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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
縁があるという言葉をしばしば使うことがあります。人は思わぬところでつながっているというか、縁がある気がします。このお話も関係なさそうで、ちゃんとつながっている関係を表現しています。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中いろんな人がいるから気を付けてっていう話?
違うか。
断ちたくても絶てない縁もあるし、結びたくても結べない縁もあるしね。
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荒川沿いのある町に住む人たちの、皆違って、皆いい話。
・霧 KIRI
・塵 CHIRI
・針 HARI
・縁 YUKARI
・終 OWARI
サッカークラブのコーチの恋や、自分の非を認められないパパ活女、パパ活される中年、シングルマザーで家政婦の気の迷い、など。
全ての人が間接的につながりながら、日常のうまくいかない部分でひっかかったり、乗り越えたり。
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縁。直接縁がなくても、実は自分も誰か影響を受けてるかもしれないし、与えてるのかもしれない。
よいことばかりではなく。
「塵」の令太と真波のくだりは、すごく令太に共感できたけど、真波は反省することはなく、田村さんも諭すことはなく、人はそれぞれ道徳感やら正義感やら違うんだな、と思った。
最後は縁が回り回って、皆が我にかえって、小説とはいえ読後安心できてよかった。
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ひねくれ者のわたしが珍しくクセになってしまっている"ちょっといい話"を書いてくれる作者さんの最新作。
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縁と書いて"ゆかり"と読ませます。
「霧(キリ)」「塵(キリ)」「針(キリ)」「縁(ヘリ)」の4つの短編と「終(オワリ)」という短い(3頁)全体を締めくくる文章で構成されてます。
おやおや、短編の題は皆"り"で終わり、本のタイトル"ゆかり"の縁は短編タイトルでは"ヘリ"と読ませています。
前の短編の端役が次の短編の主役で登場する形で描かれる連作短編集です。
やさしいですね。
小野寺さんの描く主人公たちは、辛い状況にあっても酷く嘆いたり、怒ったり、恨んだりせず、どこか淡々と受け止め、日常生活にキチンと戻って行きます。途中で少し騙し誑かすような動きをする人物が現れ「小野寺さんらしくないなあ」とちょっと驚くのですが、結局はきわどい所で踏みとどまってしまう。人と人との繋がりが、本来の自分を取り戻させてくれる。
その当たりの扱い方が上手いなあ。
登場人物の中で唯一違和感を感じさせる自己中心的な春日真波。「終」では少し殊勝な感じになるのですが、収まりが着ききれて感じが残りました。
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荒川沿いに住んでいるので、河川敷のあのサッカー場だなと場面が浮かび、現実にあった話であるかのごとく読み進めてしまった。
皆誰だって自分勝手で自己中心的だ。
自分の都合のいいように世の中が回ってほしいと思っている。
だから自分の価値観に合わない行動にいらつき、自分はさておき他人の自己中な態度に嫌悪感を覚える。
自己完結できることなら都合のいい言い訳を考え自分を正当化すればいいが、社会生活をしている限り親や子を含め他人がからむ厄介ごとに出くわす。
そしてどうすべきか、少しだけ感情的になったときに小さな選択の間違いが生じる。
その場の勢いで間違った方向に進んでしまうこともあれば、冷静になれる時間や誰かの一言によって踏み止まることもある。
この物語では、間違った方向に一歩足を踏み出してしまうが、深みにはまる前に踏み止まることが連鎖的に起こり終了するので読後感は良かった。
本書のおもしろい所は、ある場面の会話が次の話では主役と脇役の立場が変わって繰り返されること。
それぞれが主役の立場で綴られているので、併せると会話中の互いの気持ちや思惑の絡み合いが浮き彫りになる。
この会話部分を楽しむために読む(読み直す)のもいいかも。
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少年サッカーチームのコーチが少年の母親から言われる→28歳女性が彼氏から、感じが悪いと指摘される→息子が女子高生とホテルに行ったと彼女の親から激昂される→というような話が連作短編で繋がってゆく。
巧い。とっても巧い。面白い。とっても面白い。良い。とっても良い。
最初は独立した短編集かな?それならまあまあぐらいなのかなと思って読んでいたら、すべての話が繋がってる。それも絶妙な繋がり方で。
なんつーか、とにかくいいのだよ。
「みんな、する話は同じなんだよね。本音は隠すとかそういうことではなく、他人の価値観で話しちゃうんだ。誰かが決めた価値観でね。まあ、これは僕も含めて、ほとんどの人間がそうだけど」
