紙の本
巧みな例えと、俯瞰したようなユーモアがちりばめられて、サクサク読み進めていくことができる。
2022/09/18 07:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「これは古市憲寿氏による日本版『サピエンス全史』だ」(佐藤優氏による推薦文)
ユヴァル・ノア・ハラリ氏による世界的ベストセラーを意識して、「面白い日本史が読みたい」との考えからこの本を執筆したという。
「大河ドラマや歴史小説は好きだけど、古代から現代までの日本の通史となるとちょっと自信がない。そんな人は少なくない。覚える用語が多すぎるうえ、ヤマもオチもない歴史教科書に挫折してしまうのだ」
だから、日本史をざっくり「古代」「中世」「近代」にわけてしまう。
それは「まとまる→崩壊する→再びまとまる」課程だと、ざっくり定義する。
固有名詞を極力描かずに解説をしていく。
「ドラえもん のび太の日本誕生」から、土地と所有の歴史を考えてみる。
古墳を残した豪族たちを、セブンイレブンのフランチャイズ戦略に絡めて見てみる。
巧みな例えと、俯瞰したようなユーモアがちりばめられて、サクサク読み進めていくことができる。
断片的だった歴史の知識の線と線が繋がり面になり立体になる。それが勝手に動き出していく。そんな爽快感がこの本にはある。
電子書籍
断片的だった歴史の知識の線と線が繋がり面になり立体になる。 それが勝手に動き出していく。そんな爽快感がこの本にはある。
2021/07/17 16:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「これは古市憲寿氏による日本版『サピエンス全史』だ」(佐藤優氏による推薦文)
ユヴァル・ノア・ハラリ氏による世界的ベストセラーを意識して、「面白い日本史が読みたい」との考えからこの本を執筆したという。
「大河ドラマや歴史小説は好きだけど、古代から現代までの日本の通史となるとちょっと自信がない。そんな人は少なくない。覚える用語が多すぎるうえ、ヤマもオチもない歴史教科書に挫折してしまうのだ」
だから、日本史をざっくり「古代」「中世」「近代」にわけてしまう。
それは「まとまる→崩壊する→再びまとまる」課程だと、ざっくり定義する。
固有名詞を極力描かずに解説をしていく。
「ドラえもん のび太の日本誕生」から、土地と所有の歴史を考えてみる。
古墳を残した豪族たちを、セブンイレブンのフランチャイズ戦略に絡めて見てみる。
巧みな例えと、俯瞰したようなユーモアがちりばめられて、サクサク読み進めていくことができる。
断片的だった歴史の知識の線と線が繋がり面になり立体になる。それが勝手に動き出していく。そんな爽快感がこの本にはある。
投稿元:
レビューを見る
もともと古市憲寿さんの本はいくつか読んでいるので、抵抗なく読み進めることができた。
ドラえもんのくだりとか、サザエさんへのツッコミとか挙げ句の果てにはFF10まで引っ張ってくるのも特に気にすることなく。(このへんに引っかかって挫折する人がでないといいな。)
自分自身歴史はそれなりに勉強してきたつもりなので、多少は知識もあり、また(個人的に)読みやすい文体なので挫折することなく読めた。
もちろん内容も面白かったのだが、この本は今後深めたい方向を定めるのにも適した本であったように思う。だっていっぱい注に書いてるから。しかも注すぐ隣にあるから。古市憲寿さんの本って注にクセがあるけど、今回はクセ全開であった。
ある意味ブックガイドとして機能しそう。これをとっかかりに歴史を勉強していくのはありだと思う。
そして、14章の記述はほんとに納得。おんなじようなことを考えた結果、歴史は教えたくないなと思うようになってしまった。だから、いろんな人が挫折せず最後まで読んで最後にいろいろ考えて自分なりのものを作り出せたらいいなと思う。
投稿元:
レビューを見る
歴史の専門家でない古市氏だからこそ書ける日本史の教科書。かなり人名や地名などのまどろっこしい部分が省略されていて、初学者向けにちょうどいい本になっている。
ただし、「面白い」となるとちょっと違う気がした。確かに、日本の歴史の大きな流れはこれでも掴めるかもしれない。しかし、「面白い」となると、やはりそこに生きる人間、それも歴史上の人物に光を当てた方がいいのではないかというのがボクの考えだ。
歴史に名を残した数多の人間たちの考えや思いは、なぜ生まれたのか?
