紙の本
すごい企画…
2023/11/22 19:13
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドストエフスキーの名作「罪と罰」を読んでない人が集まって、たぶんこんな話だろうと話し合い、その後本編を読む。それを企画して実行し、本まで出版するのがすごい。
途中何度か三浦さんが「借金なんか踏み倒せ」等おっしゃってらしたのが特に印象的でした。ギャンブル狂の文豪は実際借金のためヨーロッパに逃げたり、奥さんの服を売り払ったりしてましたから。
人間は記憶をねつ造する、ということもよく分かり、面白かったです。
電子書籍
おもしろくてためになる
2022/06/01 01:16
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投稿者:とと - この投稿者のレビュー一覧を見る
罪と罰を読んだことない4人が、内容ついてしっていることを断片的に組み合わせて事件を推理していく。推理や言葉遣いがいちいち笑える。今の小説は整いすぎてるな、というコメントに納得。読んだ人にこそ読んでほしい。
紙の本
まさか岸本さんが
2020/03/21 11:24
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
海外文学を次々と日本に紹介している、岸本佐知子がドストエフスキーの代表作を読んでいないとはビックリです。想像力の赴くままの、座談会もユーモラスでした。
紙の本
未読も既読も楽しめます。
2019/08/14 09:38
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『罪と罰』は若い頃に読んだ。しかし、細部は忘れているし、長いロシア人の名前はややこしい。
『罪と罰』は未読と公言するのはちとはばかられる人たち四人が集まって、この作品のあやふやの知識で作品を語る、無謀な試み。
対談を読みつつ、違うそこ、解釈が面白すぎると心の中で突っ込みつつ、ところどころで、逸脱修正をする本編朗読を読んで、「覚えてない」とうろたえる。
なかなか楽しい追体験が味わえる。
紙の本
笑える!
2019/09/30 18:11
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投稿者:ぷりしら - この投稿者のレビュー一覧を見る
「罪と罰」を読んでいない人が集まってその内容を推理していく…という
「こんな企画成立するの?!」ということが、ちゃんと読み物のレベルになっているのが凄い。
しかも、笑える。
ドストエフスキーの小説って楽しいかも、と危うく誤解しそうになる
(この人達の「読み」が面白いのであって、実際のドストの小説はやっぱり難しそう)。
「罪と罰」を読んだ人にも読んでいない人にも、自信を持ってお勧め。
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まずは目次を。
(まえがき的な)
読まずに読む 吉田篤弘
(前段階、が本論)
読まない! 未読座談会・其の一
読むのかな… 未読座談会・其の二
読んだりして… 未読座談会・其の三
(インターバル)
『罪と罰』登場人物紹介 三浦しをん
記憶の謎と謎の影絵 吉田浩美
『罪と罰』あらすじ 三浦しをん
(読後)
読んだ! 読後座談会
(あとがき的な)
読むのはじまり 三浦しをん
読まないを読む、何度でも 岸本佐知子
解説マンガ 矢部太郎
完全に企画とタイトルの勝利。
集められてきた読み巧者が、表面上はぐだぐだ駄話をするように、未読読書会をする。
「ラズミーヒンって名前、馬っぽいよねー」とか「ロシアって島耕作ではこんな場所だったよ」「課長?」「いや社長」とか、もはや「うざ微笑ましい」レベルの。
ただし「日本では江戸時代だから」とか読み巧者としての面目を保つ想像力の広げ方もする。
ただし、ルールがなし崩しになっていく様子が、ゆるくていいという意見もあろうが個人的にはイライラを募らせた。
冒頭と結末を訳すときに実はちょっと前後を読んじゃったんだよねー、とか、「影絵的にはねー」とか言っちゃうリアルウザ女や、「このへんで登場人物一覧表を渡してあげましょう」という立会人とか。グダグダすぎやんけ。
と、こう書いたが、全体としてはもちろん面白い。
実はそれぞれの強みが活かされているのも企画の勝利。
岸本さんの英語からの翻訳、篤弘さんらしい(クラフト・エヴィング商會っぽい)昔の資料探索、そして三浦さんの妄想力!
ラジオでよく声を聴いているが、あの語りでサービス精神満点で膨らませてくれるので、ありがたい。
んで、実はやっぱり、読後感想会のほうがやはり面白い。
あえてロシア文学者を入れない人選が、ここで効いている。
当時のロシアの刑法ってどうだったんだろう、というのは誰しも気になるところだが、専門的な解説は不要なのだ。
ラズミーヒンを松岡修造でキャスティングしたり、ラスコを「いきなり帰るマン」「一人にしといてくれマン」「ちょっと抜け作マン」と呼ぶあたり、読書の楽しみそのもの!
