。でも、彼らは生きている。そこが嬉しいような…。
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かつての一世風靡した一発屋と呼ばれた芸人たちのルポ。一発屋でも玉石混交だが、レイザーラモンHGとテツandトモは読むと尊敬してしまうし、YouTubeでテツandトモを改めて見ると至芸だなぁと感じずにはいられない。読む価値はありの一冊
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各所で話題の本。文才が褒められることが多いが、個人的にはやや修辞過剰の感。まあこれも芸風となるか? こんなに取材先の欠点も突いて大丈夫かと思う。
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文章が上手すぎて感動しました。理路整然としていてテンポもよく、頭とリズム感のいい方なんだなと思いました。
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想像を裏切る内容。一発屋芸人の裏話って結局大したことない。もっとエキセントリックな内容を期待していた。山田ルイ53世の取材力にがっかり。
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ノンフィクション、ではなくエッセイ。レイザーラモンHG、コウメ太夫、波田陽区、テツandトモ、そして自ら髭男爵、インタビューをもとに構成されている。けれど、全体の印象は、彼らをネタに書かれた、山田ルイ53世の「執筆芸」的なもの。読後感で残るのは、山田さんの文章力。文章力というかコメント力かなぁ。ひな壇でうまいこと言いそうな。ネット社会では、芸人は消えない。ずっと残る。なので、“一発芸人”というカテゴリーは絶好の食い扶持であり、それこそ消えていってほしくないもの、なのかもしれないなぁ。
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山田ルイ53世さんのラジオを聴いていました。
話がとても上手く、話芸だけでもいつか再ブレイクするのではと思っていました。
伊集院さんもそうですがラジオで話すのが上手い人は文章を書くのも上手いんですね。
自身が一発屋芸人であるからこそ、取材対象を落とすでも上げるでもない良い心地良いバランスで書き上げています。
一発屋芸人への愛に溢れた作品です。
山田ルイ53世さんにしかこの本は書けないですね。
あと、オチが異様にうまい。
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テレビへの露出が減ると「消えた」「死んだ」と言われる芸能人たち。
なかでもお笑い芸人たちの露出度の入れ替わりは激しい。
芸人さんたちのネタ見せ番組が減ったことも影響しているのだろうと
思うし、こうした番組自体がブームを作り、露出が増えることで視聴者
に飽きられるのも早いのかなと感じる。
一発屋。一時のムーブメントを作り、いつの間にかメディアで見掛ける
ことのなくなった芸人は、それこそ掃いて捨てるほどいるのだろう。
そんななかでも、一発屋を自認する芸人9組と著者である山田ルイ53
世の髭男爵を加えた一発屋たちの「ブレイク後」を追ったのが本書。
レイザーラモンHGの「ハード・ゲイ、フォーッ」も、ムーディ勝山の
「右から左へ受け流すの歌」も、ジョイマンの「ナナナナ~」のラップ
も、天津・木村のエロ詩吟も、とにかく明るい安村の「安心して下さい、
履いてますよ」も、結構好きなのよ。
私はAKB48が分からなくて、前田敦子だってキンタロー。の物真似で
知って、「へぇ、こういう子が人気なのか」と職場で言ったら同僚から
「それ、AKBのファンの前で絶対言ったらダメだからね」と釘を刺され
たのだ。でも、未だに前田敦子=キンタロー。なのだけどね。
ブレイクしたネタに行き付くまで試行錯誤を繰り返し、一気に時代の
波になっても忘れられるのも早い。しかし、彼ら・彼女らは決して
哀れな存在なんかじゃないと思う。
だって、メディアへの露出こそなくなったかもしれないが、一度はめちゃ
くちゃに輝いたのだから。そして、お笑いを諦めたのではないのだから。
著者の貴族スタイルでワイングラスで乾杯をする「ルネッサ~ンス」も
私は好きなのよ。おまけにとてもいい声をしている。この髭男爵の誕生
秘話もあり、興味深く読めたし、彼ら・彼女らを一概に「消えた芸人」
扱いするのは消費する側の身勝手さもあるんじゃないかと感じた。
先に読んたカラテカ・矢部太郎氏の漫画といい、本書の著者である
山田ルイ53世といい、芸人さんの中には才能を隠している人たちが
まだまだいるのではないかと思う。
評論家と呼ばれる人たちではなく、自身も芸人である著者が客観的な
視点に立ちながら、時には対象に突っ込みを入れながら書かれた文章
はテンポも良く、著者の文才に驚く。
取り上げられている芸人さんたちを知らなくても、十分に読める作品
ではないかと感じた。
一発屋って哀愁を帯びた名称かもしれないが、どっこい彼ら・彼女らは
今でもお笑いの世界で生きているのだ。