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投稿者:wktk - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪人の中に善人が潜むのか、善人の中に悪人が潜むのか…。
100%の善人がいないように、100%の悪人もいない……のかな? いや、いるか。笑
行き場のない人たちによる悲劇
2021/05/28 21:25
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方都市ならではの閉塞感と、顔のない群衆の悪意が息苦しいです。すべてが終わった後に、果たして誰が「悪人」だったのか考えさせられます。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
平凡な、双子の妹と暮らす馬込光代は、携帯サイトにアクセスします。 そこで運命の相手と思う男性を見つけ、しかし重大事件の犯人だったので、一緒に逃げるということに……。そこまでするかなぁ、と、。
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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画が面白かったから原作も読みたくなって読みました。映画も原作も完成度が高くてどっちも素晴らしかったです。
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新装版が出てたので再読。
悪人は誰?
祐一と光代の、たった数日間の逃亡劇。何もなかった二人が出会って求めあい、祐一の罪が二人を引き裂こうとする。
1つ言えるのは、殺された石橋佳乃も置き去りにした増尾圭吾も好きになれない。
九州弁(?)がいい。言葉の1つ1つが突き刺さる気がする。こういう時、方言はいいね。
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映画は観ていないのだけど、以前「怒り」を読んで衝撃だったので手にとってみた。
早々にといか、あらすじにもう犯人がでているのでどんな展開かと思っていたが、登場人物の人柄、背景が丁寧に描かれていて、誰にとって悪人なのか、誰が悪人なのか、ある意味クロだけど、グレーな作品。あぁ、割りきれないな。
殺されるより、閑散とした山の頂上で車から蹴り落とすアイツに怒りをぶつけるお父さんの気持ち、何だかわかる気がする。
映画で妻夫木くんが主人公をどう演じているのか気になる。
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愛情に飢えている人間の不器用な人生を描いていた。不幸な人生を送ってきたから、愛に飢えたのか?優しさは、持って生まれたものなのか?考えさせられます。
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この作家は上手い。
ごく単純なストーリーを何人もの人物を通して話を進めて行ったり、回想の部分を絡めて展開していく。
話が進むに連れ人間臭さや人の悲哀が増していく。
引き込まれてしまう。
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シンプルな設定にシンプルな展開。ミステリーとして書かれた感じはしないし、ひねりもあまりない。しかしそれだけではなさそう。逆に作者の意図を斟酌したくなる。この作品で伝えたかったことは何なのか、しばし考えることになる。
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終わりは見えているのに、これはどう終わるのだろうと先がこれほど気になった作品も珍しい。
「悪人」は誰なのか?
読み終わった時にもう一度読み始めたくなる。
個人的には怒りより好きかもしれない。
吉田修一は人物を多面的に切り取ることがとても上手だ。
三人称一元で描きながら、人物にすんなり感情移入できるのに、その人物を他者から見た際まったく違う像が浮き彫りになる。
人って結局自分がいいように生きているし、じぶんがいいように世界を観ているんだろうなと思う。
同時に他者から観られて初めて人物は立体になるし、地に足の着いた生身の人物になる。
吉田作品はその巧妙さをパレードですでに見せていたけど、悪人を読むとさすがにその技術に驚嘆せざるを得ない。
九州の地方の人々をそのまま写し取ってきたような人物は、本の中で間違いなく生きているし、触れることができるくらいリアルな気がする。
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同著者による他の作品が面白かったので衝動買い。「殺人事件」をテーマにしているが、謎解きや予想を裏切る展開などを期待すると肩透かしを食らうと思う。しかし昨今の日本人作家による長編には珍しく、登場人物の造形がしっかりしていて読み応えがあった。愛に飢えた人々が次々と出てきて、色々と考えさせられるところもあった。映画のほうも近いうちに観てみたいと思う。
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約500頁で読み応えがあったが、あっという間に読まされた。次々にインタビュー形式で語り継がれるうまい手法には感心した。
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吉田修一の代表作。本当に悪い奴は誰か。殺人を犯してしまった主人公なのか…。彼は本当の悪人なのか。不幸な事件に巻き込まれて人生が変わる主人公とその周囲の人々。特に主人公の祖母、一人娘を殺害された理髪店の夫婦…彼等のやり切れない気持ちは読んでいて辛い。スリリングな展開と心に押し寄せる悲哀。妻夫木聡、深津絵里が演じた映画も秀逸。祖母役の樹木希林、理髪店亭主役の柄本明。この2人の演技は深く深く心に残る。家族が殺人者、被害者になるのはやり切れないことだと思う。想像が出来ないし、身勝手だけれどあって欲しくないと感じる作品。
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映画化された時の評判からいつか読みたいと思っていた。アマゾンAudibleは福岡出身の中村蒼と久留米出身の田中麗奈による朗読。博多、佐賀、久留米、長崎が舞台となるストーリーの中に、登場人物に対する警察による事情聴取のモノローグが挿入される。詳細な場面描写に加えて、個々の登場人物の語りが重層的に物語を積み重ねていく。九州の言葉で語られる言葉を聞くのは凄い読書(?)体験だった。
人間の善悪は単純に明確化できるものではなく、善人・悪人という区分はできない。また、世間の耳目を集める犯罪においては、加害者と被害者という当事者だけでなく、その家族たちの人生にも大きな影響があるということが描かれている。
映画では樹木希林が演じたという主人公の清水祐一の祖母の房江、同じく柄本明が演じた被害者の父・石橋佳男の2人の人生がやるせない。
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心惹かれる文章がちりばめられて
ストーリーは
ある若者が携帯サイトで知り合った若き女性を殺人してしまい
逮捕をから逃れるために
またまた携帯サイトで知り合った29歳の女性とともに逃避行のあげく・・・
と、超単純な事件のようですが
殺された女性の状況、若者のおいたちと性格、一緒に逃げた女性の事情
の多方面から描かれていて、たしかに読み応えありました
構成がいいというより、登場人物一人ひとりによりそったフレーズの部分が秀逸
「そうだよね~、このことってわかる!」
という人間の生き様より浮かびだしたような描写
たとえば
殺された女性が携帯サイトで男と付き合ってることを打明けられていた友人の
「子供のころから友達を自ら選ぶというのではなく、
いつも誰かに選ばられるのを待っているような性格」
だから友人が少なく
会社で全く性格の違う被害者の女性と友達になれほっとしていた
けれどもそんな性格だから
打明けられた友達の冒険を一緒に味わって楽しんでいた恥から
事情聴取に真実を言えず、事件の解決を遅らせてしまう事情
犯人の若者のおいたちのリアルさ、一緒に逃げる29歳女性の寂しさ
文章のそこここにうなずいてしまったのです
そして最後に「あっ!」と驚く結末の人間臭さがおもしろかったですね
この世の中「悪人」なんていない、とは思いませんけど