悲劇の誕生
ギリシア悲劇の起源を問題にする体裁をとりながら、ニーチェの内部に渦巻いていたあらゆる主題が未分離のまま投げ込まれ、強い衝迫力をもってせまってくる。今日なお「問題の書」。
悲劇の誕生
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ニーチェの思想を知るなかなか難しい書です!
2020/07/12 16:13
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、19世紀のドイツの哲学者であり、古典文献学者でったフリードリヒ・ニーチェによって1872年に書かれた作品です。もともとは『音楽の精髄からの悲劇の誕生』として出版されましたが、後に改題されました。同書では、造形芸術をギリシャの神アポロン、音楽芸術をディオニュソスに象徴させ、悲劇(および劇文学)を両者の性質をあわせ持った最高の芸術(文学)形態であるとしたり、アポロンに理性を象徴させ、ディオニュソスに情動を象徴させたりしています。また、ディオニュソス的根底にルター、カント、バッハ、ベートーベン、ドイツ精神がつながると考え、三大悲劇詩人ソフォクレス、アイスキュロス、エウリピデスのうち、エウリピデスは悲劇を終わらせ、ソクラテス的な主知主義へと導いた存在であるとも述べられています。さらに、ニーチェはこの本の中でリヒャルト・ワーグナーの楽劇に悲劇の再生を見ていいます。なかなか難しい内容ですが、ニーチェの思想を知る決定版と言えるでしょう。