〈子ども〉のための哲学
著者 著:永井均
自分ひとり裸一貫で哲学することのすすめ。なぜ悪いことをしてはいけないのか。なぜぼくは存在するのか。この二つの大問題に答えはあるだろうか。脳に汗して考え、自分の答えを見つけ...
〈子ども〉のための哲学
08/01まで通常869円
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商品説明
自分ひとり裸一貫で哲学することのすすめ。なぜ悪いことをしてはいけないのか。なぜぼくは存在するのか。この二つの大問題に答えはあるだろうか。脳に汗して考え、自分の答えを見つけるプロセスを語る。(講談社現代新書)
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<哲学>に驚いてみませんか?
2001/07/14 16:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TGW - この投稿者のレビュー一覧を見る
テツガクというと、なんだか小難しい、高尚なガクモンのようにとらえられる。青白い顔をして眼鏡をかけた少し神経質そうな中年の男が、一人薄暗くカビ臭い研究室に閉じこもってすごく昔の人がいったよくわからないことに一人没頭している、そんなイメージがないだろうか。
一昔前『ソフィーの世界』なる哲学の入門書と称された小説が爆発的に売れたが、あれは先人が残したものを(しかもわかりやすいように歪めて)なぞってみせただけのものだ。正直なところ訳もそれほどよいとは言えず、何度も挑戦してはそのたび挫折する本だ。
その点、この本こそ本当の「哲学入門」にふさわしいといえる。この本は著者が自分が実際に考えたことをたどる「生きた哲学」にあふれている。哲学とは教室で先生から教わるものじゃない、疑問に思ったことにとことん真摯に付き合う態度のことだと教えてくれる。
書評にならない書評ですが…
2002/11/24 13:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:PATA - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「ぼくはなぜ存在するのか」「悪いことをしてはなぜいけないのか」という、筆者が幼少時代に抱いた2つの疑問に対してどのような考えを廻らしてきたのかについて書かれた書物です。では、その考えとは一体どのようなものであるかというと、それはここでは書くことができません。何故ならば、ある人の〈哲学〉を他人が要約することなどできないということこそが、筆者が強調して止まない点だからです。
では、評者として本書のどこを評価するのかというと、次の2点です。第1に、本書が徹底して自分(だけ)の問題を解くために哲学を行っていることです(これこそが、先ほどのカギ括弧付きの哲学の意味です)。筆者は「こう考えよう、こうしよう、と呼びかけるタイプの言説を、ぼくは決して哲学とはみなさない(202頁)」うえに、本書を哲学の入門書でありながら、「入門すべきその門は、この本の中にはなく、あなた自身の中にある(212頁)」と述べています。これこそが、筆者が本書で最も強調したい点であり、その強調が徹底されている点は多いに評価すべきでしょう。
第2に、これも筆者が読者に対して送りたいメッセージでありますが、「たとえ『哲学』と出会わなくても〈哲学〉をすることはできるし、それは有意義なことだが、逆に、〈哲学〉とつながらない『哲学』はまったく何の意味もない(70頁)」というメッセージに非常に共感を持ちました。大学で哲学の講義などを受講して感じることですが、「哲学概論」などを受講しても何一つ哲学なんて身につかないし、哲学史に詳しくなっても、それは歴史に関する知識以上の何も得ていないと思います。この思いが、全くそのまま筆者の考えとマッチしました。
「哲学」ではない〈哲学〉とは何なのかを知るだけでも、本書を読む価値はあると思います。
最高の入門書
2000/08/19 00:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAC - この投稿者のレビュー一覧を見る
永井氏が子供のころに抱いていた二つの疑問について書かれています。二つの疑問というのは「なぜぼくは存在するのか」と「なぜ悪いことをしてはいけないのか」というものです。難しい専門用語などは一切使われていないが、とことんまで論理的に考える哲学の面白さは全く失われていないように思う。哲学の入門書としては最適の一冊ではないだろうか。
哲学は祈ることに似ている
2002/04/05 22:56
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る
@『転校生とブラック・ジャック』に、「『〈子ども〉のための哲学』は、それ以前に出した本や論文より一段高い水準に達している」と書いてあった。
@永井均語録(ただし、ここで言われる独我論とは「存在論的独我論」であって、「認識論的独我論」のことではない)。
《〈今〉という問題は、〈ぼく〉という問題と、論理的な構造が同じだ。だから、独我論と独今論は同じ構造をしている。》(123頁)
《…ひょっとすると独我論とは本来きわめて実在論的な考え方(実在論を前提にしないと成り立たない考え方)なのではあるまいか。ぼくとしてはもっと極端に、その逆のところまで、つまり、実在論は本来独我論的なのだ、というところまで、突き進んでみたいなと思っている…。》(125頁)
《誤解を恐れずにいえば、哲学をすることは、ある点でやはり、祈ることに似ているだろう(祈るとは、その行為の内に神の存在を信じることだろう)…。》(216頁)
◎本書と子供の頃に出会いたかった。もし生まれ変われるものなら、そのためにこそ生まれ変わりたい。