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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクションのエッセイかと思った。
私は本当に方向音痴なので、今まで何度、地図にお世話になったか…それもこれも主人公のような人々のおかげなのだな。
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本書は地図会社「ゼンリン」がモデルだそう。
地図に生涯を捧げた男たちの物語は、友情、仕事、家族、人生と味わい深い一冊でした。
親子で地図作りに携わる俊介の話も良かったけど、幼馴染みの一平と湯太郎とのクスノキの誓いも良かったなぁ。
「一つ、友のピンチは助けること」
「二つ、友の頼みは断らないこと」
「三つ、友に隠し事はしないこと」
今や当たり前に使っている地図アプリやカーナビ。元は一軒一軒歩いての地道で気が遠くなる調査が始まり。その積み重ねの集大成が地図であって、今の便利な世の中なんだと思い知りました。
どんな業界でもその道の開拓者には尊敬しかありません。
驚きの展開と感動もあってウルッとしました。
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友情、青春、仕事、人生。良いです!
親子関係も良かった。
自分も一部関わったことのある仕事。
もしかしてがやはり!になり感激。
機会があれば再読したい。
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父たちの友情、俊介、一平、湯太郎たちの友情、地図づくり、家族… 地図を埋めていくことと、人生をしっかりと歩むこと…、ゼンリンの方の本当の歴史も散りばめているのだろうか、とても深い物語だった。クスノキの木に掘られた大切な、二世代の友情が、家族の愛が胸を打つ。いい本だったなぁ、読んで良かった。
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暢気に読む状況ではなくなった。純一の手紙に涙腺が緩み、タオル片手に読了。友情、家族、仕事という舞台で息衝く人々の優しさや温かさが全身に染み渡る感動の一冊でした。
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「世の中には、絶対に間違えちゃいけん印刷物が三つある。電話帳、新聞の株式欄、住宅地図や。誠実を胸に刻んで歩こう」
日本中の全建物と全氏名が入った住宅地図。
今や当たり前にある住宅地図が、こんなに汗水流して作られていたなんて。
時に犬に吠えられ時に地域住民に怒鳴られながらも、首から画板をぶら下げて表札を一軒ずつ書き留めていく。ただそれのみ。
地図の空白地帯を埋める、というその地道な調査は、誰にでも出来そうで誰にでも出来る仕事ではない。
日本中をひたすら歩いて回り、正確な地図を作る。
調査の仕事は百点満点で当たり前。一軒でも書き漏らしがあれば欠陥商品。
そんな厳しい仕事に、時に投げ出したくなることもあるけれど、誰も足を踏み入れたことのない土地を歩き、たずね、しるす。そんな発見と創造の醍醐味を知った男たちは、ただひたすら丁寧に道をたずね歩く。
たとえ時代が移ろおうとも、男たちが築き上げた信念は変わることはないのだろう。
今やググれば瞬時に出てくる地図も、そのベースとなるものは先人たちの足で稼いだ汗と涙の結晶なのだ。
NHKの『プロジェクトX』の題材になりそうな物語だった。
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しみじみと良い話だった。
仕事の話としても、
友情の話としても、
家族の話としても、
胸に沁みる内容だった。
毎日調査することに嫌になったら
どうすればよいかという、
若手調査員の言葉に、ベテランが返す言葉が
本当に良かった。
こういう気持ちで仕事がしたいと思った。
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ラスト、じわじわと涙。
学ぶこと、働くこと、生きること。
家族、友人に助けられ、助け、共に生きていること。
必ず人は亡くなる。
人生の終わりにこんなに穏やかに、幸せを感じられるような生き方に涙が出た。
ゼンリンの地図を初めて見たのは社会人になった18の時。
すごいなーと思ったのを覚えている。
そのゼンリンをベースにした仕事と友情、家族。
まだ1月だけど星5つ!
