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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
利便性と移動時間の短縮が求められる今の風潮に、鋭く突っ込みを入れています。のんびりと鈍行列車に乗りながら、車窓を流れる風景を眺めてみたいです。
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タイトルは、内田百閒からとっているけれど、随所に宮脇俊三さんへのリスペクトも感じられるのがうれしい。それにしても、よく乗ってますよね。鹿児島では、味の丸一に参戦してるし、巻末の対談では、あけぼので北上して、内陸線とはさすが。
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他人の作った計画を遂行するというゆるい鉄道モノ。宮脇俊三へのリスペクトということで、一日で東京地下鉄完乗等なかなかハードである。東海道を色々な乗り物で53回乗り換えて東京から京都まで行くなど、馬鹿馬鹿しい内容が多いが、著者が常にクールなのが面白い。鉄分の多い男子を冷静に観察するという新分野が拓かれたたようである。
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そこそこ。最初の方は面白かったけど、だんだん飽きて来た。たぶん、行った事が無い地方の鉄道を扱っていたからかもしれないけど。基本的にマニアックな内容に終始しているので、鉄道マニアは好きだと思う。自分は非常にライトな鉄道好きなので、なんともという具合。
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内容としては、題から想起される百閒よりも、宮脇俊三さんへのオマージュである。趣味とは、興味のない人からは無意味に見える行為であることをまさに実践しているところが心地よい。しかも、女性ゆえの几帳面さがまたいいと思う。最後の原武史との対談が面白かった。
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どれも過酷な企画でもちろん面白く読みました。
しかし、地下鉄でものを食べる女子と著者は結びつきません。見かけていたら引いてしまうかも。
でもどこか冷静な視線が有るのは著者の特徴?
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安房列車現代女性版。
ただただ電車に乗る。それ自体が目的なので、マラソンに似てるかもしれない。
でも毎回ルールがあるから、たとえば青春18きっぷのような気楽さは持ち合わせず、あとがきにもあるように、仕事でないとしんどいマラソンとなる。
筆者と同じく、電車で寝るのが好きなわたしにとっては共感できるところが多く、ものによっては同じルートもよいかも、なんて思った。
実際には編集長というブレーンがいないと路頭に迷ってしまうと思うけど。
わたしも電車で眠りたい。
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電車に揺られてうとうとが大好きなゆる女子鉄の著者が、鉄人編集者のマニアックでむちゃぶりな鉄道旅プランに身を投じ、線路の果てまでいざ出発。東京メトロ全線を一日で完乗、鈍行列車に24時間、東海道五十三回乗りつぎ、日本最長各駅停車。次第にエスカレートする旅程もなんのその、気づけばダイヤに縛られる快感の虜…鉄道の楽しさが無限に広がる、新しい旅の仕様をご提案(「BOOK」データベースより)
息子が小鉄なので借りてみた一冊。
親子ともども『鉄子の旅』のファンなので、コラボ企画はすごく楽しめました。
横見さんとの、〈鉄道〉に対するスタンスの違いも面白かったなぁ。
こういう鉄モノエッセイがあったら、また借りてみたいですね。
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好きなことを肩肘張らず、淡々と。
でも、酒井さんの目には、ちゃんと大事なところは見えている。
酒井さんが高校生の頃のエッセイも読んでいるけど、昔から冷静な視線が変わらない。そういうところがいい。
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なんとなく都会派の代表のような酒井順子さんと、ベタな(あっごめんなさい、賛辞です)鉄道、という取り合わせが不思議な気もする、このコラボ。
バリバリ鉄道マニアの編集者の立てたプランに基づき、酒井さんと女性編集者がただひたすらその行程をこなすという、楽園的なお仕事をまとめた本です。
なあんて、言ってしまうとそんな風に聞こえるけれど、これがなかなか壮絶。東京の地下鉄全線完乗(16時間乗りっぱなし・・・)に始まり、東海道を53回乗り継ぐ、現代版膝栗毛、灼熱の廃線跡をたどって歩く旅・・・などなど、「なぜそんな必要性が?」とわきたつ素直な疑問。
そう。それはこの本が「阿房列車」だからなのです。
阿房列車というのは、内田百閒先生による「元祖・テツ本」シリーズのタイトル。内田先生は終戦後「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行ってこようと思う」というなんとも適当な名言が有名な、全国各地を鉄道でふらふらと旅をしたという、いわば乗り鉄の始祖鳥みたいな方。
その内田先生へのオマージュとして実行されたのがこの企画。はじめは単発で雑誌に掲載されたものが、いつしかシリーズになっていったようで・・・きっと、第一回を読んで全国のテツ分多めな方々から「生ぬるい」とか「よくやった」の声に紛れて、「次はこのコースを」「ここを外すなんて有り得ぬ」となどいうお便りが編集部に押し寄せ、あっさりとシリーズ化が決定したのでは・・・なんて想像してしまいます。
