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サハマンション
「世界でいちばん小さくいちばん異常な都市国家」である「タウン」。そこでは……。「口にしたり書いたり印刷したりしてはいけない単語があった。……歌ってはいけない歌があり、読ん...
サハマンション
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商品説明
「世界でいちばん小さくいちばん異常な都市国家」である「タウン」。そこでは……。「口にしたり書いたり印刷したりしてはいけない単語があった。……歌ってはいけない歌があり、読んではいけない本があり、歩いてはいけない通りがあった」。その中で、「サハマンション」は「唯一の通路もしくは非常口のような場所だった」。そこには犯罪を犯して逃亡してきた者たち、「タウン」から排除された人々が流れついていた。
目次
- 姉弟/サハマンション/701号室、ジンギョン/214号室、サラ/201号室、マン、三十年前/201号室、イア/714号室、スーとトギョン/305号室、ウンジン、三十年前/311号室、花ばあさん、三十年前/311号室、ウミ/701号室、ジンギョン/総理館/著者あとがき/訳者あとがき
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紙の本
命のかかっている人の言うことは信じてはいけない
2024/06/03 09:50
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
サハマンションは過去に傷をもった人のたまり場、それは殺人だったり、医療ミス(それも偽医者)で人を死なせたり。破綻した自治体を企業が買い取って都市国家「タウン」の最下層民を描いている、日本の小説でいうと、徳永直の「太陽のない街」での資本家に酷使されて使い捨てられようとしている労働者や中上健次の作品に頻繁に登場する「路地」の人たちと重なり合うような気がする、彼らの共通点は何度踏まれてもエネルギッシュであること(一見、なげやりに見える人も実は)、このディストピアで語られる会話の中に「ウサギとスッポン(亀ではなく)」の昔ばなしがある、ウサギは自分の生肝を食べられないように竜王に「日当たりのいいところに干してきた」と嘘をつく、命のかかっている人の言うことは信じてはいけないという、苦い人生から出て来た怖い怖い訓話だ