真実は小説より“面白い”。
2020/09/27 13:33
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
真実は小説より“面白い”。ノンフィクション作品の場合、とかく事実を忠実に伝えるため平板になりがちだが、本作では綿密な取材に基づいて当事者の内面や思考にまで踏み込んだことで、あたかもフィクション以上の緊張感を表現することに成功している。感染した場合の恐るべき結末は明らかだが、その実態すら定かでない“敵”に恐れおののきながらも立ち向かう人々の恐怖がしっかりと伝わって来る。フィロウイルス科のウイルスであることは確かだが、その“株”ごとに異なる性質を有するという変異性の多様さがこの敵との戦いを困難にしてる事情も良く描かれている。これ程興奮した作品は久しぶりでした。
蛇足乍ら、新型コロナウイルス(COVID-19)が蔓延している現在、ウイルスとの向かい合い方を考える良い教材とも言える。そして、ウイルスの変異性を念頭に置いた対処法に関する研究の重要性を改めて思い出させてくれる作品でもある。
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捕食者だ。
生き物が病気になり、それを治癒させるのは薬や外科的手術ではない。
病気を治すのは元々ヒトに備わっている様々な免疫系ないしは生の本能、すなわち自己治癒力であって、医療者はそれを促進させる存在に過ぎない。
医療者が自己の万能感や無力感に飲み込まれないために、そして実際、疾病の治療機序はこの自己治癒力に拠るところが大きい。
しかし、このエボラウィルス(フィロウィルスというべきだろうか)はヒトの免疫系を瞬く間に喰い尽くし、「崩壊」させ、さらに感染を拡げるために大量出血という手段で「爆発」させる。
気付かないうちに、或いはほんの少しの油断という間隙を突いて、襲いかかってくる。
そのありようは効率的に、より多く少ない手間で喰いつくしてやろうという意志をもった捕食者のようだ。
この恐るべき捕食者を電子顕微鏡で捉えた写真が挿入されている。p.139/424-425
これらは印刷されたただの写真に過ぎない。
それでも触れたくない。
これに触れれば、爪の間から、目から入り込み、身体の内側からじっくりと、しかしあっという間に喰い尽くされてしまうのではないかと心気的不安に襲われてしまう。
そして、感染症の恐ろしさは気付かぬうちに、市中の汚染は爆発的に拡大し、知人・友人も感染しているのではないか、という心気的な、或いはパラノイアを助長する。
『その顔は能面のように硬直し、体中の孔から血が流れていた。血は檻の下の金属の受け皿にも落下していた・・・・・・ポタッ、ポタッ、ポタッ。』P.359
恐るべきことにこのエボラウィルスとCovid-19には類似点もあるようだ。
もちろん、エボラとコロナでは系統が異なるだろうがしかし、免疫系を深く傷付けるという点では似ているだろう。
だからこそ、HIVやエボラに用いられた薬をCovid-19にも治療薬として類推適用しているのかもしれない。
Covid-19がどこまで予見可能だったのかはわからない。しかし、既にエボラ出血熱の危機に見舞われた際、備えを万全にしておくという知見は得られていたはずだ。
これは欧州のみならず、毎年新しい感染症の流行に見舞われるアジアでは尚更、準備と迅速な対応が必要だったのは間違いない。
『”チャンスは日頃準備を怠らない人間に訪れる”』P.176
残念なことに日本を含めた多くの国でこの準備は不十分だった。
そこで黒死病、天然痘流行の頃と同じ原始的手法をとった。
「逃げる」ことだ。
都市を封鎖し徹底的に接触を避けることで捕食者から逃れようとして、それは成功と失敗と一進一退の戦況だ。
日本の場合、縦割り行政、政策立案者たちの忖度や事なかれ主義、文書の隠蔽といったこの社会の悪しき面が表出してしまった。
