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一般書

真鶴

著者 川上弘美

失踪した夫の日記には、「真鶴」とあった夫は10年以上前、日記に「真鶴」と記して失踪した。京は娘、母と3人暮らしをしながら、恋人と付き合い、真鶴と東京の間を往還する

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真鶴

税込 680 6pt

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みんなのレビュー142件

みんなの評価3.6

評価内訳

安心して読める巧みの作品

2019/06/16 17:59

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「センセイの鞄」を読んで以来、彼女の作品のファンになった、センセイと主人公とのなんともいえない距離感が魅力的だった。センセイの鞄が2001年の作品で、この作品が2007年の作品、もともとSF雑誌に投稿していた人だから、他の人からは見えない女性が見えてしまうというような不思議な現象が自然に表現できている。本当に幻想的な場面と現実的な場面の配置が巧みだ。こんな終わり方だったら嫌だなとある結末を予想しながら読んでいたのだが、よくよく考えてみると川上弘美という人が私が想像しているような嫌な結末を用意している訳がなく、想像以上によい結末が用意されていた。

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なぜ真鶴なのかわからない。

2009/11/16 19:46

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:野棘かな - この投稿者のレビュー一覧を見る

「歩いていると、ついてくるものがあった。」
最初の一文で、これは面白そうだと思い、好きなジャンルかしらと読み進む。
だが、日常を綴る平坦な言葉の中に、突如現れるついてくるという言葉、霊能者だといいたいのか、もしかすると殺人を犯し隠した抑圧からくる幻影なのか、ちょっと理解に苦しみながら我慢して読み進む。
困惑し、もしかしたら、森瑤子的組み立て方なの?とまた読み進むがよくわかない。
残る結末だけを期待しながら、残りを一気に読んだが、やはりあまりにも乱雑で、最後をまとめただけのような気がした。

どのように理解したらいいのかととまどったが、落し所は、解説者が書いている一文だろうと思う。
「十二年前に夫が失踪したために精神を冒されかけた女性が、母と娘の三人暮らしのなかで、幻視幻聴に悩みながらも、自力で回復にこぎつけるほぼ一年間の、すなわち春、夏、秋、冬、そして翌年の春までの、苦悩の物語・・・」
まったくその通りで、それ以上の何ものでもないと思う。
それだけの話をこのような書き方にする必要があるのかと言ってみてもそれは愚問なのか。
それが、川上弘美さんの特徴なのだといわれるだけだろう。
現在過去未来がランダムにフラッシュバックし、様々な感情が交錯する文章を書く森瑤子さんを重ねてみても、「ついてくる」という見え隠れする言葉以外に綴られた文章が普通すぎて違いが大きい。

真鶴という地が好きで、題名にひかれて手にとったのですが、なぜ題名を真鶴にしたのかもわからないし、解説者が言うようにこれが川上弘美さんの代表作だとしたらちょっと残念だ。

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真鶴

2010/07/10 14:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る

 突然夫に失踪され、幼い娘と共に残された妻「京」の一人称で語れる小説だ。川上宏美の作品らしく、そこに描かれるのは普通の悲しみや悔恨ではなく、現実と異界との往還を繰り返す中で、次第に浮かび上がる乾いた感情だ。川上氏が描くと、ドロドロとした嫉妬心すらが、カラカラに乾燥しているから不思議だ。
 夫が失踪して以来逢瀬を重ねている恋人との関係も、どこか現実から遊離した感があり、主人公の作家「京」が実生活にしかりとした根を持ち得ない、浮遊した女性として描かれている。唯一、彼女の周囲に現実感を持った存在として描かれるのは、たくさんの女達の気配だ。この世のものでない、どこか霊性を帯びた目に見えない女の気配との関わりが、むしろ現実感を持ったものとして語れる。大きな喪失感や怒りといった振幅の大きな感情を、内に秘めて生きざるを得ない現代の人達、あるいは都会の雑踏に埋没して生きる私達の寓話なのだろうか。
 それにしても、主人公の異界と現実との往還が、東京と真鶴との往復に重ねて描かれているのはなぜなのだろう?

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2009/11/15 21:52

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2009/10/21 07:39

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2009/11/15 01:18

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2009/11/18 23:23

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2009/11/25 23:27

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2009/11/26 22:41

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2009/12/02 23:12

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2010/03/04 00:46

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2010/05/10 05:33

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2010/02/27 06:42

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2010/01/11 21:19

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2010/01/16 15:35

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