紙の本
前向きな東大OGのエピソードにあふれた1冊です
2019/10/16 09:30
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルだけで、最難関大学の東大に進学したOGの皆さんの「東大に進学すんじゃなかった」などとの不幸な現状を書いた本と思っていました。ですが、実際に読んでみて、決してそうではない、前向きなエピソードにあふれる1冊と分かりました。タイトルだけで判断したのは、いい意味で間違いでした。
東大の授業は面白い、などと東大の良い所を、東大OGの視点から書かれていたのが、特に良かったです。大学受験で東大を受けたいと思う、向学心にあふれる受験生の希望にもつながる1冊と思います。東大受験生の皆さんにも、ぜひ読んでほしい内容です。
そして、東大には東大の良さがあるのだな、と思えました。さすが皆さん、しっかり考えておられるのだな、と読んでいて感心しました。
紙の本
所々すごい人が出てきて面白かった
2022/07/30 07:08
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
東大生や東大出身の女性にインタビューして、東大という学歴が人生にどういう影響を与えているか聞き取った本。地頭が良くて努力もしていて素敵だなと思う女性も出てくれば、東大に入ったところが人生の頂点だったんだなという女性も出てきて、東大生も普通の人だということがわかります。どことなく著者の野次馬根性というか、外部から好奇心で東大生を覗いている感じが鼻についたのは残念でした。東大出身かそれに近い学歴の人が書けば、もう少し違ったニュアンスの本になりそう。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性のキャリアとしては、やはりいい大学を出て損なしというような内容でした。そりゃ、周りを見たら頭いい人は幸せそうだ。
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うーん、私としては、幸せになったのか、という問いの題名であったので、大丈夫、幸せになれた、という結果を求めたかったのだが、やはり、現実は厳しいという内容と共に、自分に対する学びは無かった結果に残念でした。P58 岩手県宮古のお年寄りたちから、「この町で育った子は、大学生を知らない。高校卒業するとすぐに働きにでていき、大学に進んだ者は、盛岡や県外、関東にでていくから、大学生はこの街にはいないんだ だから、大学生と遊んで、大学というところがあって、いつかそこに行きたいなぁ、と思ってくれる子供たちが育つこと、それが交流のいちばんいいところじゃないかなぁ」という、筆者も書いていた大学を知らない子供がいる現実。都市生活者にはわからない、文化的な資産が無いという格差は、とても大きいなぁ、と、私も思いました。そうそう、この本のどこかに、身近な人が東大を目指したから、自分も東大を目指した、という分がどっかにあって。確かに、身近感って、あるなぁ、って思いました。なんについても、ね。
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女性活躍社会を標榜しながら、女性の地位に関しては世界で百十位台を低迷する日本。東大を出ながら、人生に悩み、傷つき、挫折しながらも、立ち直り、自ら道を切り開いていった女性たちの群像を通して、日本社会の実態が見え隠れする。女性故の東大というブランドの功罪が描写されつつ、愚かな男性のどうしようもない所作が浮かび上がってくる。出産、育児、家事活動でハンディキャップを負いながら、社会に出て力強く活動を進めるたくましき姿には敬服する。東大卒という断面で取り上げているが、日本の社会構造問題そのものだと感じた。
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東大卒の電通社員が過労により自殺した事によって書かれた本。
東大卒という括りでも、もちろん東大女子は様々で、元から頭が良かった者、努力で合格を勝ち取った者、両親のサポートがあった者、そうでない者など人それぞれ。
しかし殆どに共通する事は、目的があって東大を受験したという事。日本最難関である東京大学に入学できれば何もかも手に入れられる気がするが、彼女たちにとっての東大はあくまでも通過点。その先に夢を抱いている点が印象的だった。
「勉強ができるということは、苦労に苦労を重ねて手にした自分のアイデンティティ。苦労して手にした物にほど執着する傾向がある。」
「ホワンとしていたら舐められる。自分に自信を持って、周りに流されることなくノーと言える強さが必要。これから海外に行く際も、文化や環境に順応する力は必要であるが、生き抜く為には自分の軸を持ち、それをぶらさない事が大切。その為の自分形成には勉強が役に立つ。」
