紙の本
「存在と時間」怖くて近づけない人集合
2018/09/29 10:41
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Ottoさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「存在と時間」、言わずと知れたハイデガーの主著だが、難解なことでも有名である。きっと、読み始めても挫折し、本棚の一角で永遠に空間を占める状態の人が多いだろう。
本文わずか92頁で分かるのなら(分かったつもりになれるでもよい)、これほど安いことはない。社会学者の大沢真幸氏が解説を書いている(45頁もある)。そこで絶賛、哲学者ならこんな風に書けなかっただろうと。
著者の筒井康隆氏が読むのに1か月かかったと書いている。その時間をわずか92頁に圧縮した存在はまことにありがたい。
紙の本
深層に迫る
2018/05/07 09:04
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
永遠の名著「存在と時間」の大胆な解釈に驚かされました。文学だけではなく哲学への造詣の深さが伝わってきました。
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もちろん完全にはわからない。ただハイデガーがどんな事を言いたかったのか、つまずきそうなところを踏まえて順に述べられている。
どんな事を言いたい人なのかわかるような気がするのでこれから入れば『存在と時間』も少しは読みやすくなるかもしれない。
読みやすく愉しいテキストだった。
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3日で2周。わかりやすく読みやすい。
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・そういった死ぬという自分の存在を自分で引き受けて生きていく、その実存という存在の仕方ですね。それが現存在です。(実存は人間の可能性)
・自分が死ぬ前に早く先駆けること、これを先駆と言っています。死に先駆けるんです。死に先駆けるからといっても、これはべつに早く死のうとか、そこで死んでしまうということではないんです。先駆けて了解するんです。死というものを了解する。だから死ぬことそのものではありません。死から自由になるために、自分の死というものを了解するんです。
・そういうこと(死への了解)によって、世人から孤立することによって、逆に他の人との本当の関わり合い、本当の話し合いというものができるようになるというんですね、そういう結構なことになれるのかどうかわかりませんけども、そう彼は言っています。
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文学部唯野教授最終講義との触れ込みに懐かしさを感じ手に取る。哲学の話は結構好きであるにもかかわらず、タイトルは知ってるけどいざ手に取ってもなかなか読み進められない、というのが私にとっての哲学書。そんな人にはうってつけの本かもしれない。
で、中身だけどハイデガーの論旨を簡単に追えるという意味ではわかりやすかったけど、ハイデガー興味を持ち存在と時間に挑戦してみようとまではいかなかったかな。自分にはまだまだ解説書での勉強が必要なようです…
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2018.6.17 蔦屋書店嘉島店にて購入。動物の中で人間だけが自分が死ぬ事を知っている。だから、哲学や宗教が生まれるんだろうね。
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筒井康隆信者(ツツイストって名乗れるほどではない)としては、カセットテープ版を図書館で借りて聴いたことがある人間としては
待望の1冊
ただ、大澤先生の解説がまるでわからず、前半の筒井先生の語りも分かったつもりで分かってないのかもと不安に
原典を(翻訳でしか読めないけど)読むしかないのだな
楽しく読んだのだけど期待値が高いだけに★3
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学生の頃に唯野教授を読んでそれに釣られて買いましたが、唯野教授でも最終講義でもない筒井康隆の『存在と時間』解説の講演録。おそらく今まで読んだ中で一番やさしい解説書です。もともとカセットブックで出版されていた1990年の講演録に大澤真幸の解説を加えたもの。1990年というと当時、私はまだ大学生で、倫理学の期末テストにハイデガーの論述問題が出題され、気遣いについて書いた記憶がありましたが、こういう風に理解すればよかったんだなと感心しました。解説の大澤氏の文章はあまり触れたことなかったですが、自分の得意領域に誘導している感はあるものの、筒井氏の解説自体がオープンなテキストだという魅力を引き出す点で十分に成功していると思います。年齢を重ねて自分の死がリアルになってきた今日この頃、『存在と時間』にまたチャレンジしてみようかなと思わせるには余りある一冊でした。
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あいかわらず文章の調子が良くて読みやすい。内容は私には難しいのだけれど、繰り返し読みながら飽きることなく進められる。後半の解説もよかった。
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ハイデカーって名前がかっこいいくらいしかよくわかってなかったので筒井康隆さんの講演の書き起こしを読みました。福岡伸一さんの西田哲学を読むの流れで解釈してみた。エントロピーの話と死で生命の本質は?ということになって、その乗り物に乗っている思考とか実在とかってのはやっぱり死を意識するということでないとこの物理的存在から乖離しちゃってだめなんじゃないの?ってことにしておいた。あくまで私の読み方ですが。それで、解説のところで、キリスト教の弟子の話が大変おもしろかった。弟子寝ちゃだめ。ということですよ。と。で、気配りというのは、メタレベルでバーチャル世界を組み上げるというモデリングで、これは大変重要なのですと言っています。と理解しました。それで、最初は人間は自然ではなくて機能性ということからしか世界を理解しないってのは、本当かなー?と思いつつも、まあそういう考え方でもいいかも。と。少なくとも理性はそのような発生の仕方を西洋ではするのかもね。そうすると、ゲームにおける多数の死という考え方で現存在は存在を飛び越えた別の世界に飛び立っちゃうね。それがいいのか悪いのかはわからないが。そしてワーグナーとかハイデカーってのはナチスに行っちゃうのか。理性ってのは危険だね。善人は良いことをして悪人は悪いことをするけど、善人に悪いことをさせるには宗教がいるって昨日どこかで読んだけどそれに近いのかな。まあいいか。
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1990年の講演録+解説。なのでスカスカの本。だけどとても分かりやすくて良かった。『文学部唯野教授』とは関係がなかった。
死を受け入れて了解して生きていくのが本来的な生き方。
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唯野教授の最終講義として語るハイデガーの "存在と時間" ユーモアを交えたそれは空談になるのか。確実に死に向かう私たちはその空談の中にこそ世界を感じ取っているのだろう。難解な名著に触れる機会を気軽に頂こうではないか。
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ハイデガーは逃れられない「死」を見つめ、如何に受け入れるかを考え続けた。ブッダは逃れられない「苦」を見つめ、「死」もまたその一つととらえ、如何にすればその「苦」から救われるかを考えた…。
講義収録から20年近くたったこの時期になって、活字化しようとする出版社の小聡明さを感じる。さらに、その小聡明さを感じながらもこの本を購入する、自身の愚かさを恥じる…。
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こうした本の書評のお約束ではあるが、これを読んで誰もがハイデガーをわかるようになるわけがない。巻末の解説で大澤真幸が「タイトルにある通り「誰にもわかる」」と書きつつ、あとは自分の土俵でハイデガーについて好き放題に書いているが、そんな訳はないだろうと思う。ハイデガー用語をできるだけ易しい言葉で説明しようという試みはありがたいが、この手の本によくある、わかったつもりにさせるだけものであるようにも思える。特にフッサールの部分については、「純粋意識」とかそんな理解でよいのだろうかと思うし、彼とハイデガーの思想との関係もあまりわかりやすく述べられているとは言えない。
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この本で初めて「哲学」に少し触れたわけだけど。
やはり、人は全て「死」というものに対しての理由づけのためだけに生きているんだなと。改めて。
死神最強。死をコントロール最強。