飽くなき探求心と遊び心。
2021/09/07 14:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰もが一度は目にしたことがあろう「ザ・シンプソンズ」。
真っ黄色の肌と飛び出んばかりの大きな目玉からなる独特なキャラクター造形は、一度見ると忘れることはできない。
そんな世界的知名度を誇る人気コメディアニメの背景を探ったのが本作である。
著書は「フェルマーの最終定理」という傑作数学ノンフィクションを手掛けたサイエンスライターのサイモン・シン。
なぜ科学を専門とする彼がアニメ作品について取り上げているのか。
それは、「ザ・シンプソンズ」にありとあらゆる数学が登場するからである。
つまり「ザ・シンプソンズ」はコメディアニメ作品としての側面だけではなく、数学にまつわるジョークやオマージュがこれでもかというほど織り込まれており、まさに数学者たちにとっての楽園といえる作品であることが明かされていく。
また、本作では「グーゴルプレックス」や「メルセンヌ素数」、「タクシー素数」といったあらゆる数学的トピックとそれがアニメにどう使われたかを分かりやすく説明してくれる。
数学に関しての知識がないからといって心配する必要は全くない。
著書の筆力と明快な説明によって誰もが楽しめる作品になっているからだ。
数学という側面から「ザ・シンプソンズ」を見ていくことで次第に明らかになる作品の深遠さ。
論理的思考を極めし脚本家たち(ハーバード大学卒などがざらにいるようなレベル)によって生み出された、様々なシーンの真相に触れることができる一冊。
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「ザシンプソンズ」という独特のせんをついた面白い本。すごすぎる数学者が携わっていたという事実を紹介してからどこに生かされていたのか紹介されている。
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あのサイモン・シンの新作だから、もちろん翻訳は青木薫さんだから、文庫が書店に並んだらすぐに買って読んだ。ただ、どうも中身はアニメ「ザ・シンプソンズ」の話らしい。アニメには全く興味がない。しかし、読み進めていくとなんとなんと数学の話題が満載ではないか。それもそのはず、このアニメ脚本家の数名は数学を専門にしていたらしい。そして、番組の中にこっそりと数学ネタを忍び込ませている。それを見つけ出すのが数学オタク(ナードとかギークとかいうらしい)にとっては楽しいわけだ。日本にそんな番組はあっただろうか。「ドラえもん」はどうだ。「ふしぎなメルモ」ならどうだ。まあちょっと違うなあ。数学オタクが楽しめる番組・・・そうか、「コマ大数学科」があった。本書解説の竹内薫さんとビートたけしさんのあの番組。復活してほしいなあ。もっというと「たけしの万物創世記」をまたやってほしい。授業ネタ満載だったからなあ。竹内さんも本書から授業のネタを見つけているようだけれど、僕の場合は、パンケーキをサイズ順に並べ替える問題かな。最初、ハノイの塔と同じかと思ったら、複数枚いっしょにひっくり返せるということでずいぶんと違っていた。問題はわかりやすいけれど、やってみたら意外と難しいというのが一番。ところで、タングラムをはじめ、いろいろな形を作るパズルは数多くあるが、ピタッとはまったときの感動は大きく、中毒性がある。そしてこれは収納にもつながるのではないかと思っている。食洗機にぎりぎり入るかどうかの食器を詰め込んでいく。終わった後の食器を棚にしまい込んでいく。どちらも毎日楽しくて仕方ない。(追記)著者による謝辞に含まれているが、前作の「代替医療解剖」のために名誉棄損で訴えられたらしい。たしかに、あれだけ書かれてしまうと商売あがったりだろうしなあ。とは言ってもエセ科学にだまされる人は結局なくならないのだろうなあ。
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ザ・シンプソンズに数学的な遊び・仕掛けが盛り込まれているのはわかった。が、肝心のザ・シンプソンズの作品が簡単に見られないのが致命的…
このタイミングでYou-tubeに無料アップでもしてくれたらいいのに…
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海外アニメ「ザ・シンプソンズ」については真っ黄色のキャラクターぐらいしか知識がないんですが、著者が「フェルマーの最終定理」や「宇宙創生」のサイモン・シン、さらに翻訳が青木薫だったのでこれはもう間違いないと判断しました。まったく知らなかったんですが、あのアニメの脚本家たちはハーバードなど一流大学出身の数学マニアで、物語のあちこちに科学や数学のネタが仕込まれているそうです。この本はそれらのネタをかいつまんで、とても分かりやすく解説しています。シンプソンズを全然知らなくても面白かったです。ただ、最後の方に「フーチュラマ」というアニメの話題に移るんですが、そっちはなんとなく馴染めなかった。
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シンプソンズの脚本家には数学の素養をもった人たちが少なからずいる。シンプソンズや彼らの担当したフューチュラマには数学ネタが詰まっているという。
シンプソンズは全く見たことがなくても、それなりに面白く読めた。一般向け数学の解説も健在。シンプソンズもフューチュラマも見てみたいと思った。