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文化資産という表現など、根本的に言葉の意味や制度をきちんと理解して使い分けていない点が非常に多かった。
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東大を出たあの子は幸せになったのか~「頭のいい女子」のその後を追った。樋田敦子先生の著書。もちろん東大を出れば偉いとか高学歴なら偉いとかそういうわけではないけれど、高学歴女子、頭のいい女子がきちんと評価されてきちんと活躍出来てきちんと幸せになれるような社会を作らないとこの国の未来は暗いと感じます。高学歴女子、頭のいい女子に嫉妬をして足を引っ張るような人が多い社会が正しいわけがないから。
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うーん、まあ。うーん。
学歴があれば幸せ、とは言い切れない
学歴はやりたいことのために必要なパスポート
女子の差別が起こらない世の中になればいい
至極真っ当で、ありきたりな結論。
いや、とても大事なんだけど。本当に。
でも、読まなくても大事だとは分かってるつもりだったんだよなあ。
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テレビバラエティなどで現役女子東大生が、「東大生です、と言うと引かれる」といった「苦悩」を訴えることが時々ある。
その東大女子は、単にテレビのシナリオに乗っかっているだけかもしれんが、もうね、アホかと、馬鹿かと。
生まれつき知力が低い人、家庭環境に恵まれなかった人などからすれば、なんとくだらない悩みなのか。自分がどれだけ恵まれた体で生まれ、恵まれた環境で育てられてきたのか分からないのか。
東大女子の訴える「生きづらさ」なんてのは、ほんと、たくさん持っている者が、ちょっとだけ持っていないものを、大げさに羨んでいるだけである。たとえアスペルガーであってもだ。
自分が社会にインパクトを与えるだけの能力を持っていることを自覚して、社会をよりよい方向に動かすよう邁進することを期待する。
当初、この本はそうした「恵まれた悩みを垂れ流す、自覚の無い東大女子の戯言集」かと思っていた。しかし実際は、自らの能力を自覚して、行動して、社会を動かしている東大卒の女性たちの姿を紹介したものでした。前向きな内容で良かった。
ただ、この本の需要は、東大に入れるような学力のある娘を持つ親くらいなもの。
社会人になっても結局自分は恵まれないと思っている東大卒の女性にとっては妬みしか感じないだろう。
何より東大と縁の無い大多数のパンピーにとっては、どうでもいい話ばかり。他の本を読むのに時間を使った方がいいです。
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福嶋みずほさんが語る、女の子って何がしんどいかというと、アクセルとブレーキを一緒に踏むようなことがたびたびあることなんです、という言葉が心に残りました。努力して東大まで行って就職しても、女子の場合はその努力が幸せにつながるわけではない。
あと。登場する東大女子の多くが、私立の中高一貫校で、親も学歴の高い知的階級。本の中にあるデータによると、東大生の親の年収分布は950万円以上1550万円未満の層が増加していて、母親の36%が専業主婦、家庭の所在地は67.8%が関東、ということに驚愕。
東大は、教育にお金を注げる金銭的に恵まれた一部の特権階級のための大学なんだと痛感しました。こういうシステムとありようを変えない限り、持てるものは更に学歴で磨きをかけて上に上がり、下の層はずっと下のまま。この本の本意ではないのでしょうが、読んで一番考えさせられたことです。
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東大も東大王を卒業した、鈴木光ちゃんは幸せになれるだろうか?と考えながら読んでしまいました。
偏差値が高いのは、勉強という一芸に秀でているということ。その一芸の上に、器量が良くて、コミュニケーション力があって、努力家の光ちゃんなら、卒業しても幸せに決まっているはず。
なのに「光ちゃんは大丈夫かな、大丈夫だよね光ちゃんなら」と心配になるところが東大女子の難しいところです。
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東大を出たあの子は幸せになったのか
~「頭のいい女子」のその後を追った~
著者:樋田敦子
発行:2018年12月5日
大和書房
表紙デザインから、ユーモラスでエッセイ的な取材ものだと想像していたが、硬派なルポルタージュだった。著者は明治大卒の元新聞記者で、年齢不明だが日航機墜落(1985年)を報道したとあるから、少なくとも50代後半以上。
