紙の本
日本から”メゾン”は生まれるか
2018/12/04 10:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
工場直結、中間業者を介さないファッションブランド。
職人・工場にとっての適正価格と、お客様にとっての適正価格をきちんと自分たちで定義設定して、そこでビジネスを展開する。この仕組みがとてもいい。
職人技術を基盤に生まれたヨーロッパメゾンと、マーケティングによって発達したアメリカブランドの違いもおもしろい。
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著者の山田さんの熱い想いがストレートに伝わってくる。
失敗をしないことが推奨される時代に「猛スピードで失敗しよう」と言い、実際に失敗している(笑) 姿勢は感動する。人が一番成長できるのは、失敗をどう受け止めて克服するのかにかかっているのだとあらためて思った。
ビジネスモデルも素晴らしいと思う。僕がいままで好きになって贔屓にしてきたブランド-マザーハウスや気仙沼ニッティング、和えるなど-と、表面的には違っていても根底には共通点があるのだと感じている。
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■読んだ経緯
突然、メールが届いた。
「私、本を出版しました。何も成し遂げていない若輩者ですが、是非ご一読ください。」と。
著者と出会った場所は九州。全国の高校生の夢を支援する行政主導のボランティアでのこと。同い年、かたやゲスト審査員・気鋭の経営者、一方の私はスタッフ・地方金融機関のサラリーマン。全く異なるポジション。それなのに感じる“身内感”。この、嫌でも感じる山田という男が醸し出す親近感と安心感のルーツを探るため、言われるままに本書を手にした。
■心に留まったキーワード
優柔不断だからこその決断(P.34)/ネットの情報だけが全てではない、知った気になっていては気が付かない(P.44,57)/業界ストーリーテラーの不存在(P.82)/「やってあげている」から「一緒に夢を追いかけている」へのマインドチェンジ(P.91)/働き手にお金ではない価値を仕事に誇りを(P.110)/8つのコーポレートアイデンティティー(P.144)/今が青春(P.173)
■率直な感想
・僕は本書を、“山田さんの精神論発表の場”とは捉えていない。むしろ真逆で本書は、“気鋭の経営者によるビジネスモデル構築のための戦略指南図書”として十分な効力を発揮している極めて秀逸なロジカル書籍だ。
・本書には、多くの戦略図書に見られるような“読み進めるたびに様々なアドバイスが、偉そうに上から降り注いでくる感覚”が一切ない。
・それは恐らく彼の根底にあるスタンス、“無知を自覚し、在り方を磨く(無知の知)”的なものが、読み手の心の中にすーっと言葉を運んで来るからに違いない。
・一見、価値観の殴り書きのように思える言葉の裏にも、実はしっかりとストーリーが詰まっており、その端々から経営者としての“ビジネスセンス”の高さを見せつけられた次第。
・特に、シンプルなキーワードでまとめられたファクトリエのアイデンティティーは、静かでありながら、強烈で革新的な示唆を含んでいる。そしてこれこそが、山田さんが醸し出す親近感と安心感のルーツなのだろう。
1.長く使える
2.知的欲求を満たす
3.シンプルで伝わりやすい
4.工場を幸せにする社会性
5.共感を生む交流
6.長く大切に使ってもらうためのサービス
7.サプライズ
8.真面目でフレンドリーな人間性
・本書を読み進める内に気が付かされたことがある。それは、“消費者へ与えるモノは、もはやわざわざ人が作る必要がなくなってきているかもしれない。”という確信めいた仮説。世の中で求められている“価値感”の具体的なパラダイムシフトの姿だ。
・そう、ファクトリエの利用者はもはや“消費者”ではない。彼らは“理解者”として、当社製品のストーリ・文化・価値を周囲にシェアしている。ストーリーテリングすらもはや、作りて側の行為だけではないのだ。
・“価値とは何か。”僕はこの疑問への解を『語れるものであるか否か、誰かの矜持に触れられるか否か』であると本書から学び読了した。
・仮に本書から得た学びが、「よっしゃ、勇気をもらった!俺も起業頑張る!」と言った“雰囲気とテンション”だけだった人は是非、もう一度本書の言葉に触れてみて欲しい。
■本書から得た気付き(読み手の自己解釈)
・過去の経験を学びに変えられる柔軟性、“無知ゆえの知”こそがベンチャー企業成長のエンジン。
・秀逸なコーポレートアイデンティティーが組織の集中力(エッセンシャル思考)を加速させる。
・精神的帰属場所としての企業と、全てのステークホルダーをストーリーテラーへと成長させる仕組みが自社バリューチェーンを強化する。
■どんな人におすすめ?
・起業を志す人
・経営者(特に小売り業)
・チームビルディングに悩むリーダー
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インターネットだけで注文・生産・販売を行うアパレル企業の社長の立志伝です。それにしても有名ブランドの衣料品を委託生産しているのが地方都市の工場であることは知りませんでした。アパレル業界には守秘義務の慣行があって、その工場がブランドの委託を受けている事実すら公表できない理由には驚きました。地方都市の疲弊は目を覆うばかりです。高度な技術を持った地域の工場に光を当てて収益化する試みには一筋の光を見る思いがしました。
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私はここ25年ほど体型が大きく変わっていないので、一度買ったジーンズなど長く着れる服は10年単位できています。
なので、テキトーに服を選ぶとそのテキトーな選択に10年付き合わなくてはならないわけで…
ひさびさに、服を買いに行きたくなる本でした。
直営店、覗いて見よう。
あと、以下のフレーズに痺れました。
『プロダクトアウトでもマーケットインでもなく、価値観を共有することから商品が売れるようになる流れを、僕たちはもっと増やしていこうと思いました。』
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生きるのは、目的ではなく手段だ、
与えられたこの命をどう使うのか?
