周囲の支えが温かい
2021/06/27 12:27
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:第一楽章 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1年にわたりうつ病と戦い、克服したプロ棋士の当事者手記です。トップ棋士が7手詰めの詰将棋すら解けなくなる、その不安や恐怖に、こちらまでぞっとします。身に覚えがある者として、なんだか当時の苦しみを思い出し辛く感じることもありましたが、先崎九段の誠実に正直な筆のおかげで最後まで読めました。この本の特徴は、完全に治ってからではなく回復期に少しずつ書かれたことです。ですので、同じエピソードでも食い違いを感じたりすることがありますが、それがとてもリアルです。
また、精神科医を勤める先崎九段の兄が、非常に大きな役割をしています。先崎自身にとって力強い伴走者であったことはいうまでもありませんが、兄が先崎に語った医師としての言葉、苦悩はまた、読者や社会にとっての鋭い問題提起でもありました。巻末の佐藤優の解説もよいです。
タイトルは知っていたけれど
2020/08/26 22:39
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさか、『3月のライオン』の監修の方が著者だとは知りませんでした。驚きです。そして、病気の部分には納得だったのですが、うつ病以外の部分にいろいろ驚きました。読み応えありすぎです。
うつ病の辛さの一端を知りました
2020/08/12 23:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:有理 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつて作者が週刊誌に連載していたエッセイを愛読していました。軽妙な文体は今も変わらず。でも、語られる内容の重いこと。正直に言って、この本を読まなければ、うつ病がここまで苦しい病気だと知ることはなかったでしょう。我々が日常で気軽に口にする「鬱っぽい」とはかけ離れた実態が、作者の一人称で描かれています。また、節目節目で登場する作者のお兄さまの言葉が、医者目線での説明にもなっています。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
うつ病とのつきあい方など、参考になりそうなことが、たくさんありました。作者は、プロ棋士ですが、活躍してほしいです。
投稿元:
レビューを見る
【世にも珍しい“うつ病”の記録】藤井聡太ブームに沸く将棋界。その裏で棋士の先崎さんは脳の病と闘っていた。その発症から回復までを大胆に綴った心揺さぶる手記。
投稿元:
レビューを見る
プロ棋士の先崎学九段がご自分のうつ病体験を克明に書き記したエッセー。闘病記とも言えるだろうか。
先崎九段は人気将棋マンガ『3月のライオン』で監修もされており、僕も『3月のライオン』ファンとして身近に感じていた棋士の一人だ。
その先崎九段がうつ病の発症時から克服までの約1年間を本書で時にはユーモアを交えながら、ひたすら詳細に記載、記録している。
実際、本書を読むまで「うつ病」という病気を自分は相当誤解していた。
「うつ病」というと、心の病、メンタルの病気と思っていたのだが、実際に本書を読むと「うつ病」は「脳」の病気であるということがよく分かる。
このことは先崎九段の実のお兄様が精神科の医師なのだが、彼の医師としての言葉にも強調されている。
先崎九段の病状でもっとも衝撃を受けたのは、超一級のプロ棋士である先崎九段が「詰将棋の7手詰めの問題」が解けなくなってしまったというところだ。
これは例えて言うならば、
大学で数学の教授をしいている人が九九が解らなくなってしまった
というような感じだろうか。
それもやる気が起きなくて解けないとか、文字が読めなくて解けないというものではなく、実際に頭で理解できなくなってしまうのだという。まさに恐ろしい病気だ。
そしてうつ病患者にとって『死』と『生』の境界線があいまいに、そして身近になり、ふとしたことから自殺を図ってしまうというのも怖い症状だ。
このような恐ろしい病である「うつ病」だが、先崎九段のお兄さんも言うように「うつ病」は必ず治る病気だ。
しっかしと治療すれば必ず治るし、『脳』の機能も回復する。
今の日本社会は非常にストレスも多く、うつ病を発症する人も増加している。自分の職場にもうつ病を患っているいる人もいる。
しかし、まだまだ「うつ病」に対する理解が完全にされているという状況ではないだろう。
本書は、誰でもなりうる「うつ病」という病気の本質を学ぶという意味においても非常に役に立つテキストであるともいえる。
ぜひ、多くの人に読んでもらいたい一冊だ。
投稿元:
レビューを見る
うつ病
誰でもかかりうる「心の風邪」とか
いえ、違うんですよね
「脳」なんです!
