MMTについて丁寧に抑制的な表現で学べる
2021/08/14 15:24
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投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
積極財政で話題となったMMTについて、いつかは一通り理解しようと思っていたところ、時間が空いたすきに電子書籍で購入して通読。
貨幣とは、貨幣乗数、国債・租税の目的、といった根本的なところからMMTと主流派経済学(主にマネタリスト)との違いと、MMTの合理性を解説する。
・信用貨幣論(貨幣とは支払い手段として用いられる債務証書)
・内生的貨幣供給論(マネーストックは借入その他の経済活動内部における資金需要に基づいて変動する)
・機能的財政論(国債発行は政府の資金調達手段ではなく金利調節手段)
で、「変動相場制」「不換通貨」という条件のもとであれば、政府の支払い能力には制限がない、という結論を導いている。
私自身は小さな政府論者というか均衡財政論者で、結論には違和感満載なのだが、論理構成や現実への適合性の面でも大きな齟齬は感じなかった。
現状のMMTは、とんでも理論の扱いを出ていないように思うが、もう少し専門家同士での精緻な議論がなされてもよいのでは、と感じた。
記載ぶりは淡々として押しつけがましさがなく交換が持てた。また読み返したいと思った。
MMTとはこのような
2020/04/28 18:03
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投稿者:いのぜい - この投稿者のレビュー一覧を見る
Mmtとは何か、ということでこの本を読んでみたが、いまいち理解が出来ない。しかしこのような理想郷のような状態が可能であれば、それもまたありかな、
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投稿者:ace - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤井聡「MMTによる令和「新」経済論 現代貨幣理論の真実」の方がややわかりやすくまとめられている印象。
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本屋の新書コーナーで平積みされていて、サラリーマンに必要な知識なのかと思って買っちゃったけど、財政学を分かっている人向けの「本格入門書」であって、素人が手を出す本じゃないな。何度寝落ちしたことか。
とりあえず、今マクロ経済学を勉強するとMMTって言葉も出てくるんだなということを知ったということと、「租税が貨幣を動かす」という言葉を知ったということが収穫かな。
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MMTについての基本的な考え方と、MMTに対する批判、そして反論、日本が置かれている状況がまとめられている。
新書ながらに歯ごたえのある内容だが、読み進めていて疑問に思ったところがだいたい数ページ以内に解決されるなど、読みやすい構成だった。
経済理論をまったく知らない人間からすると、MMTは実情を捉えているように感じられる。しかし筆者のMMTに対する熱量が噴出する箇所が何箇所かあり、果たして公平な目線で描かれているのか疑問におもってしまうことが多々あった。
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MMTの概要は分かった。ただ、本書はMMT支持側から書かれたものであり、私自身経済理論に精通していないため、そういうものなのかと読み進めていくに留まった。
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MMT(現代貨幣理論)という比較的新しい経済理論を解説した一冊。主権通貨を有する政府の財政赤字は全く問題ない、という主張。マジで!?と思う一方、確かに経済学ズブの素人の自分も「政府の借金が膨れ上がり続けてるのになぜ日本は財政破綻しないのか?」とは思っていた。MMTが「正しい」のかは正直わからない。貨幣・預金・租税の定義など抽象的な話も多く自分にはまだまだ難解で十分に理解できたわけではないけれど、経済のような堅そうな分野でも「赤字は良くない」という常識が必ずしも鉄壁ではないと知れたのは発見だった。MMTがベーシック・インカムには否定的な立場というのも興味深い。
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ランダルレイ氏の『MMT現代貨幣論入門』の監訳者の著書だけあって、MMTがとてもわかりやすく語られています。