なぜ、天武天皇は『古事記』の編纂を依頼したのか?
なぜ、源頼朝は「鎌倉幕府」を開こうと思ったのか?
なぜ、小泉純一郎は「郵政民営化」を行なったのか?
などの理由を学ぶ、もしくは自身で考察してみることこそ歴史の楽しさだと思う。
ちなみに、ボクは実際に「挫折」せずに読めた。「絶対に挫折しないなんて本当かよ」って人は一度読んでみてほしい。そして、挫折したならここで「挫折しました」と書いてほしい。それだけでタイトルへの立派なレビューになると思う。
投稿元:
レビューを見る
参考になったり、視点を変えたりすることができた部分もあったけど、別に「これなら絶対挫折しない!超わかりやすい!」ってことはなかった。前半は、中学校の歴史で学習することを、ざっくり無駄を省きつつ、そのままなぞっているだけ。中学校で歴史を教えている私は、すごく端折ってるけど、教科書に載ってるあれのことね、って確認しながら読んでしまったので、全然面白くなかった。現代の政治になぞらえて、注釈で皮肉ったりしてるところは、面白いと言えば面白い。でもまぁ、最近のちょっとしたネタだったりするので、10年後には無意味になっていそう。
後半はテーマ史になっていて、特に「家と家族」だったっけ?「家と性」だったっけ?ちょっとうろ覚えなのですが、伝統的な家族なんて、伝統でも何でもない、「家」の歴史を見てみると、こんなにも時代によって変容しているのだー!というあたりは面白かったです。今、こういう考え方ははやっているのかな。男が外で(組織で)働いて、女性が家事・育児を担うというスタイルは伝統でも何でもないと検証することで、現代の女性の社会進出を阻んでいる諸々に意義を唱える、みたいな。
社会科を教えているけど、歴史は苦手なので読んでみたけど、これによって歴史が教えやすくなる、という感じではなかったです。むしろ、迷いが生じてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
歴史のひとつの見方だが、権力のシステムという観点からみると確かにわかりやすくすっと府に落ちる。歴史嫌いの私もなるほどと大きな流れが理解できて良かった。
投稿元:
レビューを見る
歴史の勉強本ではなく、社会学的に歴史を捉えた本。
古墳をフランチャイズ店舗に例えたり、土地の所有権の変化をドラえもんの映画で例えたり、親しみやすくイメージを沸かせながら古代〜現代までをなぞることができる。
固有名詞をなるべく使わないようにした一冊なので小説のようにスーッと入ってくるのはいいが、「で、それをやった将軍は誰だったっけ…」とモヤモヤするところも。改めて日本史の教科書を開きたくなる。
印象的だったのは、現代の社会観によって過去の歴史のイメージも変えられるということ。何も考えずにただ与えられたものを暗記していた学生時代を反省させられる。結局、歴史について書かれた書物は未来の人が書いたもので、それを全て信じるのか、どう捉えて知識としていくのか、歴史観は何通りにもなるのだ。
古市さんらしいちょっと風刺の効いた、社会を俯瞰して見ているような表現が散りばめられていて面白い。
投稿元:
レビューを見る
サピエンス全史に触発され書いた、とあとがきに素直に書いてあり好感持てた
これだけ文献を読み、日本史をできるだけ抽象化したうえでテーマを絞りまとめていくのはすごい
歴史モノが好きな読書家は多いだろうが、読んでてワクワクする体験というのはなかなかない
その意味で、サピエンス全史と似ている内容であっても、それを日本に特化して書いてくれたことに敬意を表したい。
しかしその上でやはり、上下巻600頁のような大作にしてほしかったと思わなくもない
それから、タイトルがあまり良いとは言えない笑
投稿元:
レビューを見る
サピエンス全史ほどのスケール感はないものの、日本史を俯瞰して理解することができた。文章も気軽な感じで読みやすかった。
投稿元:
レビューを見る