米国型のCDCを設立すべき、といった議論もかつて、そして現在唱えられてはいる。
しかし、行政は社会を映す鏡でもあり、形だけ日本版CDCをこしらえてもうまく機能するとは思えない。
特に、平時・危機対応時問わず最前線に赴く高度な教育と訓練を受けた学位取得者、専門職の地位が極めて低いこの社会では尚更だ。
米国でさえ、CDCとUSAMRIIDとの縄張り争い(迅速に妥協できるのが米国)、戦闘行為ではないので消毒作業に危険手当は付かない云々があるのだ。
米国でさえ、だ。
従って、ただこしらえを作るだけでなく、この国の行政から考え直す必要があり、これは20年は必要だし、その間にこの国は衰退しているだろう。
この本でも、新しい感染症の発生と爆発的な拡大に至る原因は地球環境・気候変動、未開地の開拓など、ヒトの生存圏の拡大であるとしている。
グローバルサプライチェーン。
00〜10年代にかけて拡大され、整備されたこの鎖から解き放たれた生産、物流、購買、そして生活を送ることは不可能だった。
しかし、空路・海路・陸路と道を作ったおかげで、ウィルスの移動も容易となった。
それだけでなく、より安価な人件費、より安価な原材料を求め、開発が行われる。
ソフトな帝国主義・重商主義だ。
特に、10年代から中国はとてつもない勢いで交易圏を広げ、特にアフリカの開発は猛烈だ。
そして、世界経済が滞った時、最初に犠牲になるのはアフリカ諸国だ。
80年代から90年代にかけてエボラ出血熱の流行時に村落が消滅したように、現在も生活を失う最初の人はアフリカの人たちだ。
やがて、新興国からOECD加盟国へ伝播して、日本も同じ道を辿る筈だ。
各国で経済水準に違いはあれど、最初に苦しむのは貧困層、社会的弱者になるだろう。
従って、危機にあって連鎖を止めるには、下支えこそが川の上流となるはずだが・・どうだろうか。
エボラはどうやらエボラ川流域、エルゴン山のキタム洞窟まで遡る事ができるようだ。(マールブルクウィルス)
Covid-19は武漢が最初のホットゾーンとなった。
しかし、このウィルスが本当に、真にどこからきたのかはわからない。(2020年6月2日)
動物、哺乳類なのか爬虫類なのか、昆虫だろうか。それとも研究所やマッドサイエンティストからのリークなのだろうか。
根源を辿るハンティングは憶測の域になり、陰謀論にまで逸脱している。
Covid-19がもたらしたのは感染症そのものの症状と死だけでなく分断やパラノイア、心気不安までをもたらしている。
生体の破壊だけでなく、経済や文化芸術、良心といった生活まで破壊されつつある。
相互不信感は人種差別を助長し、行政の横暴とデモ、暴動と略奪に至っている。
この本はSF小説のような物語としての面白さがあるノンフィクションだ。
綿密な取材と科学的裏付けに基づいて書かれている。
だからこそ、もう一度読んで理解する事もできる。
即ち、文化芸術活動としての読書を通じて、書店業・物流業の収入となって、店舗を維持し労働者を幸福にさせる。
もう一度読み、理解を深め、次の準備とするためには生データを収集し、保存し、研究者らが自由に用いる事ができるようにしなければならない。
残念なことに、このCovid-19��あってエビデンスは恣意的に操作され、貴重な生データは破棄されているのかもしれない。
果たしてその行為は国民・人類を守れるのだろうか。
敵は批判者や特定の人種、ましてや己の自己愛を刺激する情報ではない。
捕食者だ。
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無料公開されていた一章を読んだらもう続きが気になって気になって。購入したら一気に読んでしまった。
一級のドキュメンタリーで、同時に素晴らしいヒューマンドラマだ。ウィルスは地球の自浄作用というよくある台詞をこんなに重みを持って受け止めた事はない。