できない理由をあげつらう暇があったら、
行動しよう、
そう、思わせてくれる本。
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日本の服飾関係の工場、服飾に関わる職人や技術者は、減少し続けており、日本の高い技術は、継承者がいないことで、失われていっている。
ファストファッションの隆盛により、海外の安い賃金で服を作り、次々に流行に応じた、瞬間的な服を使い捨てる文化となっている。
日本の服飾下請け工場は、海外との価格競争にさらされ、未来が見えない状況である。
筆者の山田さんは、日本の高い技術を生かし、工場の高い技術を持つ人たちが本当に作りたいもの、皆が本当に欲しいと思うものを作り、工場が山田さんの会社(ファクトリエ)を介し消費者に直接売ることで、上記の状況を打開しようとしている。
1人で起業し、40人の従業員を抱える会社に育て上げた成功者が、起業に至る経緯、会社の育て方を語る、とういことで、いわゆるビジネス本に近い種類に見える。
だが、
山田さんの文章からは、所謂ビジネス本が暗黙の了解としている、お金を稼ぎたい、「利益を出す=成功」というような感覚が全く感じられない。
逆に感じられるのは「自分の夢をかなえたい」というモチベーション、ポリシーから突き動かされるすさまじいパワーだ。
工場が名もなき黒子に徹していて、滅びてしまうことへの危機感。素晴らしいものをきちんと残していきたいという志。
そして、リスクを取っても行動すること、「自分の夢」を、皆にも感じ取ってもらい「共に夢をかなえる」という姿勢
これが素晴らしいのだと思う。
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まだファクトリエ製品が届いてないけど、気に入った後で読むとまた味わいが変わってきそう。
ネクタイは100均が一番売ってるとかアパレルヤバいなって思った。工場を選ぶ基準30はいつか公開されたら面白いなって思った。
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行動を起こすこと、熱意をこめること、主体的に考えることが大切だと思わせてくれる本。
日本のモノづくり再生のためのひとつの手段を教えてくれる。
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「ものではなく想いを届けるブランド」全てに響くであろう良書。そのまま踏襲して実践できる内容が多い。
◎満足はリピートを作るかも知れないが、口コミまでは生まれない。口コミが生まれるのは、満足を超えた熱狂が生まれるとき。
◎熱狂を生むための仕掛け:「仲間と楽しむイベント」と「サプライズ」
→ファンが交流できる「場」をつくる(セミナー形式のイベント、ワークショップ)
★アイテム数を増やし過ぎればいいというわけではない。「本当に自分が欲しいと思うものだけを販売できているだろうか?」「繰り返し買いたくなるものだけを売っているだろうか?」「誰のどんな問題を解決するものなのか?」を問いかける。
★自分たちにあった規模感と数量で、愛情を注げる商品だけを作って売っていく。
◎ヘビーユーザーへのインタビューで、ファクトリエに求められていることをキーワードにまとめる。cf. 大谷選手の行動の曼荼羅シート
◎私たち人間が唯一コントロールできるのは、結果ではなく行動。
◎シャツ100枚を売り切るために企業での無料セミナー開催→300社アポで12社実現→出口で販売→完売
◎余計なことはやらない
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「メイドインジャパンのブランド化」のために突っ走る姿。想いが信念になり、共感を呼び事業が生まれる。素晴らしい。志良し!ファクトリエを応援したくなる。時代が求める行動力の見本みたいな人。清々しい。好きだ。
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「熱狂」が口コミを生む、など、確かにと思うものづくりとそして販売への流れなど、面白かった。ショップも見てみたくなる。
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信念で突き進んでいる姿に強い刺激を受けた。ファクトリエの真面目なブランドイメージは山田さんそのものなんだな。強い想いがあってこそ人は共感していく。
アパレルの世界はなんでこんなに透明性が低いのだろうとずっと疑問だったけれど、ブランドイメージや技術の流出を防ぐため、工場は契約を結んでいるブランドから関わっていることを口止めされているなんて知らなかった。とはいえデザイナーが物凄く力を持っている業界。デザインを工場に託して共にものづくりをして商売の軌道に乗せるなんて並大抵のことじゃない。。猛スピードで失敗すること、64の曼陀羅など、実践できそうな例も沢山ありました。
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今や 検索で「ジャパンメイド」の服を探すのは簡単ではない
山田氏が 英語が得意で留学先にフランスを選ばなかったら。フランスでスリにあわなかったら。
グッチがバイト先として山田氏を採用しなかったら。などなど。
ひとの巡り合わせと彼の泥臭い行動力で今のファクトリエはあることがわかる
勉強ができて優秀なタイプがこういう本を書いても響かないが、山田氏は不器用で(本人が書いている)そうではないので共感がもてる
工場ツアーに参加してみたい
安い服というのはちゃんとした労働環境で作られていないということ
現場である工場を大切ににして仕事に見合った適性価格で取引することで最高のものづくりをしていてとても素晴らしいと思う
日本の縫製工場存続のためにも日本製のものを吟味して買いたい
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ファクトリエの創業物語‼️代表者の波瀾万丈な企業物語だけではなく、アパレル業界の抱える本質的問題も記されていて、教養書としても良著です‼️