秘めゆり
著者 花房観音
「私と夫、どっちが気持ちいい?」 男と女、女と女が秘める恋京都の手作り市で知り合った美しい女性から誘われ、深い関係を結ぶ妻。女性同士の恋にのめりこむが、彼女とは意外な繋が...
この商品はアダルト向け商品です。
秘めゆり
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
「私と夫、どっちが気持ちいい?」
男と女、女と女が秘める恋
京都の手作り市で知り合った美しい女性から誘われ、深い関係を結ぶ妻。女性同士の恋にのめりこむが、彼女とは意外な繋がりが(「秘めゆり」)。15年間一途に既婚男性とつきあってきた私。とうとう別れを切り出す日がやってきて――(「雪の跡」)。万葉集から岡本かの子まで、恋の和歌を題材にとった、抒情とエロスに満ちた、性愛短編集。
「からみつくような情念は、まさに著者の真骨頂」――及川眠子(作詞家)解説より
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
人生100年時代の官能小説
2020/10/16 06:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
花房観音さんが『花祀り』で第1回団鬼六賞大賞を受賞したのが2010年だから、コロナ禍で生活が一変した2020年で官能作家として10年になる。
花房さん以前にも女性の官能小説の書き手は少なからずいたが、10年の間確実に書き続けてきた人はあまりいないのではないかもしれない。
花房さんの場合、京都を舞台にして、単に男の視点ではない女性の柔らかさを描いてきたのが、男性だけでなく女性にも読まれる官能小説になったともいえる。
2020年6月に刊行されたこの短編集の文庫解説も及川眠子さんという女性の作詞家で、官能小説の解説を女性が書いても違和感がなくなったのも時代の変化だろう。
時代の変化といえば人生100年時代になって、官能小説に登場する女性の年齢もあがっている。
少し前であれば若い女性がヒロインになる作品が多かったが、花房さんのこの短編集に出てくる女性たちはいずれもそれなりに人生の経験を経て魅力にあふれている。
今風の言葉でいえば、「美魔女」だろうか。
この文庫のための書き下ろし短篇の「君が若さよ」のヒロイン夏乃は49歳で、その相手の男性は彼女より20歳以上も若いという組み合わせになっている。
かつての社会的な見方であれば、夏乃のような生き方が唾棄されただろうが、花房さんの描き方はけっしてそうではない。
あるいは表題作の「秘めゆり」やその続編である「くれなゐの桃」は女性同士の性愛を描いて、最後は夫である男性を捨て、恋人の女性を選ぶという、新しい生き方を肯定した作品に仕上がっている。