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あんず花菓子 料理人季蔵捕物控
著者 和田はつ子
日本橋にある塩梅屋の主・季蔵は、米問屋の加嶋屋に「食通である俳諧仲間のために、鯛尽くしの料理を拵えてほしい」と頼みこまれた。数日後、季蔵は先代の忘れ形見で看板娘のおき玖を...
あんず花菓子 料理人季蔵捕物控
あんず花菓子 (ハルキ文庫 時代小説文庫 料理人季蔵捕物控)
商品説明
日本橋にある塩梅屋の主・季蔵は、米問屋の加嶋屋に「食通である俳諧仲間のために、鯛尽くしの料理を拵えてほしい」と頼みこまれた。数日後、季蔵は先代の忘れ形見で看板娘のおき玖を連れて、加嶋屋の寮に赴き、先付けを出した矢先、五人もの浪人に押し入られ人質となった。季蔵は命に代えても、おき玖を守ると誓うが……。美味しい料理と人情と名推理が冴えわたる大ベストセラーシリーズ「料理人季蔵捕物控」の第一幕が、ここに完結。
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紙の本
一大転換期の作品ですね。ラストで、おき玖が結婚してしまうのだから。
2016/12/13 11:10
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一大転換期の作品ですね。ラストで、おき玖が結婚してしまうのだから。相手は、南町常町廻り同心・伊沢蔵之進ということで、これはマンネリ化した構図を一新する目論見と見ました。
第一話「高輪御膳」では、徘会の出張料理のために出向いた高輪・加嶋屋で、天誅浪士組を名乗る5人組に襲われ、徘会参加者・おき玖とともに囚われてしまう。この5人組、白昼堂々と覆面もせずに押し入っており、人質を生かしておく気持ちなどないことは明白。季蔵・おき玖ともに絶体絶命の危機である。この5人組は明らかに黒幕に大金で雇われた寄せ集め集団であり、20年程前の連続殺人事件の下手人を引き渡せなどと不思議な要求を出してくる。北町奉行・烏谷椋十郎は南町常町廻り同心・伊沢蔵之進の協力を得て事件解決に成功するが、黒幕はまだ不明である。
第二話「名残り魚」は、クロダイの料理の話のみで事件は無し。昔はクロダイが取れ過ぎて、しかも鮮度落ちが早く、臭みも強いということで下魚扱いされていたとは驚き。
第三話「あんず花菓子」では、青田庵女将・おはると「杏」取り引きとの関連が明らかとなり、一気に青田庵女将・おはるへの疑惑が深まるが・・・・・・・・・。
第四話は、全ての謎解きであるが、疑惑の青田庵女将・おはるはあっさりと殺されてしまう。途中、淡々と進んだ一話だけに、複雑に入り組んだ種明かしは良く考えたなと感心しました。謎解きものとしては、実に良く出来た作品でした。なお、青田庵女将・おはるは善玉でした。
さて、それよりも一大事は、これまで季蔵の生き甲斐だった「おき玖」が突然発情して南町常町廻り同心・伊沢蔵之進と結婚してしまうのです。そろそろ、潮時と見たか、季蔵の相方に新登場人物を予定しての事か。やはり次作も気になりだした。