今までのサイモン・シン3部作からすると、内容は軽めで、ドラマ性も薄い。ワクワクするような読書体験を求めて読むと肩透かしだと思うが、気軽な読みものとしては十分に面白い。
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日本とアメリカで学位への考え方が違うとはよく言われます。米国では、各々の専門性はアイデンティティの一部であり、そのバックグラウンドで何ができるのか?ということが大事なので、別に同じ分野の職につかなくてもよく、活躍の場は広いが、日本では学位は「専門バカ」と見なされ、「現場で活躍できない」とされたり別分野に行こうとすると「もったいない」と言われたりします。
それでも、シンプソンズの制作スタッフに数学の学位をもったマニアが集まっているとは思いもよらないでしょう。シンプソンズは米国のみならず世界でも話題のお下品ギャグアニメですが、よく見るとーー劇中の学校で黒板に書かれた数式などーー深遠な数学のテーマが散りばめられているのです。そして、まさにそのことによって、世界中の知識人から愛されているのです。
制作スタッフのなかのある人は、やはり自分の人生について、これで良かったのかと考えるそうです。その言葉を聞いて、言われているのとは違ってアメリカにも専門を勉強したら専門職へという考えがあり、それとの折り合いをしながら自分の価値を高め、好きなものを世の中に問うのだなと思いました。大事なことは、自分の学んだことをバックグラウンドとして、何ができるのかということなのだと再認識できる1冊でした。
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米国のコミック「シンプソンズ」のスタッフには、数学者がいっぱい。コミックの中にも数学の有名な数式やフレーズが頻繁に登場しているという。その数式を取り上げ、数学ネタや数学史について繰り広げてくれる。
正直、数学的な内容はほとんどわからないけれど、読み物として楽しく病んだ。この人たち、本当に好きなんだね数学が。真に遊び倒しているんだろうなあ。
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ザ・シンプソンズを一度も観たことはないが、知的な脚本家たちが作りあげていることに興味を持った。
個人的には、マネーボールやフェルマーの最終定理のオマージュが面白いと感じた。
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フェルマー近似のエピソードがおもしろい。
3987の12乗 + 4365の12乗 が、ほぼ 4472の12乗 で、フェルマーの最終定理どこいった?と錯覚するところ。
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下品でもあり、なんとなく知的な要素も含まれていたシンプソンズが好きで、BSでよく見ていた。
当時は軽く楽しんでいただけだけれど、これを読んでもう一度見返したくなって、DVDを買ってしまった。
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シンプソンズファンからするとかなりマニアックな内容です!
数学が苦手な私からしてみればん?何言ってんだ??と思うことが多々でした笑
でも、「あー!あのシーンね!」嬉しくなり、またアニメを見直しました!
こんな意味があったんだ…とこの本を読まないと気づかないことばかりでした!
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黄色い家族のアニメ「ザ・シンプソンズ」にこれほど数学の要素が盛り込まれていたとは知らなかった。制作側は頭のキレる数学オタクばかりで、作品の進行を妨げないように特別な数字や公式をこっそりと、しかしわいわい盛り上がりながら作中に散りばめていた様子がなんとも可愛らしい。分かってくれる人にだけ届けばいいというスタンスで、視聴者のナードやギークに向けて数学愛を示すというとんでもないアニメだったとは思いもしなかった。「数学者たちの楽園」という邦題にも納得。本書内ではサイモン・シン氏の著書「フェルマーの最終定理」と「暗号解読」からの懐かしい内容が出てくる。やや重複する箇所もあるが、その文面から著者がどれほどこれらのテーマを愛しているかが伝わり、読んでいて楽しい。翻訳は安定の青木薫氏で読みやすい。ザ・シンプソンズを観たくなってしまった。
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数学に明るくなくてもしっかり面白かった!
シンプソンズのアニメ脚本家チームには名門大学の数学科出身が多く、アニメの中には数学への愛のあるジョークや歴史的な数学者のオマージュがふんだんに織り込まれており、その解説を「フェルマーの最終定理」でお馴染みのサイモンシンがしてくれる。贅沢な一冊。
なぜ数学者がコメディ脚本家に?と思うが、数学の証明のプロセスと脚本を書くプロセスが似ているというのに納得。(目的地があるか保証されていない点。)
アニメの内容も皮肉やウィットに富んだジョークがあり、見てみたいと思った。(シンプソンズの代表作はCCレモンではない。)
やっぱり、普通の人にとって「何でそんなことに時間かけるの?」と疑問に思ってしまうことを、本人にとってはその姿が正しいという哲学があるから時間やお金を惜しまず情熱をかけて取り組めるという物語が好きだ…!