生物一個体の死は自然の中では、どうしようもなく平等だ。いつか訪れる私の死も、ザイールでエボラウィルスに感染し、命を落とした誰かの死も。2つの死を分つものは一体何なのだろう。と考えて、分たれてなどいないのだと気づいた時が1番怖かった。
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ここ数年でいちばん怖かった本。
まず冒頭の超絶大物2人による推薦コメントで、すでに不穏な予感がした。おそるおそる本編を読み始めると、意外に文体や描写がよく内容に引き込まれる…………と思ったとたん、早くも第1の犠牲者! 彼がエボラウイルスによって、肉体や精神がどのように変容していくかが、まるで著者が罹患してことがあるかのように、精緻に描写されていく。ひたすら、こわい。32ページ目の飛行機内での肉体崩壊で怖さがピークに達し、いったん読むのを諦める。一時は、このまま古本屋に売ろうかとも考えたが、さすがにそれは情けない。丸一日間をおき、なんとか気合いを入れて、あとは勢いで読み切った。32ページ目よりこわい描写が山ほど出てきたのにはまいったが、それを上回るぐらいおもしろいんだよね。
エボラウイルスをとりまく事実や、後半のメインとなるワシントン近辺での猿への感染はそれ自体がこわいのだが、ノンフィクションとも小説ともつかない形式(著者は「ナラティブ」と呼んでいる)をとることで、事実に即しながらも、バカみたいにこわくておもしろく、しかも扇情的ではないという絶妙なバランスで描ききっているのが、すごい。
確実に、読んだ方がいい。
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無料で公開されてたのを読んだら、先が気になっちゃって…買ってしまいました。。
前半に紹介される、エボラとマールブルグの犠牲になった数名の記録、ちょうど無料で公開されてた部分がものすごいインパクト。
シチューとかマカロニとかプリンとか、ちょくちょく食べ物に例えられてるのはきついものがあったが…w
日常生活も織り交ぜて描いてあるので感情移入しがち、小説を読んでいるみたい。読んでるこっちは彼が今まさに周囲にウィルスを撒き散らしていることを知っているわけで…
感染した体内で起こっていること。専門的な話を小説にした…というよりも、映画を見てるみたいだったな。
ウィルスが細胞の中に入り、中で極限まで増え、それが最後に膜を破って出芽する……爆発的な数が…。顕微鏡で実際に見ているようだった。
後半はそこまでひどくもなかったが、相手がどんな菌なのかわからない、変化もありえる、そういう意味ではいつも不安と隣り合わせだった。
こんな緊急事態でも…緊急事態なのにCDCとユーサムリッドの覇権争い。おいおい。
HIVなどウィルスの系譜、歴史も面白く読んだ。なんでアフリカ起源なんだろう?ヒトの起源アフリカ説とも何か関係があるのかな?熱帯雨林はアフリカじゃなくてもあるじゃん?
改めて調べてしまった。ウィルスとは?
面白いねぇ。どうして存在するんだろうね? 何かの部品の一部として?存在するんだと思うけど、増殖することが彼らの目的なのに、増殖しすぎて宿主を殺してしまったら自分も増殖できなくなるとか…どういうことなんだよって感じだねw
お産の時に活躍するウィルス的な話をどっかで見たから正しい使われ方(?)をしてれば害はないんだろうね…ウィルスにも私たちにも宿主にも。それが環境が変わって違う宿主に感染しちゃったりすると…って話かな。
そういえば今思ったけど…「一部の界面活性剤がコロナウィルスの膜を破って殺す働きがあるらしい」とかって、どっかで見た気がするんだけど。
ウィルス、細胞膜ないんだよね?w
ある意味生きてさえいない…
どうやって殺すんじゃ???ww
タンパク質分解しちゃうとかかなー?