MMTを知りたい初学者がはじめに読む本として最適に思われます。
MMTで述べられている、政府の赤字が民間の黒字になるというのは、普通に考えれば当たり前のことです。だって、国債は個人でも買えるし買った人にとっては紛れもない財産ですもんね。
国の借金をなぜか「国民ひとりあたり○百万円の借金」などと書いていた新聞記事を読むたびに「あほちゃうか」と思っていたわたしにとっては、本書はある意味痛快な内容でした。
MMTは財政政策について踏み込んだ考えを持っており、人々が幸福になる方法を考えている理論であることがわかりました。経済学の真の姿であるオイコノミクスを感じました。良書。
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コロナ対策で、73兆円の経済対策が実施されることになった。当然、財源は必要になる。そこで「ちょっと前から賛否両論あるMMT(現代貨幣理論)って、国債発行を増やしても無問題みたいな話じゃなかったっけ?」と手に取ったのが、積読していた本書。
MMTが話題になった当初、「あんなのウソだ」とか「マヤカシだ」とかいうインテリが多かったので、「少々インチキ臭いかな」と思いながら読み始めた。が、内容はいたってまとも。図解を交えながら、論を展開している。
もっとも、マクロ経済学って直感と結論が違ったり、非現実な仮定だったりで、本を読んでも、いつもすぐには腹落ちしない。今回もしかりで、MMTの正否については、私のアタマじゃとうてい判断できないのだが、雇用政策とか目指すところは悪くない印象だった。
「租税が貨幣を動かす」「信用貨幣」「機能的財政」といった概念も面白い(結構、昔からあるようだけど)。
マクロ経済学はもちろん、貨幣(通貨)の歴史や租税の原理についても深く知る必要性を感じた一冊。知的な刺激の多い本だ。
MMTでは、補正予算で時限的な景気対策を行う「裁量的財政政策」については、「積極的には評価しない」というスタンスのようだが、さらなる国債の発行を通じて、またもや日本は意図せざるMMTの“実験場”になりそうな……。
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MMTって、正直細かな内容までちゃんとは理解していませんでしたので、一度ある程度それなりに全体像をざっとでも把握しておこうと。
よりきちんと学ぼうとするなら本家のL・ランダル・レイ著『MMT現代貨幣理論入門』を読むべきなのでしょうけれど、もう少し手軽な概説書は無いものか…と選んだのがこちら。
結果、なかなか良い解説書でした。立場もかなり客観的で筆致も冷静。かつてリフレ派支持の人たちが口を汚くしてケインジアンや日銀を罵倒(?)していたような品のなさは皆無で読んでいて気分が悪くなることもありません。また、後半は日本経済への適用可能性についてかなりの紙面を割いているので、その点でも日本人の私たちにとってはまさに「知りたい」点を論じてくれており参考になります。
MMTによる貨幣論の説明については確かに傾聴に値すると思いつつ読み進めて行くと、その主張の中で政府による「就業保証プログラム」などというものが出てきて、それをアレクサンドリア・オカシオ・コルテスが支持しているなどと聞くと、「うっ、これは左派リベラルの政治臭のする経済理論か…」と一瞬感じましたが、その辺りについてもこの著者は中立的に解説されていて、鼻につきません。そして、そういう訳ではないことも分かります。
…ということで、一通り勉強になりました。良書と思います。そして、MMT、上記の「就業保証プログラム」など一部「ん?」と感じるところがなきにしもあらずですが、全般的には傾聴に値する経済理論と思います…というのが感想です。
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MMTの概念を聞いた時に「そんなにシンプルで素晴らしい経済政策があるならこれまで誰かが思いついているはずで、現実にはなぜそうなっていないのか?」という疑問が生じたので入門書を読んでみることにしたのですが、これまでにうまくいかなかったのは本来のMMTではないから、という説明で今一つ納得できませんでした。
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完全雇用と物価安定こそが、国家が追求すべき重要な公共目的であり、その政策指針となるのが機能的財政論である。
貨幣とは信用貨幣であり、租税が貨幣を動かす
ランダル・レイの現代貨幣論入門の監訳者の著作。
MMT入門の訳が分かりづらくてたまらないので、こちらは半分にはしょってわかりやすくまとめてます。