ところで旅人の酒井さんは、これまでにもかなりテツ的な要所要所を一人旅で押さえておられる。最近増えている「鉄道って、なんかレトロでかわいい」系の女子鉄ではなく、どこかおっさんなタイプ(すみません、これも賛辞です)の乗りびと。
かと言って、必死で駅スタンプを集めたり、駅舎や乗車中、落ち着きなくウロウロして写真撮りまくり(どっちも自分だった)、という鼻息の荒いジャンルでもなく、眠いときは素直にあらがわず沈没、結果、テツ的必須重要ポイントをあろうことか寝て通過・・・・という実に自然体の乗り方をしておられます。
そういう、女子以上男子未満なテツ分含有率において、非常に親しみを感じさせていただきました。
それでいて、いつもの酒井節で「ようそこまで見てますね・・・」的するどいツッコミも随所に楽しめる一冊でございました。
テツの道は線路と同じく限りなく続き、そしてたしなみ方も味わいも、濃度もひとそれぞれで良いはず。
酒井さんがされたように、テツのセミプロ(?)にコーディネイトされてマニアックに進む行程も悪くないなあ、と思うものの、ま、そないにがつがつせず、のんびりいきゃいいじゃん~とゆるく楽しみたくもなることもあり。
でもいくつかのコースは、今度さっそく真似させてもらおう!とデスノートならぬ「テツノート」に、しっかり書き込みをしたのでした。
それにしても「女流」っていう言葉の醸し出す空気、なんだかとってもかっこいい。女流作家、女流カメラマン、女流切手収集家・・・
「女子鉄」や「山ガール」というふあふあした肩書きよりも、「女流鉄道愛好家」や「女流山岳訪問者」のほうが、どこかカタギで真摯な感じがするのではないか。そうだ、これから、自己紹介のときには「女流なにがし」と名乗ることにしよう。
・・・とかどうでもいいことを考えながら電車に揺られる時間。車窓の外、流れ去る風景にぼんやりと目をやりながら、ぼーっと時間を過ごすのも、これまた鉄道での移動に似合ってしまったりするのです。
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IKKI『鉄子の旅』と『小説新潮』の相互乗り入れ企画、『鉄子…』キクチとの内容を比較するのもまたよし♪
キクチ版『鉄子』連載時はIKKIを購読してました
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この間読む本が無かったのでどこかで購入。面白かったです。百閒先生や宮脇さん、阿川さんと比べちゃうと落ちますが。
ネットでの時刻表検索機能が出来て以来、どこに出かけるのにも楽になったなあとつくづく思います。時刻表は正直見なれてない人間にはわかりにくいですし、乗換も接続も自分がどのようにどこに行くのかをきちんと把握していないと調べにくいものなので。(勿論、検索して出てきた結果、何でこんなアホな乗換と接続をしなくてはならんのだ、とイライラすることもありますが)
自分も電車は好きですが時刻表をきちんと読むことも出来ないし生来の出不精なので実際面倒くさいことが嫌いで乗り換えもあまり無い方が嬉しい。行ったことの無い線には乗ってみたいけれども複雑な乗換や手段を講じてまで行きたいとは思わない。…鉄道マニアには到底なれそうにありません。
私が電車が好きなのはただ単に乗っていれば自分の目指す場所に連れて行ってくれるから、と言う事が一番なのだなあと実感しました。寝ても良いし、車窓を見ても良いし、おしゃべりしていてもお酒を飲んでも大丈夫。面倒な手続きも要らないし、逆の線に乗ればいつでも帰れる。後好きな所は、電車の方がその土地に住む人の生活がわかるような気がするからかもしれません。道路から見えるのは大体同じような家並みと全国チェーンのお店ですが電車だと同じような畑でも植えている作物が違ったり、神社があったり、そこに暮らす人の生活が垣間見えるような気がするのです。
と言う訳でただ乗る、という行為ってどういうことなのかなあ~と思ったり思わなかったり。それこそ鉄道に乗る理由も千差万別なんでしょうね。そして日本人は同属嫌悪が強いのかな、と思いました。別に同じ鉄道好きを嫌う必要ないと思うんですけどね。何ででしょうね
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自分では全く旅をしない。金も暇もないわけではない。単なるものぐさであるだけ。
要するに読み鉄。百閒、宮川、原そして、酒井。
なぜ、この分野はこんなに面白いのだろう。日本中が新幹線だらけになり、寝台特急が消え、ローカル線がなくなっていくと、私の楽しみも消えてしまうのだろうか。
自分の重い腰が上がった時、まだまだ沢山の列車が走っていることを切に祈る。
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たとえ車窓からの景色がいかに絶景であろうとも、睡魔にはついつい身をまかせてしまうという、ゆる~い鉄子を自認する酒井順子さんにハードな鉄旅を強いる「小説新潮」の企画シリーズ。全11旅+おまけ1。タイトルはいうまでもなく、内田百閒に全面的に敬意を表したもの。また、随所に今は亡き先達、宮脇俊三氏へのオマージュがほの見える。男もすなる鉄旅を女もしてみんとて旅に出た酒井順子さんと新潮社の編集者K嬢の弥次・喜多旅。恋はないけれど、うまいものには目がない。鉄旅のゆるさは筆力でカヴァーしつつ、読んで楽しい本に仕上がった。
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初めて読む作家さんの旅エッセイ。読んでみて気付いたが、『負け犬の遠吠え』で有名な酒井順子さんだった。
読みやすく丁寧な日本語を使う作家さんだな、という印象。エッセイほど文章の上手い作家さんじゃないと難しい。
鉄人の決めたスケジュール通りに自称「ゆる鉄」の酒井さんが鉄道の旅をする。もちろん仕事の一環でもあるのだろうが、その時間とお金の使い方は羨ましいの一言に尽きる。
「東海道五十三乗りつぎ」が面白かった。
2015/11