わからないことだらけよw
追記:
ウィルスは生物なら持ってる膜がないと言ったけど、エンベロープという膜(?)みたいなものがあるようだ。それを壊してバラバラにするのかもね。
DNAかRNAかしか持ってないなんて、本当に何かの部品的だよな。
毎日のようにコロナの画像を見ているのに「ウィルス」といえばあの唯一の紐状、フィロが思い浮かびようになってしまったw
もじゃもじゃ絡まるようにたくさんうじゃうじゃいる様子が…
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単行本が流行ってた時はホラーというかグロっぽいと思って読んでなかったのよね。コロナ騒動もあり、文庫化を機に読んでみた。
いやはや、冒頭やっぱり描写キツいやん、グロいやん、と思ったけど、その点だけで言えばそこがピークであとはエボラ封じ込めの人間ドラマよね。とはいえ防護服に穴が見つかった時の恐怖の描写とかは迫り来るものあり。
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#ホット・ゾーン 読了。
第一部は主にケニアを舞台にエボラウイルスに罹った人、また、治療に関わった人達による幾つかの物語から始まる。「崩壊」と表されるこの病気の症状の恐ろしさの克明な描写、恐怖の心情が緻密な取材と迫力のある表現力によって綴られている。(巻頭の賛辞文に書いてあるスティーブン・キングなどの賛辞は主にこの第一部について述べているものと思われる)
第二・三部で主たる舞台はアメリカのワシントンに近い街であるレストンに移る。輸入された実験用のサルを管理する施設においてサルの不審死が相次ぎ、検査の結果、エボラの最も毒性の強い株と思われるウイルスが発見される。陸軍感染症医学研究所(要は軍)が過酷な作戦のもと見事制圧(ニューク)するまでのミリタリー調ドラマとなっている。
そして、第四部で筆者とおぼしき登場人物が、ウイルス発祥地と推定されているケニアのキタム洞窟を自ら訪れ、ここまでの振り返りと、未知のウイルスとは人類にとっていかなる意味を持った存在なのかについて思索にふけりながらこの物語はひとまず終わる。
・・・・・
あらすじで書いた通り本書は筆者のモノローグ的な第四部を除き、大きく2つの物語に分かれている。一つは「当事者の物語(第一部)」、もう一つは「疫病と戦って(とりあえずは)勝利するアメリカの物語(第二・三部)」という事になるだろう。
個人的に、本書の白眉はやはり第一部だ。人間が短期間で「崩壊」していく過程の描写の恐ろしさは評判通り、いやそれ以上であった。また、感染の危機に見舞われながら九死に一生を得た人々の不安と恐怖の感情の描写は迫真であった。また、全章を通じてのキーワード
●「レヴェル4」(最高度のバイオセーフティレベル)
●「ホット・ゾーン」(レヴェル4対象の病原体が存在する空間、本書のメインタイトル)
等について、防護服などの必要な道具や負圧環境の施設、取るべき振る舞いなどが詳細に描写、説明されているので非常に勉強になった。
さらに、一般に一口で「エボラウイルス」と言われているものの仲間には、近縁だが別名の「マールブルグ・ウイルス」やエボラはエボラでも「スーダン株」や毒性最凶の「ザイール株」、そして、人類には無害とされる「レストン株」など様々な兄弟ウイルスが存在する事を本書で初めて知った。
内容は確かに恐ろしいのだが、文体は読み易く、ウイルスや疫病を考えるにあたり、カミュの「ペスト」と共に是非読んでおきたい一冊。
・・・・・・・
僕が読んだハヤカワ文庫版の解説は神戸大の岩田健太郎医師が書かれていて、陸軍感染症医学研究所(USAMRIID:ユーサムリッド)の裏話や、現在世界に蔓延しているCOVID-19の話題も絡めた話をしているので、おススメです。
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ノンフィクションの、しかも翻訳だったのに、次に何がどう展開していくのか、ハラハラした気持ちで最後まで読みきってしまった。
感染症に関心が高まっている中で、それに対処する人達がどんな考えで何をしているのか、わずかでも分かったような気になれて良かった。
200726
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ノンフィクションなのに描写が劇的で引き込まれる。感染して数日で人体が文字通り崩壊していく様は想像するだけで恐ろしい。だけどそのために広がる範囲が狭いのだそう。
アフリカの洞窟が発生源としたら、自然と触れることの素晴らしさを今までは想像していたけれど、それ以上にまだまだ人が知らない有象無象の何かが自然の中にはあって、自然は恐ろしいものなのだと考えを改めされられた。
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第一部でモネが徐々に「崩壊」していく描写がリアルで震えた。今までバイオホラーは何本か読んできているが、1番ゾクゾクしたかもしれない。