まえがきとあとがきで触れられた「読んでいない状態から読んでいる」という考えは、奥泉光先生が「タイトルを読んだだけで読書だ」という意見と同じだ。
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面白かったー!!
みんなが話してる内容を読んでる間にわたしも罪と罰を読みたくなって、読んだあとの話に読めばよかったー!てなりつつ、あとがきに、読書の楽しみを再確認。読書は楽しい、そしてみんなで読むと話すとそれも楽しい。
読み方感じ方にも、読書を楽しむ方法を教えてもらった。
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『罪と罰』を読まないで「『罪と罰』を読まない」を読む!むしろ読まないで読んだ私のほうが読んで読まないを読んだ人よりも読めたのでは(嘘です)。文庫のあとがきと矢部太郎の漫画もお得で、「罪と罰を読まない」を読まないで文庫で読んだ私ってラッキー、みたいな…♪ まずは分かってたけど三浦しをんの三浦しをんらしさ笑、岸本さんと三浦さんの女子校のノリや、吉田夫妻が読んでない手塚治虫版で家で喧嘩になるのとか、この4人の組み合わせが良いのだと思う。絶対に拒否されると思うけど、ぜひ「カラマーゾフ」もやってほしい、、、
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職業柄、罪と罰を読んでないって大きな声で言いにくいけど、読んでない4人が、読まないであーでもないこーでもない、一部読んでさらにあーでもないこーでもないと。
そして、読んでからまた集まって。
罪と罰を読みたくなるような、というよりも、この仲間でお喋りしてるのを横で聞いてるのが面白いって感じ。
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名作「罪と罰」を読んでない4人で、「罪と罰」の読書会を開催、どんな内容なのか予想し合い、読んだ後に再度本当の読書会を開く、という内容。
おっもしろーい!すぐ読み終えた。
「罪と罰」(というかドストエフスキー)って読書好きとして読んでないとどうなのと思い、挑戦するも挫折のパターンがまあまあある本だと思う。自分もその一人。新潮文庫版上巻は買いました。挫折しました。でも心のどこかで「ここまで名作なのだから、何か得るものがあるはずで、それを見逃してるんではないのか」とずうっと気になってる。そんな本について、未読読書会を開いてくださるとは!未読読書会という発想がなかったけど、これが面白い。予想するって楽しいよね。自分も未読なので一緒に予想してました。未読読書会の後は皆さん実際読んで読書会してたけど、この本は登場人物表、あらすじと載せてあるので、一気に読みたかった私は本家「罪と罰」を読まず、4人の読後読書会も読んでしまいました。ああ、確かに「罪と罰」面白そうだなと思った。私の本の好みがこの本とは全く別なので、今すぐには読まないけど、いつかは読めるかもしれないと思わせてくれた本だった。
私みたいに読んでない人はもちろん、読んだ人も4人の予想にツッコミ入れながら楽しく読めるんじゃないかと思う。
最後にメモ。「島耕作」、すごすぎるよ!役に立ちすぎ!
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文豪・ドストエフスキーの代表作のひとつ、『罪と罰』。それを読んでいない4人が、未読のまま内容を推理し、その後、実際に読んでから再び語り合う。
趣向としても面白いのだが、最初の座談会では誰も読んでいない筈なのに、けっこう鋭いところを突くこともある。案外、ミステリやサスペンスの作劇手法は、当時も今も変わっていないのかもしれない。
読後座談会でも多くのページが割かれているが、ドストエフスキーは普通にエンターテインメントとして面白いのだ。この先、『罪と罰』だけでなく、『カラマーゾフの兄弟』『白痴』『悪霊』辺りも、同じ座談会をやって欲しい(しかしこの場合、同じドストエフスキーではなく、〝アンナ・カレーニナ〟や〝戦争と平和〟辺りにした方がいいのだろうか?)。
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作家など4名が「罪と罰」を読んでいない状態で集まって、いくつかの断片情報から中身を推測する。そして、中断の後、読んで再度集まって感想を語り合うという何ともユニークな内容。実に楽しい。これは私自身が既に読み、何度も読み返しているが故の面白さかも知れないが…。4名が一致して副主人公スヴィドリガイロフに魅力を感じている!という点は流石に彼らがプロの文章書きであることを物語っているように感じる。ドスト、ラスコと言ってみたり、4名の好き放題の話し合いが成立し本になってしまうことに、変な感心!ただ、ソーニャへの理解が今一つだと感じたが、これは彼らのキリスト教への理解が不足しているためなのだろう!