「五十二歳。お肌の曲がり角を何度も曲がり、もはやどの方角へ向かっているのかもわからない年齢」
中に織り込まれている、「人間てそんなに悪くないよね?」という哲学がいい。人物描写がいい。そして台詞がいい。オススメ。
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連作短編集。
「霧」…近所の少年サッカークラブでコーチをすることになった室屋。ある時、指導方針がもとで親御さんとの仲を疑われる。
「塵」…自分の意にそぐわない行動をした彼氏と別れることになった真波。かつてパパ活をしていた時に親しくなったパパに再び電話を入れる。
「針」…真波のパパ活相手田村のお話。息子が高校生と付き合っており、その親から呼び出され和解のためにお金を渡す。
「縁」…田村の同窓生、シングルマザーの友恵。息子の就職の口利き、田村に頼みお金で解決しようと思うが、そのお金に困っていた。
と最終章の「終」。
各章で登場人物が繋がっている。そして進むにつれその人の別の一面が見れたり。嫌な面が出ていたりするが、ありそうな人間味が出てて。癖のある人だって良い面もあるしその人に合うつながりがあり世の中は成り立っているんだな。救われたり救ったりだ。全体的に尖らずに一定のペース穏やかさで描かれているのが読みやすくよかったかな。小野寺さんの小説を全部読んでいるわけではないけれど、同じ空気感を感じる、温かみがあるもの、今回もあり。
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連作短編集。
小野寺さんの作品は、頭の中で映像化しやすい。
登場人物の容姿を思い浮かべ読み進める。
ある章ではクセのある人が
別の章では、違う一面を見せてくれる。
イヤな人だと思っても
(そういうことだったのか)とほっとする。
本作も優しい気持ちになれた。
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身近な人たちの身近な営み
人の何気ない繋がり
ありきたりな構成
淡々と話が続く
人は自分のことしか
考えない生き物
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前回読んだ「ひと」からの小野寺史宜作品
登場人物が次の話の主人公へと続いていく短編連作
霧:サッカーコーチをする 独身 38歳 室谷
保護者のシングルママと噂になり 腑に落ちないままチームをやめて・・・
塵:室谷のリペアショップで悪態をついた 真波
リュクの乗客、デートに予約を取らない恋人、さっさと玉の輿に乗った友人
すべてに不満を持って デートパパの田村に愚痴る・・・
こうやって どんどん人が繋がっていく。
自分が知っているソノ人は ほんの一部分
ただ 何かしら後ろめたいことでのエピソード展開なので、心がざわざわと落ち着かない。でも 気になる。情景が分かり易く一気に読める。
最終章 終 で回収されていくのだが すっきりしない。
とくに「塵」の春日真波は・・・付き合いたくないなぁ。
そして
突然 再び出てくる 間宮 ムカつく。
ぜひ 楽しみにして読み進めてください。笑
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『まさにタイトル通り縁』
章を重ねるごとに新たな登場人物が出てくるのだが、前の章で出てきた登場人物が新しく出てきた登場人物と繋がっていき、読み進めていくうちに、「あの人とこの人が繋がってるんだ!」と分かり、頭の中でパズルのように少しずつピースが繋がっていき、登場人物と一緒に1つの世界が創り上げられていく感覚が新鮮。
同じシーンを登場人物それぞれの視点で描いているところも斬新でおもしろい。
まさに人と人とのつながりを描いた作品なんだけど、1つの世界で登場人物が繋がり合うんじゃなくて、それぞれの登場人物の人生が描かれた上で、生きているライフステージや境遇が異なる登場人物それぞれの人生の一部分が重なり合ったり交差し合ったりして、1つの世界が創られているところが新鮮味があった。
改めて誰かは誰かを生かし、誰かに生かされているんだな、身近にいる人だけじゃなくて知らない土地の知らない人にも支えられて今の自分がいるんだなということを思い出させてくれるそんな作品。
価値のない人間なんていない!そんなメッセージも感じる。
離婚だったり、不倫だったり、別れだったり、コネだったり登場人物はそれぞれ何かと暗い部分を持ち合わせているが、悩みや悲しみ、妬み、人生の不運を一緒に共有することで「自分だけじゃないんだ」と思ってフッと心が軽くなるし、人の温もりを感じられ心温まる作品。
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4編の短編の物語がそれぞれ繋がってストーリーが展開していく。人は誰しも人生の不条理、嫉妬、誹謗中傷等々で落ち込んだりすることを経験する。
そんな時に正直に生きることのホッとした気持ちになれる。どんな状況で読者が読むかによって受ける印象は気となるかもしれない。
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いい人ばかりじゃない、普通の、どこかにいつもある、そんな登場人物ばかり、だからこそ、つい読み進めてしまう。頑張ってたら報われることはないかもしれないが、頑張る方がいい、そんなふうに思う短編連作。