電子書籍
われらの狩りの掟
著者 松野志保
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ◆第三歌集ウェルニッケ野に火を放てそののちの焦土をわれらはるばると征く私にとって歌とはずっと、失われたもの、決して手に入らないものへ...
われらの狩りの掟
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ
◆第三歌集
ウェルニッケ野に火を放てそののちの焦土をわれらはるばると征く
私にとって歌とはずっと、失われたもの、決して手に入らないものへの思いを注ぎ込む器だった。それが、この歌集を手に取ってくださった人が抱え持つ喪失や希求と響きあうことがあればと願うのみである。
(あとがき)
◆自選五首
無傷であることに傷つく葉桜の下あたらしい帽子を被り
光年という距離を知りそれさえも永遠にほど遠いと知った
奈落その深さをはかりつつ落ちてゆくくれないの椿一輪
ハーブティーにとかすはちみつひと匙の慈悲それで人は生きられるのに
みなそこのさくらよさくら海が陸はげしく侵し尽くした春の
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
BLですか?
2021/04/25 07:05
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
松野志保の過去の歌集は「BL短歌」という括りで語られることが多かった。今回もその色彩は皆無ではないのだが(実際にその内容が詠まれている歌もある)、バックグラウンドに影を潜め、非常に流麗な、そして時にトリッキーな短歌が大半を占める。あとがきを読めば解かるが、松野も、BL短歌のみで括られるのには抵抗を覚えている様だ。残念に思われる読者もいるだろうが、松野がBLと完全に訣別したわけでもないし、軸足の位置を少し動かしただけの話だと思うから、温かな目で見守ろうかと思う。腕前は確実に上がっている。そこをまず評価すべきだろう。