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『罪と罰』ね?誰もが聞いたことがある作品名だ。
そういえば「〇と△」と言う題名の本って結構あるなと思った。
海外の作品だと「罪と罰」のほかに、トルストイの「戦争と平和」、スタンダールの「赤と黒」、ヘミングウェイの「老人と海」などが有名だ。
有名だけれども、読んだ人はあまりいないのではないかとも思う。
私もこれらは読んでいないし、今でも読みたいと思わない。
何故かと言うと、登場人物のカタカナの名前が覚えられず誰が誰だかわからなくなってしまうのだ。
まあ、それは置いといて、この本を読みたいと思ったのは、4人の著者に尽きる。
特に岸本佐知子さんと三浦しをんさんが会話するとどんな展開になるのかが楽しみで「罪と罰」なんて正直どうでもいい。
ですが、岸本さんは最初と最後の部分を英語訳版を読んで翻訳しているし、吉田浩美さんは子供向けに作られた15分ほどの影絵作品を見ておおよそのあらすじを知っている。
きちんと読んではいなくても、この4人なら何となくどんな物語かを何処かで耳にしている。
座談会は、三浦しをんさんが暴走しがちで、吉田篤弘さんがその暴走の軌道修正する感じになっている。
岸本さんはと言えば、三浦さんの妄想の火に油を注ぐ感じで進行係的な役回りになっている。
それにしても登場人物のほとんどがデブだと決めつけたり、「きっと、こうに違いない」と次から次へとよく想像できるものだ。
そして実際に「罪と罰」を読んだ後、三浦さんと岸本さんが2人そろって「出てくる人、みんな頭がおかしい」と言って共感しあっている。
だから「超面白い!」となる所がこの2人の人柄を表しているようで微笑ましい。
「罪と罰」を読んだ後の4人の「あーだこーだ」の座談会(というか雑談)のパートの方が面白かった。
「『罪と罰』を読まない」を読んで、「罪と罰」を読んだ気分になりました。
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面白かったぁ~。数え切れないくらい吹き出してしまった。岸本佐知子さんが楽しそうにトークしている姿が目に浮かぶ。というか他のお三方を存じ上げておらずイメージできなかっただけなんだけど(笑 三浦しをん。未読座談会では言いたい放題で、ガンガン仕切る。自由過ぎ(笑
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衝撃でした。本は「読んで楽しむ」ものだと思っていましたが、「読まずに楽しむ」こともできるなんて……!
ドストエフスキーの世界的な名作、『罪と罰』を読まない人生を歩んできた作家4人が集結。
本書前半では、『罪と罰』にまつわる4人の断片的な知識と、ランダムに選んだ数ページ分の本文だけで、物語の展開を好き勝手に推理します。
そして後半に差し掛かるところで、ついに4人は生まれて初めて『罪と罰』を読む!!本書後半では実際に読んだ感想と、前半で語った見当はずれな推測や各自のびっくりポイントをおもしろおかしく語り合って笑い転げている、なんとも内輪間満載な一冊です。
そんなものが本になるんだ……文春さん思い切ったね、と今でも少し思いますが、議論にのめりこむ4人を外から眺めているうちに、自然とドスト(エフスキー)やラスコ(ーリニコフ)への愛着がわいてしまうので不思議なものです。
また、4人とも「書く」仕事をしているだけあって、前半の推察がぶっ飛んでます。「しをんさんだったらここで2人殺る?」「この小説のタイトル、もしかしたら最初は『老婆殺人事件』だったのかも」などなど……気づけば私も4人と一緒に笑い転げていました。
そして何を隠そう、私自身も『罪と罰』を読んでいないのです……!
私は『罪と罰』を読まずに本書を読みました。後半はネタバレのオンパレードでしたが、それまで4人のあれやこれやの推察を読んでいたので、そのまま最後まで楽しんで読めました。せっかくなので、本編にも挑戦してみようかと。
『罪と罰』を読んでない方は読みたくなる、読んだ方ももう一度読みたくなること間違いなし。そんな見方もあるのか!という驚きと発見を与えてくれる、良書です。