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恋しるこ 料理人季蔵捕物控
著者 和田はつ子
日本橋の塩梅屋では師走に限り、財布に優しく身体が温まる昼餉で客をもてなしていた。今年は嘉月屋の主・嘉助が届けてくれた餅米を使った「五目おこわ」にすることに。そんな折、塩梅...
恋しるこ 料理人季蔵捕物控
恋しるこ (ハルキ文庫 時代小説文庫 料理人季蔵捕物控)
商品説明
日本橋の塩梅屋では師走に限り、財布に優しく身体が温まる昼餉で客をもてなしていた。今年は嘉月屋の主・嘉助が届けてくれた餅米を使った「五目おこわ」にすることに。そんな折、塩梅屋の主・季蔵は嘉助に頼まれ、両替屋千田屋に生鮭料理の試作に赴く。季蔵が燻し鮭を作っている最中、婚礼を控えているお千恵に「珊瑚の丸い簪」が届けられた。彼女は死んだことになっているおとっつあんに違いないというが……。人間の心淵を描き切る大ベストセラーシリーズ、待望の二十六弾。
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紙の本
なかなかの構成で、人情話もしっかりと加味した良い出来上がりでした。
2016/12/12 11:19
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらず料理の話も捕物の話も快調です。一話でアレって感じで肩透かしを食わされ、その後も本題に入らない、ちょっと手の混んだ捕物話。ムーーと思っていたら、四話で、巧みに冒頭の黒幕と関連付けて見せてくれました。なかなかの構成で、人情話もしっかりと加味した良い出来上がりでした。冒頭の一話でのアレって感じも一遍に吹き飛びました。
一話目はあまりにもあっさりと犯人が分かってしまいアレ?って感じでした。
二話では、一話の犯人の裏に黒幕がいるのでそれを探し出せと北町奉行・烏谷椋十郎から密命が下される。しかしその探索は殆ど進まないまま、15年前の女殺しとその時に残された赤子の話になる。季蔵の推理で女殺しの犯人は公儀介錯人であり、残された赤子は誘拐された老舗海苔店浅草屋の次男で、今は荒くれ者・五助となっていたが周りの尽力で松次親分預かりとなる。
黒幕の探索が相変わらず進まないまま三話も単独の事件であるが、何と季蔵が料理を提供している場での事件であり、あわや季蔵が下手人にされそうな珍しい展開で、事件としても意外と手の混んだ話である。
四話は、石川島の人足寄場で見つかった骸を巡る話。身元を明らかにして親族の元に返してやりたいという五助の依頼で身元を調べると、何と推測した人間は実は生きており、骸は別人のものであったことが判明。結局、別人を仕立てて逃げ出し、愛する女と隠遁生活を送っていたが、探し出されたため再び雲隠れしてしまう。しかし、これは一話の黒幕に辿り着く話の切っ掛けらしい。石川島の人足寄場の寄場頭・蛇の龍太郎の暴虐・悪徳ぶりに触れられる。やはりでした。P-240で、蛇の龍太郎がその後、卯吉と名を改めて口入屋・青葉屋の主に収まり、悪事を働いているという。そこへ、シロが久々に登場して、新たな骸を見つける。その骸を追っていくことで、蛇の龍太郎=卯吉が開業資金を奪った相手も判明。やっと、冒頭の黒幕が明かされるという結末でした。