BLACK TIGER ブラックティガー 6

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投稿者：求道半　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

臨機応変に引き金から指を離せなければ、たとえ百発百中の命中精度を誇る者であったとしても、賞金稼ぎとして大成するのは無理である。
　賞金稼ぎは、盲目的に手配書の指示に従う、合法的な殺人者であってはならない。
　目の前で家族を殺された者の苦しみや怒りは、ブラックティガーが一番、理解しているであろうが、手配書の命ずるままに、抵抗する容疑者に対して反射的に応戦すれば、犯罪者の家族にも、自分と同じ体験をさせてしまう事となり、かと言って、反撃しなければ、自分が殺されて、犯罪者が野放しとなるだけなので、賞金稼ぎに迷いは禁物ではあるものの、いざ、ブラックティガーがこの問題に直面した時には、葛藤が生じて、適切な判断が下せなくなるかもしれない。
　一仕事終えて、もぐりの医者のウエキと一端、別れたブラックティガーの前に、ある人物が、現れる。第六巻の描写において、特筆すべき点は、ブラックティガーの表情の多彩さであり、その人物と話すブラックティガーの顔は、蚊も殺せない少女のようだ。
　南北戦争が終結したとは言え、人心は荒廃したままで、治安が悪く、全米各地で、ブラックティガーの手を借りたい人々は多く、ブラックティガーの下には、矢継ぎ早に、仕事が舞い込む。
　潜入捜査や、レンジャーの育成、重要人物や拠点の警護等、彼女の任務の内容や赴任地は多種多様で、広範囲に及ぶ。
　ブラックティガーは任務にペットも連れて行く。
　名うての同業者に引けを取らないブラックティガーの機転の良さと勘の鋭さは、自他共に無用な血を流させない、賞金稼ぎにとって必須の技能である。