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電子書籍
私の履歴書 神田のサンマとニューヨークの青空
著者 澤部肇
●2019年12月に日本経済新聞に連載して好評だった澤部肇TDK元会長の「私の履歴書」を単行本化。●著者は大学を卒業した1964年、東京電気化学工業(現TDK)に入社。同...
私の履歴書 神田のサンマとニューヨークの青空
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神田のサンマとニューヨークの青空 (私の履歴書)
商品説明
●2019年12月に日本経済新聞に連載して好評だった澤部肇TDK元会長の「私の履歴書」を単行本化。
●著者は大学を卒業した1964年、東京電気化学工業(現TDK)に入社。同社は、東京工業大学の電気化学科が発明したフェライトという磁性材の技術に鐘淵紡績(現カネボウ)が資金を投じて1935年に創業した、いわば大学発ベンチャーの走りのような会社。当時、東京・神田の6階建てのビルを間借りしていたTDKはその後、世界的な優良企業へと業容を拡大していく。同社の歩みと自身の半生を振り返る一冊。
●著者は、工場や経理部などで厳しい上司の薫陶を受け、若くして社長室(のちの経営企画部)に配属される。ここで、同社の中核的な創業メンバーである3代目社長の素野福次郎氏、4代目社長の大歳寛氏の謦咳に接し、仕事や人生の諸々をじかに教わる幸運に恵まれる。中小企業だった同社は、音楽用カセットテープが大ヒットしたのを機に時ならぬ急成長企業となり、ニューヨーク証券取引所の上場を果たす。この間、著者は社長室の一員として経営を支え、貴重な経験を重ねた。その後、テープ事業を立て直し、磁気ヘッド事業では辣腕を振るい、社長に就任。ITバブル崩壊を乗り越え、新興のATLを買収して世界的な電池メーカーの礎を築いた。
●書籍としてまとめるにあたっては、好評だった新聞連載と同様に紙幅の多くを経営中枢での興味深いやりとりに割いている。著者の人柄を反映した率直な心情の吐露が、本書をいっそう魅力的なものとしている。
目次
- 第1部 門前の小僧
- 無名の小さな会社にもぐりこむ/秋田での研修でふるさとに出会う
- 「あほはいらん」と言われた玉川事業部/岩谷さんの1000本ノック
- 1969年大量採用/日曜の大歳学校でマネジメントのイロハを教わる
- ほか
- 中休み
- 母を励ました亀田タマ先生/こいつはそんなタマじゃねえよ
- 高校時代の2人の友、生涯の友に
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紙の本
テレワークはイノベーションを生まない(多分)
2022/08/20 13:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
一読、筆を抑えたところもあるでしょうし、また記者の原稿に手を入れたのかもしれませんが、叙述においては若々しい口吻、内容においては著者の高い熱量の迸りを感じ、元気とヤル気をもらいました。ビジネスの世界において、若い方、ベテランなど、立場により世代によりそれぞれに得るところの多い素晴らしい一冊。ちなみに、評者の印象に残った箇所を幾つか挙げれば、以下のようなあたりです。
「猫の手の一人として、若いうちから能力以上の仕事を与えられ、何でもチャレンジを許された。しかも社長ではないから責任はなく、居心地のいいところで、好きなようにあれやこれやと思いついて、会社を動かした。私の55年間の会社人生で一番楽しかったのがこの時期で・・・」(3頁、同旨113頁)
>>> 評者の個人的体験に照らしてもまったく同感でした。若いうちにこういう「下剋上」的な経験を積めるかどうか(自発的であると非自発的であるとを問わず、積ませてもらえるか否か)は、人生において決定的に重要だと思いますね。
「優秀なやつは自然と上に上がっていく。取り巻きだから偉くなったと思われるのは本人にも損や」(46頁、大歳元TDK社長の言葉)
>>> 確率的にはその通り。但し、そういった機微を理解して配慮できるいわば「名伯楽」の有無もまたクリティカル。
「経営者が結果を出せるかどうかの7割は運ではないか。私の場合、8割以上が運だったというのが実感だ」(157頁、同旨162頁)
>>> 至言。
概して云えば、いかにも昭和世代サラリーマン(?)の生きざまという感じの一書でしたが、その「発現形態」はどうあれ、時と所を超えて最後は氏のような真っ当な頑張りと人と人とのぶつかり合いの総量が日本経済の最後の拠り所だと感ずる今日此頃です。本書からは若干離れますが、昨今はやりのテレワークなんかで日本にイノベーションが起こるとはとても思えない、と本書を読んで改めて愚考した次第です。