著者も突っ込んでますが、ランダル・レイもステファニー・ケルトンも肝心要の通貨主権を持つ政府の義務である大変重要な「就業保証プログラム」に関して、ふわふわしすぎですよね。
著者もせっかく日本経済に精通しているのに、とにかくMMTやリフレ、過去の財政金融政策の評論しているばかりで、未来への視点が乏しかったです。
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MMTと主流派経済学では、貨幣観が違う。
商品貨幣論は誤り=ババ抜き貨幣論と同じ。貨幣の使用は社会の決まり事。
メソポタミアには、粘土板が貨幣に使われた証拠がある=貴金属貨幣より古い。
MMTは信用貨幣論=単に信用されているから貨幣とされる。紙幣も同じ。
租税が貨幣を動かす。国定貨幣説。
主流派経済学は外生的貨幣供給説=通貨供給が預金と貸し出しを動かす。
MMは、内生的貨幣供給説=銀行貸し出しが預金と通貨を生み出す。マネタリーベースとマネーストックの間に貨幣乗数のような関係はない。
政府は国家に対する支払い手段として貨幣を受け取る、という債務を負っている。
インフレが発行限度を決める。財源は不要。税金ではない。
債務引き受けを禁止していながら、実質的に所持するのはおかしな規定。
政府の赤字は、通貨発行が伴うから、むしろ国債金利は低下するはず。
貯蓄が国債消化の原資になるわけではない。むしろ国債発行が貯蓄を創造する。
金利が上昇したら、国債発行を減らす=中央銀行が国債を市場から購入する、と金利が低下する。=国債が高く売れる=金利の低下。
海外との経常収支の黒字は、さらに国債発行余力となる。
国内民間部門と政府部門がともに赤字だとバブルが発生している。民間の赤字は、持続的ではない。
国際収支が大幅黒字なら、民間も政府も黒字はあり得る。
MMT=無税国家ではない。租税は国家を動かすもの。
社会保障税、消費税、法人税は悪い税金。
機能的財政論=アパラーナー、「機能的財政と連邦債務」
市場メカニズムにゆだねるのは、現代の資本主義経済にとっては無意味。取引費用が無視できない。
「いってみれば、人々が月を欲するがために失業が生ずる」ケインズ=貨幣を月になぞらえて、貨幣選好が失業を生むことを言っている。
国債発行は、政府の資金調達ではなく金利調整手段。
就業保証プログラムによって、失業対策をする。事実上の最低賃金。オーストラリアの羊毛価格安定プログラムからヒントを得た。政府雇用が調整弁となる。
ベーシックインカムや最低賃金制度との違いは、労働市場から退出させて総生産力を低下させる。=インフレ圧力になる。
デフォルトや通貨危機の真の原因は、固定相場制または外貨建て債務。アルゼンチン、メキシコ、タイなど。
ロシアの変動相場制下でのデフォルトは政治的な意味合いがある。
1970年代のイギリスとイタリアの危機は、自国通貨レートを高く維持しようとした結果である。
デフレは自己増幅構造がある。
脱出のためには、ポストケインジアンは、財政支出が手段と考える。ニューケインジアンんは、新古典派を基礎としているので、供給側の要因を考える。需要のコントロールは短期的効果しかない。
人口減少が低成長やデフレの理由ではない。ハンガリー、ラトビア、リトアニアなどは、経済成長している。
機能的財政が年金2000万円問題を解決する=実質GDPを最大化すること。財政を均衡させる必要がなければ年金財政への政府支出��可能となり、その結果GDPは最大化する。
『赤字の民主主義』=インフレによる不均衡の蓄積は、構造的な失業を増大させる。財政拡大期は実際にはインフレ率低下期であった。
ハイパーインフレは、極端なモノ不足、供給不足から。日常的に起きることはない。
高橋財政派、MMTの機能的財政そのもの。日銀の直接引き受けでデフレを克服した。
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自国貨幣の信用があるうちはバンバン刷って国債も限りなく発行し続けて財政赤字でも全然大丈夫だよ何故なら日本は何十年も実行しているのに全然インフレにも
通貨危機なってないジャンが根拠らしい。日本が失敗したのは同時に緊縮財政、消費税増税で財政健全化をしようとした政策がダメだったらしい。米民主党左派が支持しても総選挙を控えこの素晴らしい理論は日本ではどの政党もシカト中らしい(泣)
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有名なMMTの本の監修をされている島倉原氏の本。
MMTに至るまでのマネーの歴史から、MMTにより日本と世界の経済はどのように変化するのか。そして、リフレ派との対比、MMTのデメリットまでを丁寧にまとめている本。
再読希望である。