血のファタリテ

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投稿者：やじやじ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

作者さんの作品の中ではこれはちょっと痛い枠
相変わらず理不尽な暴力（凌辱）です。
最終的にそうなるだろうなぁって思う元耶の心の流れが
読みにくい。
まあある意味ストックホルム症候群的なところもあるので
これはこれで受け入れるべきなのか。
（ここに流れていくしかない水のようで）
「母親と自分は違う」
そこらへんの心持をもう少し丁寧にとか・・・
同じく善司側の
「ネエさんと元耶は違う」
というのがもう少し見えるとしっくりくるのかもしれません。
周りには失った半身を求めているように見えるのならば・・・
読者にももう少し開示してと思ったりします。

この話はとにかく善司の親友である秀晃が秀逸
美坊主（これは私の癖にささりまくり）でやくざの親友にぞっこん。
法事とやくざの仕事を兼業（というのか？？？）
殺生も厭わない。一緒に銃を手に乗り込んでくる。
もうこれこそが片割れ同士ではないかなぁって思うのですが・・・。
絶対別れられない関係であってもそれは恋愛（性愛）とは別のようで。
なんかこの人の存在感が大きすぎて。。。
善司はどこまでも我儘っ子みたいだったのですが、
傷をなめ合うように元耶と寝たことに対しては
不問に付しているみたいで・・・
この人の心持ちもなんだか不安定でわかりづらい。

で・・・この３人この後どこまでいくのかなぁって
思いつつ終わってしまった作品です。
やくざな二人はともかく、
元耶は大学卒業したらどうするんだとか
お父さんはどうなるんだとか・・・
妙に現実的なことが気になってしまう読後感です。
ファタリテとは・・・悪い運命のことだから・・・ちょっと心配