増補 女性解放という思想
著者 江原由美子
「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々...
増補 女性解放という思想
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商品説明
「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々を深く鋭く明かす論考集。1部には、イデオロギーに根ざす80年代女性解放論への批判と、「性差があるから差別ではない」とする言説の本質的な不当性を喝破した論考を収録。2部では、ウーマンリブ運動の思想史的位置付けと再評価を行い、3部では、フェミニズム運動への「からかい」が、非難や攻撃にもまさる抑圧的効果をもったことを明かした「からかいの政治学」など、メディアにおける女性表象の問題を追求した。今日までの状況を俯瞰する1章を加えた増補版。
目次
- はじめに/増補 その後の女性たち──一九八五─二〇二〇年/1 はじめに/2 バブル・バブル崩壊・格差拡大の時代へ/3 一九八五年から二〇二〇年まで、社会はどう変わったか?/4 「より選択が困難」な時代へ/5 「女性解放論の現在」/6 「『差別の論理』とその批判──『差異』は『差別』の根拠ではない」/7 「リブ運動の軌跡」「ウーマンリブとは何だったのか」/8 「からかいの政治学」/9 「『おしん』」「孤独な『舞台』──現代女性とインテリア」/I/女性解放論の現在/1 序──「セカンド・ステージ」/2 「家庭の重要性」と「男女の分業」/3 女性原理と男性原理/4 イリイチのヴァナキュラー・ジェンダー論批判/5 エコロジカル・フェミニズムの方向性/6 女性解放論における近代主義と反近代主義/「差別の論理」とその批判──「差異」は「差別」の根拠ではない/1 「女性問題」と「性差別」/2 「差別」とは?/3 「差異」と「差別」/4 「排除」としての「差別」/5 「性差別」の次元/II/リブ運動の軌跡/1 はじめに/2 七〇年代リブ運動小史/3 「文体」の解りにくさ/4 女にとって産むこと産まぬこと/5 「個人的体験の政治化」の矛盾/6 近代主義批判の陥穽/ウーマンリブとは何だったのか/1 誤ったリブ運動観/2 母幻想を超えて/3 〈性の解放〉とは何か/4 自分のことばで語る/III/からかいの政治学/1 はじめに/2 からかいの構造/3 からかいの機能/4 からかいの呪縛/5 からかいの政治学/「おしん」/1 はじめに/2 テレビに特異な女性像/3 消費の記号扱いの女性/4 貧しさも憧れの対象に/5 テレビに求める現実感/6 幸福を自覚せよと迫る/孤独な「舞台」──現代女性とインテリア/1 住まいへの関心/2 女性のいる空間/3 家族の変化と私的空間/あとがき/増補版あとがき/初出一覧
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