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壺坂幻想
著者 水上 勉
盲目で死んだ祖母への鎮魂に、作家は壺坂寺に詣でた。山道を辿ると、みかん水を売って祖母を大切にした叔父の悲運、生きている母の姿など、親族の誰彼もの不幸が思い浮かんでくるので...
壺坂幻想
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壺坂幻想 (講談社文芸文庫)
商品説明
盲目で死んだ祖母への鎮魂に、作家は壺坂寺に詣でた。山道を辿ると、みかん水を売って祖母を大切にした叔父の悲運、生きている母の姿など、親族の誰彼もの不幸が思い浮かんでくるのであった……。『雁の寺』『越前竹人形』『飢餓海峡』の著者が、作家生活20年にして初めて、書かずにはいられないテーマに突き当たった。水上文学晩年の陰翳に満ちた豊かな文学世界の到来を約束する、家族を巡る追想の連作短篇集。生きるとは、私とは、何か?
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紙の本
じんわりと心にしみ入る一冊
2015/12/20 18:11
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の祖母、叔父にまつわる思い出集。小説を読んでからこの随筆を読んだ方が、より作者の心情に近づけるような気がする。背景になることがおおい、寂しくて、侘しくて、貧しくて切ない情景。いつもそこに魅かれる。そして淡々として感情が入らない文体。故にじんわりと心にしみ入り、そのままじわじわと広がって忘れられなくなる、そんな1冊。