将棋に全く興味がなかったけれど
大好きな
「三月のライオン」」で著者の名前を知った
分かりやすくユーモアのある解説でいいなあと。
身近にうつの人がいるけれど、本当の苦しみは当人しか
わからないのでしょう
パニックの只中を冷静にえがいているのがすごいと思う
とても興味深く読みました。
これからもご活躍を
≪ 脳に蓋 絶望と焦り 死がとなり ≫
投稿元:
レビューを見る
リアルなうつ病の症状を知る事ができた気がする。うつ病の一側面であったとしても大変な病気だ。うつ病は脳の病気。
投稿元:
レビューを見る
著名な方が、うつについて赤裸々に書かれていることが非常に興味深かかった。なぜその状況になり、そこから脱していったのか、うつで悩んでいる人には特に参考になるだろう。
投稿元:
レビューを見る
やっと読み終えました。
鬱になった体験談は
本の中に書いてたけれど
確かに生々しい体験談ってないなと。
鬱になる前から回復のリハビリを兼ねて
描き始めた鬱の体験談の回復期にかけての
歴史は、私達が想像を絶する想いが文書に
滲み出ていた。
鬱病と言われて、よく聞くようになってきたけれど
鬱=精神病の偏見は、決して消えないのは確か。
心の病気ではあるかなと思うが
確かに、脳の病気なのである。
偏見がまたその人を追い込み悩ませる。
沢山の回復する為の時間と、周りの支えに助けられ
本の中に出てきた、本の主人公の兄(精神科医)が
言ったように『必ず治ります』の言葉を信じて
必ず鬱は治るのである。
投稿元:
レビューを見る
コロナ禍を機に将棋観戦にはまり関連本を読み始める。これはドラマ化されると聞いて読み始めたが、とても読み応えがありあっという間に読めた。
登場する棋士がわかる!というのは内容に入り込めるポイントだが、何よりうつ病の症状や本人の思考や感情の揺れ動く様がとても分かりやすく書かれていて、うつ病について理解する糸口になると思った。
投稿元:
レビューを見る
有名棋士によるうつ病体験記。うつ病の闘病の様子が事細かく記されている。さすがに元々コラムを書いてたようで文章がうまい。すごく読みやすい文章だった。すごく具体的でこのような体験を綴ることはとても勇気がいることだったと思う。うつ病も状態は人によりまちまちだと思うが、入院までしてたしかなり重い方だと思う。3年前のことなので、今は復帰しているはず。頑張ってほしいと思う。病気になり弱さを知ることにより、弱い人に寄り添うことができる。これはとても大切なことだと思う。最近ドラマにもなっていたのでぜひ見たいと思った。
投稿元:
レビューを見る
病になられる前に文春に連載されていたエッセイを読んでいたので、単行本当時から気にはなっていたものの、わざわざ探すことまではせず、どえやドラマになったらしく平積み文庫本で手にとった。
負の感情も隠さず書かれていてよかった。
投稿元:
レビューを見る
昨年(2020)の暮れ、ドラマの番宣スポットを視て、誰の体験だろうと思ったら、先崎学九段。私でも名前は知っている。
親友がうつ病に苦しんでいたこともあり、原作に手を出す。
エッセイストとして一家をなした著者だけに読みやすく、一気に読んでしまう。
全世界でも30人程度しかいないプロ九段に、七手詰が解けなくなる……。うつ病の深刻さ。高山病に冒された写真家がカメラを谷底に棄てたくなった、という逸話を思わせる。
いや、もっと身近な実例があった。他ならぬこの私が、統合失調症を患った一時期、まるで本が読めなくなった(マンガも頭に入らない)。
「横になってました。散歩しました。将棋のリハビリを頑張りました、気がついたらほとんど治りました。それだけなのである」と自嘲気味に書いているが、それだけ、のことをメリハリたっぷりに読ませてくれる。
巻末解説は本文からの引用ばかりで「こたつ記事か?」と思わざるを得なかった。将棋に例えれば疑問手。
投稿元:
レビューを見る
2021年3月
うつ病の体験談を書くためには、病気の性質的に、まずうつ病を克服しないといけない。癌などと違って闘病中は書けない。だからこの体験談は非常に貴重なものだ。
一流の棋士で、詰将棋の本も出している著者が、病気の間、簡単な詰将棋を解けなくなったという記述はうつ病が心云々ではなくまさに脳の病気なのだと教えてくれる。