東大卒の女性たちを次々に取材したルポだが、初っ端が電通の高橋まつりさんの母親だったので、読む方としても緊張する。同じ業界で働き、電通とも仕事をしてきた身として、色々と憶測や噂を聞いているが、真相はよく知らなかった。この本によると・・・
もはや東大はお金持ちの子しか行けないとよく言われるが、彼女のおいたちに父親が出てこない。居なかったのかもしれない。決して裕福ではなく、特待生は授業料免除の中高一貫校に入り、6年間、特待生を通した。そして、年収制限400万円以下に授業料免除制度がある東大に入った。
彼女が電通の内定研修で考えた自分自身のキャッチフレーズは「0円東大生」。塾も学校もお金をかけずにきた彼女。しかし、入社するとハラスメントが待っていた。彼女が残したメモを読むのもつらくなるほどだ。母親は「死んじゃだめよ、会社なんて辞めてしまいなさい」と言ったそうだが、頑張り屋の彼女が選んだ道は、残念な道だった。
インタビューした多くの東大卒女性が語ったのは、「東大女子はモテない」「就職がない」だった。とくに後者は意外だったが、どうやらどちらも「引かれてしまう」ことが原因のようだ。合コンに行って東大というと即座に引かれて相手にされなくなるし、中には慶応の学生にナンパされ、大学名を聞かれて東大だと言った瞬間に去られた経験の人もいた。敬遠されるのは、就職の時もそうだし、就職してからも同じとのこと。「東大出ているからと言って・・・」とよく言われるらしい。さらに、ママ友にも東大だというといっぺんに引かれる。同棲相手から「東大だから何なんだ」と言われた人も。
東大卒女子は東大卒男子と結婚する確率が高いのはそのせい。モテたいなら、国立大学です、と答えるのがいいらしい。
よく知られた有名人としては、春野恵子(講談師)、樋口恵子(学者、「濡れ落ち葉」)、福嶋瑞穂(政治家、弁護士)などが出てくるが、彼女たちも、その他の人たちも、それぞれに東大卒だからこそした苦労があったようだ。ただし、自身では語っていないが、東大出たから得したこと、いい目をしたことだって、きっと多いはず。そのあたりの突っ込みは不足していた。まあ、それはこの本の主旨ではないといわれればそれまでだが。
*****(メモ)*******
和田秀樹によると、東大合格する子は2パターン
①先生の言うことを聞いて真面目に勉強し、たまたま学力がついた子
②色々な情報を集め、入試問題を自ら分析して勉強法を編み出した子
東大女子は、圧倒的にまじめ系の前者が多い。
同じ東大女子でも、後期日程で入った東大女子は差別される。裏口っぽいと自分でも思ってし���う。黙っていれば分からないが、同じ高校だと分かってしまう。
東大文学部卒でアート関連の仕事をしているある女性によると
①都内の進学校から来ている女子は、両親が東大、大学教授、医師、弁護士などが多い
②地方の天才。やはり大学教授の子や地方の名士も多い
③なんのバックグラウンドもなく、自分の力で勝負しているハングリー精神豊かな友人
同級生はその3グループに大別できるかもしれない。
恋愛は、東大同士で交際するケースが6割近くにも上るというデータもある。
樋口恵子は朝日新聞を受験したが、折悪く東大偏重主義が批判された時期で、成績順で言えば入社できたが、男子が全員東大だったため、他大学の女性が採用された。樋口が東大以外だったら入社できた。
入った時事通信社は、男女の差別なく定年が55歳だったが、他の企業は当時、女性の定年年齢は25歳や30歳などざらだった。
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多くの女性の人生、賢明さ、生きづらさが描かれており、色んなことを考えてしまった。
もはや東大女子という枠だけには収まらない気もするが、とりわけ後半にある樋口恵子さん(当時86歳)の話を読むと、上の世代と比べて男女平等の面では非常に恵まれた時代・環境にいることを実感した。
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東大女子としてひとくくりはもちろんできないが、各章を読んでいて、自分の生き方を肯定していて、それを言語化して相手に伝えることのできる聡明さを感じた。それは、東大女子ではなくても、一人の人間としてできたほうが良いと思う。
また本の中でも出てきたが、「ノーブレスオブリージュ」の考え方にも賛成。高い学歴を得られた人は、自分の力だけではなく、環境が恵まれていたことにも気づいて、社会に還元していくべきだと思う。東大女子に限らず。
後書に書いてあった「女性が分断されて対立している場合ではない」というのも同意!
最後に、子を育てる母としては、どのように環境を作っていくのか、という点も参考になった。頭の柔らかいうちから、世界は広いということ、好きなものを見つけたら伸ばしてあげられる投資はしたいし、そうでなければ最低限のパスポートとなる学歴は投資してあげたいと思った。