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全建物と全氏名の入った地図を作成するという苦しいけどやりがいのある仕事。そんな仕事に親子2代かけて男たちが挑む姿を描きながら、素晴らしき家族、素晴らしき友情を高らかに歌い上げた名作。静かな感動が広がります。平岡陽明、初読み作家さん。「道をたずねる」、2021.4発行。
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タイトルに惹かれた。
今やメジャーの地図メーカーが地図屋だった頃から勤める俊介の地図作りを通じて人生を描いた話。
タイトルから勝手に想像していた話とは違っていたけど、最後まで読んで良かった。
以下は所感
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地図を見るのは結構好きで、
そこには何があるんだろう
どんな人が住んでいるのか
どんな風景なのか
何でこんな地形になっているのか
ここからだとどうやって行けばいいのかなど
見ていて飽きることがない。
きっと自分の中にも道を訪ねたい欲求があるんだと思う。
日本の道って、どこまでも繋がっていて本当にすごい。どこを歩いてもゴミだらけという事はほぼ無くて、誰かれなくキレイに使っている。本当にすごい事だと思う。
地図を作る仕事がこんなにも地道で大変な作業だったとは、そしてそれが今の便利な社会にとてつもなく大きく貢献していたと考えるらば、壮大な話だったと思う。
人生の中で会社生活が占める割合は今もやはり大きくて、人生そのものを形作る事も多い。そこで志を立て仕事を通じてそれを実現していく事。それもまた素晴らしい事だと思う。地上の星⭐️
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創生期から発展途上の地図情報会社キョーリンを舞台に、友情や家族の絆を中心に描くヒューマンドラマ。
* * * * *
住宅地図製作は究極のアナログ産業と言えます。基本は、足で稼ぎ丁寧に調査して正確に記載すること。だからこそ仕上げた地図は自信と誇りの結晶になります。
そんな職人の世界が、物語の舞台です。
企業理念もいい。
「三方よし」。
ビジネスの規範となるこの精神は親方・永伍から社長・一平へと受け継がれます。利よりも人を重んじる社風は理想的です。
篤い友情や固い家族の絆は美しく心を打ちます。でもそれは、この舞台があるからこそいっそう輝いて見えるに違いありません。
利益至上主義の現代ではあまり見られなくなった世界ですが、見直される日が来るかもしれないとふと思ってしまいました。
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地図帳を眺めるのが好きで、タイトルと帯に引かれて手に取った1冊。
正しい地図を描くために日本中を歩き回る調査員たちの熱い思いに心が打たれた。
今ではスマホを開けばすぐに見ることのできる地図。時を遡ると地図を描くために必死に調査してくれた人たちがいる。地図はその調査員たちの汗と努力の結晶なのだなと思うと、感謝の思いでいっぱいになった。
友人、家族など人生において、人との関わりは財産であるのだと感じた。
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日本の住宅地図で有名なゼンリンの草創期を題材にしたフィクション。
東京進出の前哨戦である名古屋で地下街の地図作りに悩まされたり、手形を持ち逃げされたりと仕事の様子が面白く描かれるが、お仕事小説の枠に留まらず友情や家族の在り方、戦争の残酷さも見事に描く傑作でした。
今年のマイベスト3に入る予感。
ちなみに「ノルマ」がロシア語だとこの小説で知りました。捕虜が強制労働で言われ続けて、日本に持ち帰った言葉のよう。
世の中知らないことばかりである。
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124先人の艱難辛苦というのはいつのよも同じかなぁ。1秒で億を稼ぐ人もいれば、靴をすり減らして仕事を得る人もいる。この住宅地図にはお世話になりました。この精神がこれからの生き続けることを祈ります。
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ひっっさしぶりに小説で泣いた、めちゃくちゃよかった…!
昔、仕事でお世話になった地図の会社「ゼンリン」をモデルにしたお仕事小説。Googleマップが劣化したみたいなニュース昔あったけど、「あれはゼンリンの地図データが使われなくなったから」と聞いて、すごいなと思った記憶があった。
とにかく創業メンバーの熱意と仕事へのプライドがすごい!すばらしい!合言葉は「地図の空白地帯を埋めろ」。調査員は人が住んでいるかもしれない場所があれば、最後の一軒まで突き止める。行き止まりの最後まで行く。完璧な地図を作るために。地図を頼りにするひとりのために。
別府温泉から始まって、東京陥落に向けてじわじわ攻めていくストーリーがキングダムみたいだった。創業家の社長が二代に渡ってめちゃくちゃ冴えてた。あと個人的に、会社を支え続けた盟友の金融機関もめちゃくちゃかっこよかった。
「住宅地図」が時代に合わせてどう成長してきたかをとても分かりやすく勉強できる一冊で、高度経済成長のエネルギー、なんでもありな感じも追体験できる。
ただ、お話はそれだけじゃなくて、調査員という仕事に絡んで壮大などんでん返しもあり、社長とその幼馴染みたちの一生ものの友情もあり。厳しい時代と親子の愛や、素直に頼る・絶対に助ける・嘘はつかないというこどもの頃の誓いを死ぬまで守った友情にも涙。
めちゃくちゃ良かった。こんなに色々盛り込んで全部最高なの、すごい。