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祝い飯 料理人季蔵捕物控
著者 和田はつ子
「茶屋みよし」のおしんさんが、おめでたらしい――日本橋は来原店にある一膳飯屋「塩梅屋」の主・季蔵は、先代の娘・おき玖にその話を聞き、早速、豪助を訪ねた。当の豪助は、身を固...
祝い飯 料理人季蔵捕物控
祝い飯 (ハルキ文庫 時代小説文庫 料理人季蔵捕物控)
商品説明
「茶屋みよし」のおしんさんが、おめでたらしい――日本橋は来原店にある一膳飯屋「塩梅屋」の主・季蔵は、先代の娘・おき玖にその話を聞き、早速、豪助を訪ねた。当の豪助は、身を固めるつもりらしい。季蔵はふたりのために、心のこもった祝言の折り詰めを作ることに……(「祝い飯」より)。表題作ほか「里芋観音」「伊賀粥」「秋寄せの箱」の全四篇を収録。愛する女性と市井の人びとのため、季蔵は今日も密かに悪を討ち、そして美味しい料理を作り続ける。大人気シリーズ第十三弾。
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紙の本
はそこそこでどうも新登場人物;小猿の“小吉”を肩に乗せた若侍(実は娘)“利う”の紹介編のようであり、季蔵と“利う”の係わりが主題となっている。
2016/12/08 00:10
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回は、事件はそこそこでどうも新登場人物;小猿の“小吉”を肩に乗せた若侍(実は娘)“利う”の紹介編のようであり、季蔵と“利う”の係わりが主題となっている。
一話・二話、前巻で“豪助”との婚礼直前に殺された美女・れいの妹・おしんとの仲が宜しいようだったが、“おしん”が妊娠して遂に“豪助”と夫婦となり、瑠璃←季蔵←おき玖←豪助という少々困った恋愛感情の連鎖の一つが解決して、瑠璃←季蔵←おき玖という構図に変わる。季蔵は、小猿の“小吉”を肩に乗せた賭場荒しの若侍(実は娘)“利う”と出遭い、怪我の手当てをしてやる。そんな折、魚屋が鯛の皮に石見銀山の水銀を塗って3人も殺すという事件が起こるが、下手人は首吊り自殺体で見つかる。
三話では、この事件に対して調査打ち切りが命令されたことと、“利う”に関心を持った季蔵が北町奉行・烏谷椋十郎に相談すると、烏谷は何故か“利う”のことを知っているらしい。烏谷の情報で、“利う”の後を追うと、“利う”もまた誰かの後をつけて、そのまま賭場へ入る。そこで、季蔵は壺の中の賽の目を見ることが出来るという特殊能力のことを知る。そんな折、今評判の唐芋(サツマイモ)売りの二平の石見銀山の水銀を塗った石焼き芋で豪商が毒殺され、下手人の二平もまた首吊り自殺体で見つかるが、現場を調べた季蔵は足跡から大男による偽装殺人だと確信する。
四話では、やっと“利う”や“お澄”(抜け忍の伊賀者の実の娘で、捨て子の“利う”と一緒に育てられた)と話した季蔵は、推理を進めて真の悪人として森田藩の財政を握る平子屋の主・弥平次に狙いをつける。この狙いは図星で、北町奉行・烏谷椋十郎も真相を知りつつも手を出せずに苦しんでいたのである。この辺で、一気に本巻の種明かしがなされる。この平子屋の主・弥平次は“お澄”の実の親である抜け忍の伊賀者の弟分にあたる伊賀忍者であり、女に惚れて同じく抜け忍となっていたのである。その女との間に生まれた女子が“利う”だったのである。父が母親を殺すのを目撃した“利う”は、母の仇を打つために平子屋の主・弥平次を追っていたのである。平子屋の主・弥平次暗殺という点で一致した季蔵は、単身かたき討ちのため平子屋へ向かった“利う”のためにも烏谷の助力を得て平子屋へ向う。運よく弥平次を仕留めた“利う”は“お澄”とともに姿を消してしまう。(“お澄”の父親は季蔵と会った直後に老衰で死んでしまっている。)
さて、瑠璃←季蔵←おき玖という構図で納まったかと思った途端に、“利う”という存在が出現してまた構図は複雑になってしまった。“利う”の出番は次巻以降、要注意ですね。