歴史の教科書は暗記モノが多くて、なにかよくわからない。
日本の大まかな歴史の流れをつかむのに、
1.古代(縄文~平安):まとまる
2.中世(鎌倉~江戸):崩壊する
3.近世(明治~現代):再びまとまる
の3代に分けて整理する。
古代では、日本列島に人類が到達してからいくつも国が出現し、やがて一つにまとまり天皇が生まれる。
次に中世では、飢饉や天災により、まとまっていた国は再びばらばらになる。江戸時代で支配者が統一するも、国としてはバラバラのままだった。
そして近世になり、大日本帝国は国民の意識の統一を図り再びまとまることになる。
この本では、個人名や地名、時代名などの固有名詞はほとんど出てこない。
あくまで、日本という国の流れをつかむための本だ。
後半では、日本の主食コメや、夫婦の家族観を日本の歴史から見直し、本当に日本の伝統と言えるのか、むしろ伝統とは何かを問い直す。
まとまる→崩壊する→再びまとまるという歴史観は分かりやすい。
個別に気になる時代は、それぞれ調べよう。
投稿元:
レビューを見る
古市憲寿さんによる日本通史、日本史に現代の社会・エンタメ要素を混ぜ込み、帯で佐藤優さんが書かれているように、まさに日本版の『サピエンス全史』。タイトル通り、日本史が嫌いな人もサクっと読める一冊。難しい固有名詞・年号などは極力排除して書かれているので(安室奈美恵とかドラえもんは出てくる)、小説のように読むことが出来、俯瞰的に見た日本の古代中世近代の歴史がスルっと頭に入ってくる。
投稿元:
レビューを見る
この本は「古市憲寿氏による日本版『サピエンス全史』だ」という佐藤優氏の推薦文に惹かれて買ったが、一気読みだった。
名前や年号など歴史の流れにとって無駄なものは省いているので、短い量で日本史を通観できる。それと「テーマ史編」ということでテーマ別の日本史が書かれているのだが、これが秀逸である。
「コメと農耕の日本史」という章では、1970年代までは、日本はコメ不足であった。
1962年の日本人は118.3Kgのコメを食べた。それがコメ不足解消と共に、コメ消費量が減少してコメ余りの時代となった。
1980年には78.9Kg、2000年には64.6Kg、2018年には53.8Kgまで減少しているという。
投稿元:
レビューを見る
日本版サピエンス全史の触れ込みで、書店で平積みされていたので購入。とても平易な文章でスイスイ読めた。歴史を大観したい方におすすめ。内容もフレッシュなものがおおく、退屈しない。表現が回りくどくなくて、断定的でクリアカット。
投稿元:
レビューを見る
学生時代、あまり得意ではなかった日本史。
当時の私には、歴史を学ぶというより
無機質に暗記する教科だった。
大人になった今、実家に帰省した際に、
当時の日本史や世界史の教科書を読むと、
意外と面白くて学生時代が悔やまれる。
本書は、神様のような俯瞰した目線で、
巨視的に日本の歴史を描いている。
まるで、ドラえもんの道具で、
空から日本の成り立ちを
高速で眺めている感じだ。
テンポの良いスピード感が心地よい。
「ニッポン全史」だけでなく、
「コメ」「家族」「戦争」
などのテーマも設定されている。
歴史となると対象が膨大な上に、
イデオロギーも関わってくるし、
どの立場を採用するかで
歴史叙述の方法はまるで変わってしまう。
歴史の解釈、歴史をどう語るかは
とても難しいことだ。
作者が述べている、
「歴史とはつまるところ、
証拠と推論の組み合わせによって
織りなされる叙述である。」
この言葉は、すごく腑に落ちた。
誰かが何かを残し、
それを守る人がいたから、
歴史は続いてきた。
歴史を読み書きするのは、
この営みに参加することに他ならない。
コロナ禍で移動も憚れる日々なので、
本書で日本史の旅へ出かけるのも悪くない。
投稿元:
レビューを見る
歴史書としての切り口はユニークで、短時間で読み切りました。
ただサピエンス全史と比較するには無理があると感じました。