ただ第一部は、時系列や場所が飛び飛びなので、少し分かりづらいかもしれない。
エボラについては聞いたことがあるくらいだったが、これを機に理解を深められて良かった。
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エボラウイルスとHIV
リアルなノンフィクション作品
1967年から1993年までの出来事
結局なにから始まってどうやってうつったのかは不明
アメリカで起きたのは猿から人へ感染した
スタートはアフリカ何かが菌を持っていた
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エボラウイルスの恐怖。映画「アウトブレイク」のモデルとなった話。
●感想
「どんな死に方が一番嫌か」一度は皆さん考えたことがあるだろう。火あぶりや溺死は苦しいだろうなぁ、なんて映画を見ながらぼんやり考えていたが、具体的に「最悪の死にざまベスト1」が更新されてしまった。それが「エボラウイルス感染症によって死に至る」ことである。本書の掴みは強烈で、「初めてエボラウイルスによって死に至った人」がパンデミック映画のシーンさながらに緊張感を持って語られる。この本書の1章だけで、映画一作品分の価値がある。多分、妊婦さんは読まない方がいい。それほそエボラウイルスへの感染から、死へのプロセスは恐ろしいものだった。嘔吐、高熱に始まり、身体中の細胞・内臓が破壊される。目や歯茎、皮膚の無いあらゆる部分が破壊され、血を垂れ流す。本人は、すがる思いで病院にかけこみ、尽き果てる。それはもはや「人間爆弾」と言っていい。そこでは肛門、口と身体中の穴という穴から出血する。患者の体液一滴には何億ものエボラウイルスがのさばっていて、次の宿主を求めて増殖を続けている...。とまぁ、パンデミック映画さながらのストーリーが展開する第一章。ここが一番面白い。それ以降は、エボラウイルスを巡る研究のヒヤリハット物語。そして最後はアメリカの片田舎で突如エボラウイルスのホットゾーンが発生。制圧のバイオハザード作戦が展開する。どれもノンフィクションエッセイの題材として面白い。実際にその場に居たくはないので、本として読みたいものばかり。
2019年5月30日の厚生労働省の発表では、エボラウイルスに効くワクチンの存在が、信頼性の高い研究によって証明されたという。「2015年に11,841人が参加した試験で調査が行われました。ワクチン投与群の5,837人で、接種後10日以上にわたりエボラ患者は記録されませんでした。一方、ワクチン非投与群では接種後10日以上経過して23人の患者がでました。
rVSV-ZEBOVワクチンは現在の2018-2019年のコンゴ民主共和国におけるアウトブレイクでも使用されています。
結果の初期解析では、このワクチンは極めて効果の高いことが示されています。」https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/20190729.html
エボラウイルスとの戦いを経て、ようやく人類は防御策を確立しつつある。しかし、解説の岩田氏も指摘する通り、人間と感染症の戦い自体に、終わりが来ることは決して無いのだろうが...。
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エボラウイルスの発見から拡散、顛末を描いたノンフィクション。
作者の圧倒的なインタビューにより、登場人物のリアリティがすごい。
どんなホラー小説よりも現実的で、怖かった。
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エボラシリーズというべきか、マールブルグ、エボラ・スーダン、エボラ・ザイール、エボラ・レストンとの知られざる闘いを描いたノンフィクション。人間には無害だが感染力が非常に高いレストンが突然変異をしてザイールのようになってしまったら本当に恐ろしい...。
レストンでのエボラ制圧作戦はさながら”猿の惑星”とでも言うべき感じでサスペンスフルでした。
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いままさに、新型コロナウイルス感染拡大による、史上2度目の緊急事態宣言がなされている。
この書に描かれているのは、新型コロナウイルスがリアルに鼻風邪に見えてしまうほど凶暴なウイルス、エボラと戦った人たちの話である。
レストンでエボラが見つかったことは知っていました。ですが、エボラ・レストンに感染した人間が居たにも関わらず、人間の場合は発症しなかったと言うことは知りませんでした。ラッキーでしたね。
新型コロナウイルスは、エボラの様に凶暴ではありませんが、後遺症が多数の人に見られるなど、まだまだ未知の部分があるウイルスです。早く終息してくれるのを祈念してやみません。